大森時生×酒井善三監督のBLドラマ『フィクショナル』が劇場公開決定

2024.10.21

文・編集=QJWeb編集部


テレビ東京で『行方不明展』『イシナガキクエを探しています』を手がけた大森時生が、酒井善三監督とタッグを組み初プロデュースしたBL(ボーイズラブ)ドラマ『フィクショナル』が11月15日(金)より劇場公開される。

酒井監督の『カウンセラー』もリバイバル上映

先日、動画プラットフォームBUMPで配信開始するやいなや、BL作品としては異例の緊張感あふれる不穏さで大きな話題となり、各界を代表する著名人からもコメントが寄せられている。

今回の劇場公開を記念し、酒井善三監督の前作である『カウンセラー』もリバイバル上映される。本作は『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭』にて、短編映画では初のSKIPシティアワード受賞という快挙を達成。全国劇場で公開されるなど、短編自主映画としては異例の反響を呼んだカルト的話題作だ。黒沢清監督が注目の若手監督として酒井善三監督の名前を挙げ、『Chime』が『カウンセラー』の影響を受けたと語ったことも記憶に新しい。

(c)Drunken Bird

各界著名人からの『フィクショナル』へのコメント

漫画家・浅野いにお

これは架空の物語ですが、確信を持って描かれる示唆的なラストに、自我を見失いつつある現代社会の縮図を感じました。混沌と不安、そしてやり場のない怒り。これは明日の自分の姿なのかもしれない。

小説家・背筋(『近畿地方のある場所について』『穢れた聖地巡礼について』著者)

虚実ない交ぜのこの世界。もしかしたら私たちは、情報に溺れたままのほうが幸せなのかもしれません。人がおかしくなってしまうのは、疑うことに気づいたときですから。

そのことに気づいた私は、もうおかしいのかもしれませんが。

小説家・高瀬隼子

自分の目で見て、耳で聞いて、頭で考える、その先にある「信じる」が驚くほど遠い。こんなに難しかったんだっけ、と頭を抱えている…この頭も本物だろうか? と疑ってしまう。根底からぐらぐらと不安定になる、じっくり見つめてほしい作品。

皆口大地(『ゾゾゾ』/『フェイクドキュメンタリーQ』)

この時代にまた一つとても危険な作品が生まれてしまった。ヒリヒリと皮膚を刺す様な穏やかな緊張感を終始張り巡らせ、この作品は優しくしかし確かに現実を蝕んでいく。

各界著名人からの『カウンセラー』へのコメント

映画監督・黒沢清

40分ちょっとの中編だが、
これは凄い!近年最も不気味な映画と言っていいだろう。
全ての画面に恐怖と錯乱が張り付き、見ているこっちまで気が変になりそうだ。

映画監督・清水崇

かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまった……
脚本、構成、場所、キャスト、間合い、画、音響、全てに不安が張り詰め、
薄気味悪い空気が満ち満ちてくる──
かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまっ…あれ?
……気がしただけ?……マズい、憑り込まれる。
酒井善三監督、、、、凄い才能だ!ぎっちり憑り組まれた長編が観たい。

『フィクショナル』あらすじ/キャスト/スタッフ

うだつの上がらない映像制作業者・神保のもとに、ある日、大学時代の先輩・及川から連絡が来る。憧れの先輩との共同業務に、気分が湧き立つ神保だったが、その仕事は怪しいディープフェイク映像制作の下請けであった。やがて迫りくる自身の「仕事」の影響と責任……神保は、徐々にリアルとフェイクの境目に堕ちていくのだった……。

(C)テレビ東京

主人公・神保を演じるのは、映画『若武者』で坂東龍汰、髙橋里恩とともにトリプル主演を務め話題になった清水尚弥。大学時代の先輩の及川は若手注目俳優の木村文が演じる。監督は『カウンセラー』で『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭』SKIPシティアワードを受賞した酒井善三。

プロデューサーは『行方不明展』『TXQ FICTION/イシナガキクエを探しています』の大森時生(テレビ東京)。『このテープもってないですか?』『SIX HACK』でもタッグを組んだふたりが今回初めてドラマを制作した。劇場公開にあたって、キービジュアルは『MADドラえもん』などのサンプリング・アニメーションでカルト的人気を誇るFranz K Endoがデザインした。

『カウンセラー』あらすじ

ある心理相談室に勤める心理カウンセラーの倉田真美は妊娠6カ月で、産休前最後の出勤日だった。予定していた最後の相談者を見送った真美の前に、予約のなかった吉高アケミという女性がやってくる。やむなく相談内容だけでも聞くことにした真美に対し、アケミは「妖怪が見える」と語り始める。謎めいたアケミの口から語られる昏(くら)い物語は、聞いている真美の妄想を駆り立て、真美は次第に不安の渦に飲み込まれていく。

(c)Drunken Bird

スタッフコメント

監督・酒井善三

『フィクショナル』と『カウンセラー』は予算も人手も制作環境も違いますが、どちらも不安という感情をベースとした娯楽作品です。楽しんでいただけたら幸いです。

プロデューサー大森時生(テレビ東京)

僕は「不安」が好きです。併せてご覧いただくことで、より不安になれると思います。

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  • 『フィクショナル』

    【劇場】シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』/新文芸坐ほか
    【出演者】清水尚弥、木村文ほか
    【脚本・監督】酒井善三
    【プロデューサー】大森時生

  • 『カウンセラー』

    【劇場】シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』/新文芸坐ほか
    【出演者】鈴木睦海、西山真来ほか
    【監督・脚本】酒井善三


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