JO1、73.8万枚の過去最高売り上げのシングルでも慢心なし「テッペンまでは遠いので、またがんばりたいと思います」

2024.6.8
JO1、73.8万枚の過去最高売上のシングルでも慢心なし「テッペンまでは遠いので、またがんばりたいと思います」

文=岸野恵加 編集=森田真規


5月29日発売の8TH SINGLE『HITCHHIKER』の発売を記念したイベント『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』を、6月6日に東京・昭和女子大学人見記念講堂で開催したグローバルボーイズグループ・JO1。

「Billboard JAPAN “Top Singles Sales”」で過去最高となる初週73.8万枚を記録した『HITCHHIKER』。数日前に韓国から帰国したばかりの彼らは、大胆な髪色チェンジでファンを驚かせつつ、5曲をパフォーマンス。ゲームコーナーでもチームワークのよさを見せ、大ヒットにも慢心の様子はなく、さらなる飛躍を期待させた。

多方面での活躍が結実して初週73.8万枚を記録

JO1は活動の濃度と密度が高く、常に全力疾走している印象を受けるが、『HITCHHIKER』にまつわる活動には、特に並々ならぬ気合いが漂っていた。5月29日のリリース前週からは、韓国で初めて6つの音楽番組に出演。日本ではメンバーが音楽番組はもちろんのこと、バラエティなどさまざまな番組に登場した。

同時期に、『ラヴィット!』(TBS)にレギュラー出演している河野純喜が高級腕時計を2本大人買いして“カルティエボーイ”として知名度を高めたり、川西拓実が主演映画『バジーノイズ』のPRでさまざまなメディアに登場したりと、メンバーをテレビで見ない日はないほどの怒涛の勢いが続き、彼らがさらに多方面に自分たちの魅力を届けようとしていることが伝わってきた。

その勢いが結実したように、『HITCHHIKER』はJO1として過去最高のセールスを記録。「オリコン週間合算シングルランキング」「Billboard “JAPAN Hot 100”」「Billboard JAPAN “Top Singles Sales”」のそれぞれで1位に輝き、CDセールスはオリコンで初週50.6万枚、Billboardで初週73.8万枚という驚異的な数字を残した。この日のショーケースは祝福ムードに包まれ、メンバーが常に幸せそうな表情を浮かべていたことが印象的だった。

JO1|’Love seeker’ Official MV

会場が湧いた大胆なヘアカラーの変化

荘厳なSEが流れたあと、「プレイボール!」のひと言とともに1曲目の「Test Drive」が始まると、会場を埋め尽くしたJAM(JO1のファンネーム)からは驚いたような悲鳴が起こる。それもそのはず、ヘアカラーを大胆にチェンジしたメンバーが多数いたのだ。

川尻蓮は蛍光黄緑、川西は白寄りの金髪、金城碧海は紫、白岩瑠姫は本人いわく“過去最高レベルに暗い”銀と黒のツートーン。メンバーもイメージチェンジに大賑わいで、川尻は白岩の3次元離れした佇まいに「なんか振られたい、瑠姫に!」と叫んでいた。

JO1|’Test Drive’ PERFORMANCE VIDEO

「Test Drive」でエネルギーを爆発させたあと、立て続けに届けられた2曲目は、川西が作詞・作曲を手がけた「HAPPY UNBIRTHDAY」。2階席から俯瞰で11人のパフォーマンスを見ていると、デビュー5年目の風格を感じるとともに、メンバーそれぞれが自分らしい魅せ方をさらに追求している印象を受けた。

パフォーマンス面でのJO1の強みといえば、長らくダンスのシンクロ率の高さとされてきたが、そこにとどまらず、より高い次元に到達しているのではないか。ダンスブレイクではメンバー間の空気の動きが視覚的に把握できそうなほどのエネルギーのうねりを感じ、グループのまとまりがひとつの生命体のようにも思わせられた。

『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

JO1のチームワークのよさが発揮されたゲームコーナー

ゲームコーナー「運命の赤い糸」では、「HITCHHIKER」に収録されているユニット曲の編成をもとに、川尻、川西、木全翔也、佐藤景瑚、鶴房汐恩、與那城奨からなる「Lied to you」と大平祥生、金城、河野、白岩、豆原一成からなる「Sugar」の2チームに分かれて対決。赤い糸を引いた先に書いてあるミッションにそれぞれ挑戦していった。

川尻は「メンバー1人をお姫様抱っこして5秒間キープ」というミッションを引き当て、華奢な川尻には難しいのではとメンバーもJAMも心配まじりで見守るなか、與那城をしっかりと抱きかかえて大成功。

川尻が與那城をお姫様抱っこした瞬間、会場からは歓声が飛び交った/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
川尻が與那城をお姫様抱っこした瞬間、会場からは歓声が飛び交った/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

また手押し相撲では豆原が川西に圧勝したり、金城が鶴房のものまねをして爆笑を誘ったり、白岩があいうえお作文で「あのときより 今もずっと 嘘みたいに 永遠なんてないけど お前が好きだ」と見事にJAMへの愛を表現するなど、さまざまなチャレンジが和気あいあいと繰り広げられていく。

胸筋自慢の豆原を手押し相撲の相手に指名した川西……結果は瞬殺だった/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
胸筋自慢の豆原を手押し相撲の相手に指名した川西……結果は瞬殺だった/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

トークコーナーで感じたのは、11人の仲のよさと自由で無邪気なムード。昨年『行列のできる相談所』(日本テレビ)に河野と木全が出演した際、後藤輝基(フットボールアワー)が「JO1って学童?」とツッコむひと幕があったが、まさに“学童”のようなのびのびとしたやりとりに、何度も笑いを誘われる。しかし無秩序というわけではなく、かけ合いの間の取り方やボケを重ねるタイミングなどには、バラエティ番組やラジオで磨き上げてきたトークや笑いのスキルが存分に活かされているように感じた。

4度目のチャレンジでけん玉に成功した與那城/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
4度目のチャレンジでけん玉に成功した與那城/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

7点対13点で「Sugar」チームが圧倒的な優勢という状況のなか、最後の鶴房は「ふたつのミッションをクリアできたら点数2倍でいい?」と提案。その結果「ストップウォッチを11秒ぴったりで止める」というミッションの間に早口言葉を言うという難儀なお題に挑戦することになり、盛り上がりを生み出していた。結果、あえなく失敗してしまい、「Lied to you」チームは罰ゲームとして苦いセンブリ茶を飲むことに。

初挑戦という川尻をはじめ、罰ゲームでセンブリ茶を飲む「Lied to you」チーム/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
初挑戦という川尻をはじめ、罰ゲームでセンブリ茶を飲む「Lied to you」チーム/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

11人という大人数だからこそ生まれる先の読めないトークや、舞台上で同時多発的に発生する小ネタに目が離せなくなるのも、JO1に惹きつけられるポイントのひとつだろう。

“伴走者”を称えたリーダー「おめでとう、JAMのみんな!」

トークでの底抜けに明るいムードはどこへやら、再びパフォーマンスが始まると、11人は瞬時にスイッチをアーティストモードに切り替える。「Aqua」ではブルーのライトに照らされるなかでメンバーがしなやかに舞い、上品で艶やかな色気を発揮。それぞれの透明感に満ちた歌声にも引き込まれた。そして『HITCHHIKER』のリード曲「Love seeker」では、客席からJAMが大きなかけ声を届けてJO1と一体に。

「Aqua」を披露するJO1/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
「Aqua」を披露するJO1/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

JO1は多数の音楽番組での披露を経て磨き上げてきたパフォーマンスで、エネルギッシュにJAMを魅了する。またJAMの熱い「JO1!JO1!」コールに応えたアンコールでは、河野が作詞に携わったポップソング「Lemon Candy」で、爽やかな余韻を残した。

「Lemon Candy」を披露するJO1/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
「Lemon Candy」を披露するJO1/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

JO1は普段からJAMとの結びつきが強く、二人三脚で歩んできたグループだ。11人は日頃からよくJAMへの愛を伝えているが、この日の最後のあいさつでは、ひと際強い思いを込めて、それぞれに感謝を口にしていた。

大平は「ハーフミリオンだったり70万枚だったりビルボードだったり、ほんっとうにみなさんのおかげです。ほんっとうに大好きです」、河野は「1位、本当にありがとうございます。JAMのみなさんのおかげです。大拍手!」とコメント。與那城は「JAMのみなさんが誇らしいです。おめでとう、JAMのみんな!」と拍手を送り、JAMをただのファンではなく、グループの“伴走者”と捉えるような思いを示していた。また豆原は「まだまだテッペンまでは遠いので、またがんばりたいと思います!」と頼もしいひと言。

会場に集まったJAMに精一杯の感謝を伝える11人/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment
会場に集まったJAMに精いっぱいの感謝を伝える11人/『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』より (C)LAPONE Entertainment

過去最高記録を叩き出し、いざ“TOP”へ

これだけ人気を得ても、慢心せずに常に高みを見据え続ける彼らの姿勢も、JAMの心をつかんで離さない大きな要因だろう。『Quick Japan』vol.172で展開したJO1の総力特集においても、メンバーは「人気があるように見えているかもしれないですが、僕らの実力とまわりからの目の間にはギャップがある」(與那城)、「合格点は出せない」(川西)と、おごらない姿を見せていた。

過去最高売り上げという記録は、JAMの努力ももちろん反映されているものの、新たなファンが着実に増えていることの表れでもあるはずだ。5月1日に行われた『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM PRE-SHOWCASE「Where is my love?」』では、金城が「最近になってJO1のことを好きになってここへ来てくれた人もいると思う。でも最近だからといって置いていかないんで。一緒に世界へ走っていきましょう」と伝えた一方、『Quick Japan』vol.172では白岩が「新しいファンの方が増えたとしても、今のファンが離れていってしまったら、意味がない。だから、いかに今のファンのみなさんを大事にできるかって考えています」と語っている。

昔からのファンも新たにJO1に出会った人も、全員の手を取り、JO1は今後もひたむきに進んでいく。彼らが生み出す大きな渦が世界中に広がっていく日も、そう遠くはなさそうだ。

■『JO1 8TH SINGLE “HITCHHIKER” PREMIUM AFTER SHOWCASE』セットリスト
1.Test Drive
2.HAPPY UNBIRTHDAY
3.Aqua
4.Love Seeker
EN.Lemon Candy

JO1、40ページ以上の総力特集を掲載した『Quick Japan』vol.172

6月5日(水)発売の『Quick Japan』vol.172では、40ページ以上にわたってJO1の総力特集「時代を変える11の夢」を実施。「Go to the TOP」に迫る合計3万字以上となるソロインタビューのほか、JO1の数多くの衣装を手がけてきた韓国人スタイリストへのインタビュー、『オルタナティヴR&Bディスクガイド』の著者・つやちゃんによる8TH SINGLE『HITCHHIKER』を含むシングル全8作のディスクレビュー、さらにメンバーソロのフォトカードにもなるスペシャルページ入り。『Quick Japan』の公式ECサイト『QJストア』では、通常の表紙とは別パターンの特装版表紙の販売もあり。

▼『Quick Japan』vol.172収録、JO1ソロインタビュー
河野純喜:「真の自分を受け入れてもらおう」5年目の今、そう思える
川尻 蓮:現状には満足していない 今より11倍強いグループになる
木全翔也:その日その日のトップを目指し誰よりも高い場所に到達する
大平祥生:日本代表は通過点 もっと大きな存在になりたい
金城碧海:「JO1がトップに立つ日が来る」という確信がある
豆原一成:“協調性”と“仲のよさは大前提 プロとして個性が輝くグループに
川西拓実:自分の伝えたいことを音楽に乗せて発信したい
佐藤景瑚:この先も人を笑顔にし続ける その思いはずっとブレずにいたい
與那城 奨:まだまだ満足していない やるべきことを積み重ねて、世界へ
白岩瑠姫:見えない努力があったからこそ「もっと届けばいいな」と思う
鶴房汐恩:続けることで新しい夢が出てくる それも全部叶えていきたい

『Quick Japan』vol.172 表紙(JO1)
『Quick Japan』vol.172 通常版表紙(JO1)
『Quick Japan』vol.172 特装版表紙(JO1)
『Quick Japan』vol.172 特装版表紙(JO1)
【通常版】『Quick Japan』vol.172 【特装版表紙】『Quick Japan』vol.172

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岸野恵加

(きしの・けいか)ライター・編集者。ぴあでの勤務を経て『コミックナタリー』『音楽ナタリー』副編集長を務めたのち、フリーランスとして2023年に独立。音楽、マンガなどエンタメ領域を中心に取材・執筆を行っている。2児の母。インタビューZINE『meine』主宰。

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