ランジャタイ国崎、『ゴッドタン』でやりたい放題(てれびのスキマ)

ランジャタイ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『ゴッドタン』

相方が答えやすいお題を考え、大喜利を競う「相方を活かせ!コンビ大喜利GP」。渡辺が長谷川からバカ回答を引き出す錦鯉、サーヤがニシダのゲスい回答を引き出すラランドと、この企画の経験コンビは順調にポイントを獲っていくが、ジャンポケは太田がおたけの得意なお題を見つけられずやや苦戦。

そして最後は、『ゴッドタン』には「この若手知ってんのか2017」の天才部門で1位を獲って以来、5年ぶりに出演のランジャタイ。当時は劇団ひとりと小木がわかってないけど「わかった」と言おうとしていたと佐久間Pが振り返ると、ひとり「やっぱ売れるなと思った(笑)」。

国崎が出したお題は、伊藤が最後の1文字だけを埋めるもの。最初はそれで笑いが生まれるも、そこから国崎はひたすら同じお題を繰り返す。場の空気が変わると一切ウケなくなるという地獄のなか、フリップに書き始めたから、新しいお題かと思いきや、やはりほぼ同じお題。これぞランジャタイなカオスな空間が広がっていた。次の「写真でひと言」でも完全に国崎劇場。矢作「真空ジェシカのときよりヒドいよ(笑)」。

『メガホン二郎』

「大喜利が得意な芸人だったら意外と良い映画のキャッチコピーを付けられるのか検証してみた」という企画。映画のポスターに書かれていたキャッチコピーを選択肢の中から選ぶのだが、そのうちふたつは大喜利の得意な芸人が考案するというもの。

最初に偽のキャッチコピーを考えたのはAマッソ。加納が映画サークル出身と聞いて平子「なんかそのクリエイティビティが恥ずかしいね(笑)」。ボケたがりだからわかってしまうのではないかと言われ「マジで考えた」というふたり。お題は『ジョーカー』。「これ、カッコよく考えるの恥ずかしい」と平子が指摘すると、加納「そう、恥ずかったんですよ!」。出した選択肢はいずれもボケなしでそれっぽいもの。「らしくないって!」と言う酒井に加納「そういう企画ですやん!」村上「なんであんなに真剣に考えたのにこんな言われなあかんの?」。

2組目はきしたかの。見事、高野が騙し「センスあんだよね、高野は」と岸が言うと、高野「俺がセンスあっていいことなんかねぇんだよ!(笑)」。マジメいじりやセンスいじりで辱めを受ける芸人たちがチャーミングでおもしろい。

最後に登場したのは、ほぼ無名ともいえる都トム。スタッフが大喜利イベント『AUN ~コンビ大喜利王決定戦~』を観てこの企画に合うのではないかとオファーしたそうで、近年ではなかなかない抜擢の仕方。夢があるし、テレビでなかなか観られないものを観せるこの番組の矜持を感じる。

お題は『おくりびと』。出された選択肢は「それは、この世のお仕事。」「はじめまして、さようなら。」「キレイになって、逝ってらっしゃい。」「お客様は、仏様。」(このうちひとつが本物)と全部秀逸なコピー。本職のコピーライター・佐藤潤一郎も「おぉ」と唸り、平子も「映画会社に売れば?」と言うクオリティ。大抜擢にふさわしい逸材だった。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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