マヂカルラブリー・野田クリスタルがジム長を務める「クリスタルジム」でトレーナーを務めるリボルバー・ヘッド。一応、吉本興業に所属する若手芸人ではあるが、本人は「すでにお笑いは辞めている」と語る。
しかし、2022年にゲストとして出演した『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)で、“早すぎるツッコミ”が話題になると、そこから年に一度のペースで同番組に出演。最近では『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ)や『ラヴィット!』(TBS)などテレビにもたびたび出演し、そのたびに「いったい“リボルバー・ヘッド”とは何者なのか」と、話題を呼んでいる。
4月30日(水)に発売する『クリスタルジム日めくりカレンダー』にも登場するリボルバー・ヘッドに、これまでの歩みを聞いた。

NSC東京21期出身。現在はクリスタジムに所属するトレーナーとして活動。トレーナー歴は3年。20キロ以上のダイエットに成功した経験がある
野球に捧げた学生時代
──リボルバー・ヘッドさんがお笑いに興味を持ったきっかけは?
リボルバー・ヘッド(以下、リボ) そもそも興味を持ったことがなくて……。子供のころは野球ばかりやっていましたし、お笑いも見たことがなかったです。
──野球の名門・二松学舎高校出身だそうですね。やはり、幼いころからストイックに練習をされていたのでしょうか?
リボ 小中学校のときは、普通だと家に帰って「素振り何回」とかを決めるんですけど、僕の場合は「手が痛くなってバットが握れなくなったら終わり」と決めていたので、自ずと夜中までバットを振って、朝は手がしびれて起きる生活を送っていました。毎回、手のしびれがアラーム代わりになっていましたね。
──本気でプロを目指していたんですか?
リボ レベル的にはプロはないです。高校3年生のとき、(現メジャーリーガーの)鈴木誠也選手が後輩として入学してきたんですけど、彼が来た初日にレギュラーを取られました。
──お笑いも知らず、そんなに野球に打ち込んでいた青年がなぜ芸人さんになるんですか?
リボ 就活のタイミングで友達から誘われたんです。お笑いがどういうものかわからなかったんですけど、「俺がネタを作るし、そのとおりにやってくれれば大丈夫だから」と言われて、特にやりたいこともなかったんでやろうかなって。
──エバースさんやネイチャーバーガーさんと同期の東京21期生(2015年入学)としてNSCに入学されたそうですが、そのコンビはどう活動していくんですか?
リボ NSCって「相方探しの会」があるんですが、当時の相方が「一応参加しておこう」と言ってきたんですよ。僕からしたら“コンビを組んでいるのになんでだろう?”とは思っていたんですけど、一応参加したら、相方が隠れてツッコミの人をメモしていて……。数日後に「いいツッコミが見つかったから解散しよう」と言われました。
──入学早々ですよね? 人生かけてきたのに!
リボ そうですね。NSCの費用も相方は貯められなくて、僕がふたり分払いました。それなのに解散を告げられて、ひとりになっちゃった、みたいな……。
速いツッコミを教えてくれた相方との出会い
──ひとりになったあとはどうなるんですか?
リボ 入ったからには、1年間は続けようと思って、同じクラスの人とコンビを組みました。今度はその人からお笑いを教わるしかないので、その人に言われたことを一言一句守って言っていました。
──リボルバー・ヘッドさんはツッコミの速さに定評がありますが、そのころから形成されていたのでしょうか?
リボ 僕は何も意識してないですけど、もしかしたら彼から教わった名残があるかもしれないです。相方に「ツッコミがヘタすぎるから、YouTubeでケンカの動画を見ろ」と言われて見ていたのが、あとを引いちゃっているかもしれないですね。当時は、言われたとおりにやらないと怒られるので、やっていただけ。特にそれ以外のことは考えていませんでした。
──その相方とNSCを卒業しても、お笑いを続けたんですね。
リボ 卒業して2年くらいコンビを続けていたんですけど、あるとき「おもしろくないから」と、解散を告げられました。その時点でお笑いをやめようと思ったんですが、一回も自分でネタを作ったことがなかったので、一度、ひとりでネタを作ってライブに出てみたんです。そしたら、客席にいた子供が泣いちゃって。
──なんと!(笑) どんなネタをされたんですか?
リボ 村西とおる監督のモノマネなんですけど、クオリティには自信があったんです。ブリーフ1枚で、カメラとほら貝を持って出たんですが、『全裸監督』(Netflix)が配信される数年前のことなんで誰も知らなくて……。ライブ後、作家さんから「次にそういうネタをやったら、社長に言ってクビにするぞ!」と言われました。
──それでも、そのあとも舞台には出続けたと。
リボ そのネタは1回しかやってないんですけど、妻がイラスト関係の仕事をしていて絵がうまいので、「絵を描いてあげるからフリップネタをやってみたらどうだろう」と言ってくれました。それで作家さんから言われたネタ案をそのまま妻に話し、絵を描いてもらいました。ネタのやり方も妻のアドバイスどおりにやったらウケたので、それからしばらくはそのネタをやっていました。
──ちなみにリボルバー・ヘッドという名前はどうつけられたんですか?
リボ 2回目の相方と解散するとなったときに、どんな名前で活動したらいいかわからず、「名前つけてくれない?」とお願いしてつけてもらいました。

お笑いは向いていないから、もう辞めている
──クリスタルジムで働くことになったきっかけは?
リボ ひとりになったとき、専門学校に通ってパーソナルトレーナーの資格を取り、就職しようと思っていました。なので学校に通いながら月に数本、ライブに出ていたんですけど、そのときに、にしだっくすさんに「吉本若手マッチョ部」に誘われたんです。せっかく誘われたのでわざわざ芸人を辞める必要もないか、と思って続けていたら、今度はクリスタルジムが(2021年7月に)オープンし、働かせてもらえるようになりました。クリスタルジムでの稼働が増えたので、資格はいつか取れるだろうと思い学校も辞めました。
──お笑いを辞めるか辞めないかの狭間の時期だったんですね。
リボ そうですね。でも、僕としては5年ほど前からお笑いをやっている意識はまったくないです。家族がいるので、今は生活をするためにクリスタルジムで働かせていただいているだけですね。
──そんななかで『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』に呼ばれます。とてもおもしろかったです!
リボ 呼ばれたときは「何もおもしろいことを言ったことがないし、お笑いの活動もしてないのに、なんで僕なんだろう」と思いました。あれはまわりの方がおもしろかっただけで、僕はひとつもおもしろいことを言ってない自信がありますね。
──ダルシム(対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場するキャラクター)など同世代が知っているであろうことも「なんですかそれ!」と、すぐに返しているのが衝撃的でした。
リボ 知らないのに知っている感じで接するのも失礼ですし、おもしろくないんだったら、せめて、すぐに僕との会話を終わらせたほうがいいじゃないですか。後輩として勉強不足だなとは思うんですけど、現時点ではどうしようもないんで。
──高校生のときなど、エンタメに興味を持たなかったんですか?
リボ 高校は寮生活で携帯電話もなかったですし、外の情報は何も入ってこなかったので、そういったものはなかったですね。
──現在、『さんまのお笑い向上委員会』や『ラヴィット!』の出演など、芸人としてステップアップしている印象です。「お笑いを辞めた」とのことですが、またお笑いをやりたいとは思いませんでしたか?
リボ まったくないですね。僕はもうすぐ2歳になるの娘の子育てをして、ごはんを作り、家の掃除をする……そういうことが日常なので何も変わらないです。数年お笑いをやって、自分に実力がないのはわかったんで、勘違いせずにいたいです。コンビを組んでいたときは「(コンビとして)おもしろく思われないと!」という緊張感もあったんですけど、自分ひとりでは何もできないので、呼んでいただいたことに感謝を持って、せめて大声で答えたいとは思っています。
『M-1』優勝ネタもわからない
──過去にはネタ作りも手伝ってくれた奥様は、今テレビに出ている状況を喜ばれているんですか?
リボ 妻とは子育ての話はたくさんするんですけど、テレビのことはあまり話さないですね。番組に出たら観てくれますけど、そんなことより娘の寝かしつけのほうが大事ですから。
──たしかにそうですね。リボルバー・ヘッドさんが、大笑いするイメージが湧かないのですが、どのタイミングでおもしろいと思うのですか?
リボ 娘のことだとずっと笑っています。今日も娘とすべり台を滑ったのですが、そのとき娘がびっくりした表情で滑っていたので笑いました。あとは妻がおもしろいことを言う人なので笑うこともあります。家族のことで笑うことが多いですね。
──では、視聴者の方に「いつも怒っている人だ」と勘違いしてほしくないですね。
リボ ケンカ動画があとを引いている僕の責任でもあると思います。あと、(お笑いの現場では)どこで笑えばいいのかわからないし、難しい。みなさんがなぜ笑っているのかわからないんですけど、娘のことに関しては、どう考えてもかわいいので、笑うこともあるんですけどね。
──今もお笑いは見ないんですか?
リボ まったくですね。『M-1グランプリ』も見たことないですね。でも、野球とか筋肉のことは知っているので、笑います。たとえばエバースとかはよく、野球ネタをやるじゃないですか。そのネタだとおもしろくて笑いますね。
──マヂラブさんのネタをご覧になったことあるんですか?
リボ 正直、あまりわからないです。お客さんに(『M-1』優勝時に披露した)「『つり革』ネタ」と言われたとき、それがなんなのかわからなくて……。その場では知ってるフリをして、そのあと見たんですけど、僕には難しかったですね……。
いろんな人に健康になってもらいたい
──ここからはリボルバー・ヘッドさんの筋肉についてお聞きします。ボディビル大会でも結果を残しているとのことですが、過去最高の戦績を教えてください。
リボ 昨年行われた『JURASSIC CUP』で、初めて出場する人が出るクラスで6位でした。それはうれしかったですし、これからも大会には出たいです。
──本格的に筋トレを始めたきっかけは?
リボ 今は体重68キロなんですけど、芸歴2、3年目のころは97キロくらいあったんですよ。そんなときにサウナに行ったら、横に座っていた男性に「君、絶対才能あるから、筋トレやりな」と太ももを触られながら言われました。人生で「才能ある」なんて言われたことなかったので、ちょっとやってみようと。
──すごいきっかけですね(笑)。
リボ 僕、昔はラーメン二郎を食べたあとに3時間空けてもう一回行くみたいな、なんでも食べる生活を送っていたんですよ。でも、約2年前に娘が生まれて、家族と長くいたいと思って、健康的な食事に変えました。筋トレしていたのもあって代謝も上がっていたので、どんどん痩せましたね。
──特に自信のある部位は?
リボ 内転筋を褒められることが多いです。日本体育大学で教授をやっているバズーカ岡田さんに、日体大ボディビル部の練習に連れてってもらったことがあったんですけど、学生チャンピオンに褒めていただきました。

──筋トレをやってみてマインド面に変化はありましたか?
リボ 筋トレしているときって、その瞬間は何も考えなくて済むんですよ。嫌なことがあってもリセットできるんで、落ち込むことがあまりない、というのはあります。
──「リボルバー・ヘッドさんの人生を変えた」と言っても過言ではないジム長・野田さんの印象を教えてください。
リボ あれだけ忙しかったら、ごはんを食べたくなると思うんですが、そこを節制して、あの体をキープできるのがすごい。僕みたいな生活であれば安定して絞れると思うんですけど、野田さんは短い時間で効率よく筋トレをして、あの体じゃないですか。野田さんが本気でボディビルをやったらとんでもないことになると思います。
──やはり野田さんをリスペクトされているんですね。感謝も大きいのではないでしょうか。
リボ もちろんそうですね。カレンダーもこうした取材も野田さんのおかげで受けさせていただいていますから、「野田さんのために一生懸命やろう」という思いでやっています。感謝しております。
──最後にリボルバー・ヘッドさん自身の今後の活動としては、どんな目標がありますか?
リボ もちろんお笑いは何もできないので目標は特にないんですけど、クリスタルジムでは、いろんな人に健康になってもらいたいという思いがあります。筋トレや食事で意識的に生活改善する方が増えたらいいなと思いますし、そこに協力する一員でありたいです。


『Quick Japan presents「クリスタルジム日めくりカレンダー」』
発売日:2025年4月30日(水)
価格:2,530円(本体2,300円+税)※送料別
仕様:縦158mm×横148mm
発行:太田出版
販売:QJストア(https://qjweb.myshopify.com/)クリスタルジム、全国のよしもとエンタメショップ、ほか
※内容は予告なく変更する場合があります
関連記事
-
-
花澤香菜が明かす“仕事人としての心得”「誰も想像しない選択肢を提示できるように」
花澤香菜『やれんの?エンドレス』:PR -
長濱ねるが、嫌いだった自分を許せるようになるまで
FRISK:PR -
空気階段が大学中退ニート&バイトの苦しい日々を“転換”させた先に
FRISK:PR -
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR