SKY-HIが主宰するマネジメント／レーベル「BMSG」に所属する8人組ダンス＆ボーカルグループ「MAZZEL（マーゼル）」。2023年5月にデビューし、今年10月には神奈川と大阪でアリーナ公演を開催するなど順調に活動の幅を広げている彼らが、アリーナ公演に向けて、8月某日、伊豆にて3日間にわたって極秘合宿を実施していた。

QJ取材チームはその合宿の1日目に、MAZZELメンバーひとりずつに話を聞いた。ここでは、グループのリーダーであり、ダンサーとしての経験も豊富なTAKUTOのソロインタビューをお届けします。

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人間性も知ってもらいたい

──現在のMAZZELに一番必要なものは、なんだと思いますか？

TAKUTO　個々の爆発力がもっと出たら、8人で集まったときにもっといいグループになるんじゃないかなと思います。個々のスキルアップはもちろん、いろんな面で成長というか、ブレイクスルーしていけたらいいなって。MAZZELはよく「個性がバラバラ」とか「バックグラウンドが全然違う人たちが集まって」と表現されるので、そろえてグループの一体感を出すのも重要だと思うんです。でも、一人ひとりが自分の武器を磨いて輝いたほうが、もっといろんな層の方に刺さるだろうし、可能性も広がるかなと。

──今は一体感よりも抜きん出た個性が必要だと思われているのですね。

TAKUTO　もっといい意味で、はみ出してもいいのかなって。自分も含めてMAZZELは「俺が俺が」ってタイプのグループではないからこそ、もっとそういう気持ちをみんなが持っていてもいいと思うんです。はみ出したら抑えてくれる人がいるだろうし、そうやってうまくバランスを取れると思うので。あまり気にすることなく、個々人が飛躍していけたらいいですね。

──スキル以外の面だと、どういうところでブレイクスルーできたらおもしろそうですか？

TAKUTO　まだ自分の長所や武器に気づけていないメンバーもいるだろうし、それを探しつつ伸ばしていけたらいいですよね。MAZZELには、EIKIみたいにスポーツ万能な人もいるので、バラエティに特化している人がいてもいいのかも。最近では少しずつ個人の仕事も増えてきたので、そういった機会を活かしていけたらと思っています。

──世の中にMAZZELの個性を知ってもらうためには、どのようなことが必要だと思いますか？

TAKUTO　歌やダンスだけではなく、人間性の部分を今やっているYouTubeコンテンツの『MAZZEL ROOM』（まぜべや）やラジオ『MAZZEL RADIO STATION』（TOKYO FM）で広めていくことですね。僕自身、いろんなアーティストを観て「この人たちの歌やダンスがかっこいい」と思っていても、人間性や普段の様子を全然知らないことがたくさんあるので。素の部分を知ってもらった上で、「歌やダンスはこういうことができるんだぞ」って見せていけたらいいかなと。MAZZELのYouTubeは、僕たちを知らない人が観てもおもしろいと思います。

──みなさんの素が出ているコンテンツを、より多くの人に届けていくと。

TAKUTO　あとは、ライブのトークパートをがんばるとか。デビューのときに比べたら、絶対にうまくなっていると思うのですが、自分たちがトークをする側になったことで、今までふと観ていたものから「こういうときは、こうするんだ」って吸収するようになりました。そういうものをたくさん観て勉強したり、ほかのアーティストのライブでMCに注目してみたり、いろいろないいところを盗みつつ、成長していきたいと思います。

──TAKUTOさんが思ういいMCとは、どんなものですか？

TAKUTO　そのアーティストを知っている／知らない、好き／好きじゃないに関係なく、「楽しい」と思ってもらえて、笑顔にできるのがいいMCだと思っています。あとは、気持ちを一緒に共有できること。自分の気持ちと来てくださるお客さんの気持ちを巻き込んで、一体感のあるライブを作れたらいいですね。

確実にステップアップできる

──現在のMAZZELのグループとしての進捗については、どのように感じていますか？

TAKUTO　徐々にではありますが、着実に進んでいると思います。SKY-HIさんもよく僕たちに「今やっているのは、試験管に水を溜める作業だよ」と言ってくれるので。それが、いつあふれるかだと思うんですよね。デビューしたばかりのころは、目の前にある与えられたことを全力でやるだけだったけど、最近ではよりよくするためにはどうすればいいか、自分たちで考えられるようになってきました。

たとえば、「こういう楽曲をやります」となったとき、どの曲に対しても「めっちゃいい。やろうやろう」って感じだったのが、「もっとここは変えたほうがよくない？」とか「これだと、こうなっちゃうよね？」という意見がどんどん出てくるようになったんです。スキルや考えについて8人で話し合いをしているなかで、自分が「そうじゃないな」と思うことに対して、ちゃんと伝えられるようになってきたので、このまま行けば確実にステップアップできると感じています。

──能動的になってきたのですね。

TAKUTO　そうですね。社長やスタッフさんが決めてくださったコンセプトをただやるのではなく、自分たちでMAZZELのカラーを作り上げるようになってきているかな。ライブの経験も積ませてもらって、前よりはちょっとだけ余裕も出てきたから、やりたいことも増えて、がんばれることも多くなったのかもしれないです。どうしても、経験しないとわからないことが多いので。そこが大きいと思います。

──TAKUTOさんご自身はダンサーとしての経験が豊富かと思いますが、それでもダンス＆ボーカルグループでの活動は、経験しないとわからないことばかりなんですね。

TAKUTO　やっていることが全然違いますね。ダンスをしているということが一緒だとしても、そこに歌うことが増えただけではないんです。『MISSIONx2』のときに考えていたアーティスト像って、こんな感じだったかな、と考えることもあります。奥深い世界ですよね。今の段階ではまだまだ知らないこともあると思うし、これからももっといろんな経験を積んでいきたいです。

音楽のことをもっと知りたい

──年内中に成し遂げたい目標を教えてください。

TAKUTO　なんだろう……ちょっと難しいですが、シンプルにいえば、もっといろんな方にMAZZELを知ってもらうことですかね。MUZE（MAZZELのファン）はもちろん大切ですが、僕たちのことを知らない方々にももっと観てもらいたい、知ってもらいたいという気持ちもあるので。現時点でMAZZELのことを知ってくれている人の倍、MAZZELのことが好きになってくれる方を、今年中に増やしたいです。

──最後に、この合宿で成し遂げたいことを教えてください。

TAKUTO　8人もいると、音楽に対しての熱量や好みも違うし、どれだけ入り込めているかも全然違うと思うんですが、みんながもっと音楽を愛せるようになったら、僕たちのパフォーマンスにももっと深みが出るようになると思うんです。今回の合宿は最強の社長（SKY-HI）も一緒だし、社長の背中を見て、音楽のことをもっと知って、楽しい＆大好きってところまで深みを出せていけたらいいですね。音楽をもっと知る合宿にしたいと思います。

【MAZZEL夏合宿でのメンバーソロインタビューを連日公開中です。11月19日（火）はHAYATOのインタビューの掲載を予定しています】

TAKUTO
（タクト）1998年10月28日生まれ、東京都出身

MAZZEL
（マーゼル）2023年5月、シングル『Vivid』でデビューした8人組ダンス＆ボーカルグループ。幸福を意味する「Mazel」に迷路「Maze」と情熱「Zeal」をかけ合わせたグループ名には、迷路から抜け出すための出口に向けて情熱を燃やし、幸福をつかみとって人々に渡していくグループになるという意志が込められている。2024年10月16日には、3rdシングル『MAZQUERADE』をリリース、また12月18日には初の映像作品『MAZZEL 1st One Man Tour 2024 “Join us in the PARADE”』のDVD、Blu-rayが発売される。

『Quick Japan』vol.174

【書誌情報】
書名：『Quick Japan』vol.174
発売日：2024年10月9日（水）
判型：A5判（並製）
ページ数：144ページ
価格：1,650円（税込）