TBSアナウンサー田村真子の意外な(?)食生活。大学時代に父が作ってくれたお弁当は「おいしかった…はず」【明日の朝はどんな朝?】

文・撮影=田村真子 編集=山本大樹


TBS『ラヴィット!』でおなじみの田村真子アナウンサーが日々の悩みや心の動きを徒然なるままに語るエッセイ連載、スタートです! 大好評だった「『ラヴィット!』日誌」からおよそ2年、田村アナが『Quick Japan』に帰ってきました。入社7年目、中堅会社員として大奮闘する田村アナの日常をお届けします!

今回のテーマは「食」。多忙な日々を送る田村アナは、普段どんな食事をしているのでしょうか? 

さらに大学時代のお弁当にまつわるほっこりエピソードも……。

本連載はQJ&QJWebで毎月連載中!次回はQJWebで2025年1月中旬に配信します。

民謡が流れる定食屋さんがお気に入り

今年も『お笑いの日』に参加しました!

社会人になってひとり暮らしを始めて7年、いまだに今日何を食べるか問題に悩まされます。食べたいものがポンポンと思いつくときもあれば、疲れ果てている時期は何も食べたいものが思い浮かばないけど何か食べなきゃ……と簡単なものを作ったりデリバリーを頼んだり、実家にいたときとは違い毎日何を食べようか考えるだけでも大変です。晩ご飯のメニュー決めが大変とはよく聞きますが、ひとりでなんでも食べられる状況でも大変なのだから、世の家族を持つ料理担当のみなさんはもっと頭を悩ませているのでしょう。

そんななか、私は最近家の近くにある定食屋さんに行くようになったのですが、夜は居酒屋として賑わっているようで店内は予約でいっぱい。でもおひとり様だと席があるようで、通してくれます。

居酒屋だからなのかこのお店は店内に民謡?のような節のある曲が流れていて、この間はなんの歌かよくわかりませんが「尾張三河名古屋」という歌詞だけ聞き取れました。で、この民謡がなんだかすごく心地いいのです。田舎で育って盆踊りによく行っていたからか、歌舞伎が好きで長唄を聴き慣れているからなのか……。それとも日本人はみんなそう思うのでしょうか、なんだか落ち着きます。雰囲気って大事ですね。

ひとりご飯あるあるなのかもですが、私はひとりで外食するとどうも食事を進めるペースがわかりません。家だとマイペースにぐだぐだゆっくりと食事ができるのですが、外だとテレビを見るわけでもないしひとりでしゃべる相手もいないから、黙々と食べ進めるしかない。食べ物と1on1なわけです。

それがどうも慣れなくて、おいしくいただいてはいるけど胃の動きが悪い気がします。たぶん1on1に焦ってあまり噛めていないんでしょう。

でもこのお店で民謡を聴きながら食事をしていると、懐かしさからいろんなことを思い出し、とてもいいペースで食事ができるんです。あるときこのことに気づき、食事についてのいろんな記憶を思い出していました。

週3で唐揚げと麻婆豆腐

ハーマイオニー衣装の下の制服、高校時代を思い出す

先ほどの夕飯のメニュー決めが大変だという話、実家を出てからというもの私は毎日何を食べて生きてきたのだろう……とたまに思うのですが、まぁそんなこといちいち覚えているわけがない。でも受験生のころの食事だけは、よく覚えています。

学校が終わり塾の自習室に直行、そしてしばらくしてお腹が空いたら同級生たちとパスタまたはサンドイッチとファミチキを買いに行き、食べてまた自習室で勉強する。そして21時〜22時に帰宅しそこでまた母が作ったご飯を食べるという生活を送っておりました。そして我が家は平日に父が不在でひとりっ子ということもあり、母がいつも夕方ごろに「何が食べたい?」と連絡をくれるのです。

そのころは今と違って食べ盛りですし、週3ぐらいで好物の唐揚げと麻婆豆腐を作ってもらっていました。今思えばなんと贅沢な、そしてこのメニューだと白米をお茶碗3杯、本当によく食べていました。あのころは食べたいものが思いつかなかったり食欲のない日なんてなかった気がする……。

そんな時期を過ぎ私は無事大学生になって上京したわけです。大学時代は父と住んでいたのですが、父は自炊が好きなようで健康のために寝る前に朝ご飯を作り置きするのが日課でした。私は大学で茶道部に入り、週に2回ほど校内の和室でお稽古をしていたのですが、その道具の準備などは昼休みに行います。お昼をさっと食べて準備を始めますが、1年生のころはフルのコマ数で授業を取るので、行列に並んでお昼を買いに行く暇がないのです。

お芋のタルト、幸……

同期はみんな実家住みでお弁当を持ってきていて、いいなぁと思った私は、父に「みんなお弁当だからお弁当持っていきたい」と言ってみました。そうすると父は前期の半年ほど、週に2日お弁当を作ってくれました。あのころの父は私なんかよりよっぽど大忙しで睡眠時間も短かったはずなのに。高校生じゃないんだからそれくらい自分で作りなさいよと今では言いたいです(それでも自分では作らないだろう)。申し訳ないことにお弁当の中身に関しては覚えていないのですが、おいしかったと思います(笑)。

買い物に行くのがまずめんどくさい!

向こうに住む友とカチョエペペに会いにイタリアへ

こう思い出してみると、誰かに食事を作ってもらうありがたさを改めて実感しますね。あのころはなんとも思わなかったけど、今ではたまに東京に母が来て作ってくれるご飯のうれしさは格別です。

こんなことを考えて食べていると、心が柔らかくなってひとりの食事も楽しくなるし、外食も何も考えずにただ食べるのではなくて、感謝して楽しみながら食べることが大事なんだと気づかされました。でも日々さまざまなことに追われていると「食事はエネルギーを得るためのもの」でしかなくなるときがあります。私もたまに母に「そんな親の仇ぐらい怖い顔をして食べなくても」となだめられます(笑)。

別にイライラしているわけではないのですが、このあとに仕事の準備をしなきゃいけないとか、次の仕事のことを考えてたりすると食べているものに集中できず、こんなふうになってしまいます。そりゃ消化も悪くなるや……。でも、誰しも経験があるはず。食事の仕方って、そのときの心身のバロメーターだと気づいてから、「食」の大切さを痛感しています。

私はジャンクフードも外食も大好きですが、毎日のことを考えると日々サッとご飯を作れてしまう人の技術に感動します。仕事やほかのことをする能力もとても大事だけど、短時間で栄養バランスの整ったご飯を作れる能力って、生きていく上ですごく強力なスキルだ!

私もそんなスキルを早く身につけたい!と思いますが、なかなか難しい……。料理を作るのってそれなりに時間もかかりますし、作ることは好きなのですが洗い物は嫌い。そもそも買い物に行くのがまずめんどくさいのです。仕事終わりに買いに行けばいいだけの話なのですが、帰宅するまでの道にスーパーがあっても私は一刻も早く家に帰りたいタイプ(笑)。なので一時期はネットスーパーに大変お世話になっていました。東京って本当に便利! 届けてくれるスーパーの人に感謝! 

このような感じで、私は気まぐれに自炊生活を楽しんでいるわけですが、家族がいる方たちは買い出しから献立決め、料理にあと片づけと大変。

でもこれからは待ちに待った鍋シーズンの到来です。私も鍋は大好き! 白菜、長ネギは長持ちするし、豚バラさえ冷凍しておけばいつでもおいしく簡単に作ることができます。しいたけがあるとなおよし。なので気温が下がり始めると私は多種多様な鍋の素をストックし始めます。ひとり暮らしだとひとり分から作れる小分けになっているものしか選べないのが残念……。でもたまに奮発してふたつ使ってしまったりするので、もう普通の鍋の素でもいっか。

スーパーで売っているものから無印、たまにカルディなど、鍋の素巡りは楽しい。おいしそうな素を見つけるたび、まだ食べてもいないのに自分の暮らしが豊かになることが約束される満足感を得ることができます。こちらはショッピング♪といった感じで前者の買い物とはえらい違い。ということで冬の間は楽に健康的に自炊生活を送れそうです。あ、でもマックの気になる新作も制覇しなければ……これからも食の楽しみを大切にして生きていきます。

『ラヴィット!』で用意してもらう朝のお弁当はこんな感じ

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田村真子

(たむら・まこ)TBSアナウンサー。1996年生まれ、三重県出身。2021年より『ラヴィット!』MCを務める。趣味は博物館、美術館に行くこと。

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