テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『マルコポロリ!』
「新時代到来!モノマネニュースターSP」と題した企画は、東野幸治(原口あきまさ)の司会で志村けん(レッツゴーよしまさ)、松本人志(JP)、上田晋也(ガリベンズ矢野)をゲストに従えたトークから始まる。
完璧な4人のかけ合いが絶品だが、「東野さん、限界でございます」と原口。そこにホンモノの東野が「全然限界じゃない。俺、仕事いらんやん!」と苦笑いで登場し、本編へ。
そんななかで、やはりまだ素顔が知れ渡っていないレッツゴーよしまさの話がとりわけ興味深かった。
事務所(太田プロ)に所属したのが昨年9月で、現在も副業。この番組も有給を取って出演しているという。ドリフのものまねを始めたのも志村けんが亡くなってから。
だが、もともと志村けんオタクで、志村けんの出演番組はほぼすべて録画。そのテープのラベルには丁寧に放送日、ゲスト、コントのタイトルが記されている。
また、コントを書き起こし、ラテ欄も記録。好きなコントを聞かれると、即座に「1992年夏の『変なおじさん』」と、年号まで特定して答えるスゴさ。
吉田拓郎の「旅の宿」をBGMにした、前フリの演技が鳥肌モノと。なんかそれ観た記憶がある!
柄本明とのおでん屋のコントも好きだという話になり、柄本明のものまねができるJPと即興でおでん屋コントを再現したのには痺れた。
原口あきまさからは、番組名物のひとつである再現ドラマの作られ方が明かされる。「角刈りおじさん」こと田辺(佳史)ディレクターが強烈なキャラクターだった。
あと、ガリベンズ矢野がYouTuberをまねする際、YouTubeは人によって観ている速度と聞いている声の高さが違うから、一番主流の「1.5倍」の声に合わせてまねしているというのに、膝を打った。
『メガホン二郎』
平子を実験台にして、ホラー映画で使える新たな恐怖演出の可能性を探る「新しいビビらせ方研究会」。
別室で寝ている平子を、開けると蛇っぽいおもちゃが飛び出る「ビックリポテチ」や、首が落ちる「塚本の手品」、虫入り「マトリョーシカ」など、「新しい」と言いつつ古典的な方法でビビらせていくからくだらない。
白石晃士監督による、ただ「ブラボー!」と大声で叫ぶ「いきなり長友」も、さすがホラー映画を撮っているだけあってタイミングが完璧。
そんななか、突然「RADIO FISH」の曲を流すというのがおもしろかった。しかも「PERFECT HUMAN」ではなく「ULTRA TIGER」という選曲が意味不明で最高。
さらに、笑顔の女性が持ってきたスイッチを押すと、その女性に電流が流れるという「ビリビリスマイル」。「笑顔の女性って怖いときありますよね」と酒井が言うように、なんだか不気味。それが自分を痛めつけるスイッチを笑顔で渡すのだから、確かに得体の知れない怖さがある。
平子も趣旨を理解しSモードになってスイッチを何度も押していると、そこに流れる「ULTRA TIGER」。女性の悲鳴と「虎虎虎……♪」という歌声、そして平子の不敵なドS顔(このときの平子の色気!)が交差する。
酒井「なんだ、このドラマ、エンドロールが流れる! 次週どうなるの?(笑)」とカオスな映像。白石監督も「これはホラーの新境地かもしれない」と評す。
やはりおもしろさと怖さは表裏一体。ちゃんとひとつのおもしろくてかつ恐怖も感じる演出を“発見”していた。それがひたすらくだらないというのもまたいい。
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【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。
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