『ドラクエ』遊び人&賢者&商人のコスプレイヤーに聞いた“こだわり”「バニースーツ×猫耳ショートヘアを何としても再現したかった」

2025.5.12
(左から)りゅうさん、もちださん、鳥海かうさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のガレージキットの祭典であり、2月9日に千葉・幕張メッセで開催された『ワンダーフェスティバル2025[冬]』。同イベントで『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といった人気ゲームのキャラクターに扮していたコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2025年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では今年行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模のガレージキットの祭典として知られる『ワンダーフェスティバル』の最新回であり、2月9日に千葉・幕張メッセで開催された『ワンダーフェスティバル2025[冬]』(略称:ワンフェス)に参加していたコスプレイヤーたち。

『ワンフェス』といえば、プロ・アマチュアを問わず、誰でもフィギュアや模型といった造形物を出展・販売できるイベントとして親しまれており、2025年にはついに40周年目に突入。このたびの『ワンフェス2025[冬]』では、アニメ制作会社「タツノコプロ」の代表作『タイムボカンシリーズ』の放送開始50周年を記念した特別企画『タツノコワンフェス』も実施され、好評を博していた。

一方、屋外に設けられたコスプレエリアをのぞいてみると、こちらには『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったゲーム作品のキャラクターに扮したコスプレイヤーたちが集結。同じ作品のキャラ同士で集まり、“併せ”を楽しんでいる様子が各所で見られた。

ちなみに、2024年11月に発売されたHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は、キャラクターの髪型や髪色を複数のパターンから自由に選べる仕様になっているのが特徴で、参加者の中にはデフォルトの髪型ではなく、実際にゲーム内で自身がアレンジした外見を再現して、撮影や交流を楽しんでいたコスプレイヤーも。また、最新のHD-2D版ではなく、あえてスーパーファミコン版のキャラクターデザインを参考に衣装を用意したという参加者もいて、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。

「こちらの衣装は自作で用意したもの。見た目が安っぽくならないよう、生地選びの際は質感や色味にかなりこだわりました。それと今回は、杖の造形にもこだわりがあって。キャリーケースに入れて持ち運べるよう、4分割できる構造になっているのがポイントです」(『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』賢者/鳥海かうさん)

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』賢者/鳥海かうさん
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』賢者/鳥海かうさん

「リメイク版の『ドラゴンクエストIII』では、各職業に複数のルックスのパターンが用意されていますが、遊び人に猫耳ショートヘアが追加されたのが予想外で、発表された瞬間、一目惚れしました。“このバージョンの遊び人のコスプレがしたい!”という気持ちに火がつき、形になったのがこちら。バニースーツやアームカバーは衣装制作が上手な友人に作ってもらったもので、生地の光沢感がとてもきれいで気に入っています」(『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』遊び人/もちださん)

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』遊び人/もちださん
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』遊び人/もちださん

「もともと『ドラゴンクエストIII』の商人ちゃんが大好きだったんですけど、リメイク版で追加された髪型があまりにもかわいくて、そのバージョンのコスプレに挑戦してみました。デフォルトの髪型でなくても“『ドラクエIII』の商人だ”とわかってもらえるように、衣装そのものは原作のデザインを忠実に再現する形で作成しています」(『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』商人/りゅうさん)

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』商人/りゅうさん
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』商人/りゅうさん

「コルセットの型紙をミスってしまって……2回作り直したのですが、まだ納得のいく形になっていないので、現在進行形で修正中です。ボックスプリーツスカートは市販の型紙を流用しようとしたのですが、もとのデザインと違う形になってしまったのでイチから作り直すことになり、衣装一式をそろえるのにかなり時間がかかってしまいました」(『ファイナルファンタジーXIV』ヒューラン/葵きつねさん)

『ファイナルファンタジーXIV』ヒューラン/葵きつねさん
『ファイナルファンタジーXIV』ヒューラン/葵きつねさん

「一番注力したのはウィッグです。毎回、衣装やウィッグは自作で用意しているのですが、ウィッグセットはどうも苦手で……。今回も納得がいかず、2回作り直して、なんとかこの形に落ち着きました。特に耳の角度にはこだわったので、注目していただけるとうれしいです!」(『ファイナルファンタジーXIV』ミコッテ/もんさん)

『ファイナルファンタジーXIV』ミコッテ/もんさん
『ファイナルファンタジーXIV』ミコッテ/もんさん

「アウラの特徴である角と鱗は、特殊な布を張り合わせて自作しました。特に鱗の造形は細かく作り込んでいて、光の加減でオーロラのような色味に見えるところが気に入っています」(『ファイナルファンタジーXIV』アウラ/しおさん)

『ファイナルファンタジーXIV』アウラ/しおさん
『ファイナルファンタジーXIV』アウラ/しおさん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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