76歳の芸人「おばあちゃん」の歩みに若林「『だが、おばあちゃんである』ドラマ化してほしいね(笑)」(激レアさん)

オードリー

文=てれびのスキマ イラスト=おさく 編集=梅山織愛


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『激レアさん』(8月14日放送)

激レアさんが登場するなり「私、このおばあちゃん、知り合いです」とゲストのあんり。そう、「70歳で芸人を目指し、5年間若手に混じって勝ち上がり史上最高齢でよしもとの劇場メンバーになった人」は、今年6月、あんりと同じ神保町よしもとの劇場メンバーになった芸名そのまま「おばあちゃん」。

71歳のころNSC東京の24期生として入学したので、20期生のあんりは4年先輩。劇場の楽屋ではおせんべいを芸人仲間たちにおすそ分けする姿はおばあちゃんそのもの。1947年生まれの76歳で、中田ダイマル・ラケットに憧れていたというおばあちゃん。「ダイマル・ラケットさんに憧れて入った人に先輩って言われてるって」と苦笑するあんり。若林も「時間軸がわからなくなる」。

ネタを作り始めたときは、フリオチがわからなったおばあちゃん(若林「うちの相方はまだわかってない(笑)」)。オリジナリティもなく、オチを忘れがちだと自己分析した彼女は、綾小路きみまろを見本にまだ誰もやっていない「女きみまろ」を目指すことに。オチ忘れがち問題は、事前に川柳を書いておくことで解決。こうして持ちネタ「シルバー川柳」が生まれたという。今や『ラ・ママ新人コント大会』「コーラスライン」でも「✕」がひとりもつかないまでに。渡辺正行が言うように『R-1』には合いそう。若林「日テレでドラマ化してほしいね。『だが、おばあちゃんである』(笑)」。

『まつもtoなかい』(8月13日放送)

ゲストは吉永小百合。松本が「会いたかった」と念願の初対面。彼女がドラマに出なくなった理由は、3時間ドラマを日本で初めて撮ったときに、王貞治が世界新記録を出すか出さないかになったので、もし新記録達成となればみんながそっちを見てしまうと感じたから。「テレビってそういうものなんだ。その瞬間瞬間にインパクトの強いものを見るものだ」と思ったと。対して映画は100年単位で残るものだからそちらに専念するようになったそう。

もうひとりのゲストは映画で共演したYOU。松本とYOUとの関係を知らずに指名したという。

吉永は意外に運動好きで、今もジムやプールに通っている。以前はプール合宿の幹事もやっており、1日1キロ泳いでいたという。小学校のクラスメイトといまだに交流があるそうで、最近も13人で集まったという。みんなの前で「◯◯くん好きよ」と言って知れ渡った初恋の相手も来ていたそうで「じゃあ、久しぶりに会ったときも『吉永、俺のこと好きだったんだよなあ』って?」と中居が聞くと、吉永「そういうタイプの人じゃないんですよ(笑)」。

品とチャーミングさが同居していてあまりに魅力的。冒頭、松本は同じような質問ばかりされて嫌になっているだろうなと心配していたが、さすがふたりは違う切り口から意外な私生活を聞き出したりして吉永の魅力を引き出していた。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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