『マヂラブANN0』流、コスプレイヤーえなこへの不器用な「おもてなし」
2カ月に一度放送される『オールナイトニッポン』のスペシャルウィーク。今回の『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)』のスペシャルウィークには、コスプレイヤーのえなこと、囲碁将棋の根建太一が登場した。
普段は「radiko」で番組を拝聴しているのだが、今回はより臨場感をお伝えするため、あくまで執筆のために「17LIVE」で視聴した。その模様をお伝えしたい。
中立の立場として呼ばれた根建、場を掌握するえなこ
そもそも、今回のスペシャルウィークのゲストはえなこだけの予定だったのだが、マヂカルラブリーとリスナーのえなこに対するリアクションがあまりにも気持ち悪いため、車と野茂にしか興味がないため中立の立場になるであろう根建を呼んだといういきさつがある。
コスプレイヤーのトップ・えなこに、日々の生活における心構えや仕事への取り組み方などを聞くことができる貴重な機会にもかかわらず、邪な心でえなこを見ているから、そのような事態が起きてしまうのだ。本当にわきまえてほしいものである。
根建は1995年MLBオールスターゲームの野茂英雄Tシャツ、えなこは黒のニット(アームウォーマー)にベージュのタータンチェックのワンピースという出で立ちで登場。私はファッションに興味があるので、ふたりの、特にえなこの服装には注目していたのだが、控えめに言って最高に似合っていた。大衆性と個性を絶妙にミックスさせた、えなこにしか着こなせないファッションは本当に参考になった。
過去にえなこと共演した野田クリスタルがひと笑いも取れなかったこと、えなこに村上がSNSでDMを送ったことを暴露し合うなど、犬も食わない争いが早々に続くなか、ふたりの決死のアプローチを華麗にかわすえなこ。また、えなこに好かれたいリスナーたちからスカしたメールが山のように届いていたのだが、
「お前コンビニで絶対私のこと見たことあんだろ」
「弱そうだろどう考えても」
と、キモリスナーたちを一刀両断。さらに、シビックにしか興味がないと言いつつ白目でえなこを見ていた根建にも、
「左隣に車しか興味ねぇって言ってる男が……」
と釘を刺し、場を完全に支配していた。
トップコスプレイヤーえなこの流儀と道のり
そんな不毛な争いを繰り広げていた放送だったのだが、中盤からは私の知りたかった質問が続いた。
「ボディメイクの方法は?」といった問いに対し「いや(トレーニングは)しないですね。ほとんど食事制限ですね。やっぱ食べなきゃ痩せるんで。ガツッて痩せるやつって結局元に戻っちゃうんで、3年、5年のスパンで長期的に見て、続けられること。(飲み物を)お茶や水に変えるとか」と、非常に参考になる回答をしてくださっていた。「ストレスなく続けられる」というのが一番なのだろう。えなこにも、これからも無理のない範囲でボディメイクをしてほしいと思った。
中盤からは、さすがに童貞ラジオすぎる流れを反省したのか、紳士的な態度に。「一番費用がかかったコスプレ」「一番好きなコスプレ」「コスプレイヤーになろうと思ったきっかけ」「コスプレイヤーの収入源」「何歳までコスプレイヤーを続けたいか」など非常に興味深いトークが続いた。
印象的だったのは、えなこが今の人気を獲得したきっかけは自分からの発信ではなく、えなこのコスプレ写真を第三者が拡散したことによる「偶発的」なものだったというエピソードだ。自分の魅力を信じ、やり続けていたことが、いつの間にか実を結ぶ。まさにバタフライエフェクト。夢を信じる大切さを改めてえなこに教わった。
不器用な男たちなりの「おもてなし」
そして、事件は後半に起こった。野田が突然「『えなラジ』(『えなこの◯◯ラジオ』/文化放送)に出させてもらったときにすっごいセクシーなコスプレになってたから、今日もあんのかなと思って」と言い出すと、野田は当日購入したという体操服と白いハチマキ姿に着替えて「女子」のコスプレを披露。
3人はそんな野田の奇行にドン引きしていたが、野田は「えなこさんひとりにコスプレさせたら、さみしい思いさせるだろ。男3人に囲まれて。せめて俺が……」と、えなこの気持ちを代弁する優しさを見せた。すると「お前も見せてやれ」とのメールを受け、根建も女子のコスプレを披露。コスプレを脱いだ半裸の男(野田)と、流木女子(根建)と、えなこが並ぶという、画面全体にモザイクがかかってもおかしくない異様な光景が「17LIVE」に映し出されていた。
野田「今まで本当にいろんなコスプレしていただいて……感謝っていうか、恩返し」と、コスプレイヤーに対してコスプレを披露するというかたちでプレゼントを贈る。それははたから見れば、非常に滑稽なものだったかもしれない。だが、これが『マヂラブANN0』流の「おもてなし」なのだ。こうすることでしか己の気持ちを伝えることができない、なんて不器用な男たちなのだろう。
そして、そのどうしようもない姿に俺たちリスナーは惹かれているのだ。えなこ、どうか彼らを許してやってほしい。そしてよければ、これに懲りずまた出演してください。俺たちは、いつもここにいます。
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