テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』
ファイナリストが10組から12組に増えた今大会。Aブロック最初の対決となったのがTEAM BANANAとヨネダ2000。前者がいつもどおりしっかりとした漫才だったのに対し、『M-1グランプリ』でも決勝に残っているヨネダ2000はやはりコント。しかも「うんち」ネタ。完全にヨネダ2000の世界観で最高にくだらない。司会のフット後藤「えー、我が国は今、食事時なんですね……(笑)」。
審査は3-3で並んで、最後に発表された野田がヨネダを支持しヨネダが勝ち残り。ヨネダに票を投じた川島「ヨネダ2000が2番手で最悪でした(笑)。こんなに難しいことはない。TEAM BANANAがキレイに舗装した道を全部剥がした(笑)。剥がし切った瞬間最大風速を評価しました」。
そのままヨネダ2000が残り最後に対戦したのはAマッソ。このふた組のどちらかがここで消えてしまうのは心底もったいない。Aマッソは単独ライブでもやった箱女の面接コント。またも3-3で並び、最後の野田の票でヨネダ2000が勝利。「ヤですよ、ここ! 勘弁してください、ここは!」と野田。票の発表はひと組ごとに塚地から始まって最後に野田の順か、野田→塚地の順か交互に変えていっていたのだが、だったら視聴者投票を最後にすればいいのに、と思った。Aマッソは『THE W』ではいつも不憫な負け方で切ない。
Bブロックは前回準優勝だった天才ピアニストが最初に登場し、そのまま3組を7-0のストレートで撃破するという文句なしの決勝進出。強かった。今大会の審査は7-0か4-3ばかりになったのが興味深かった。敗れた中ではビジュアル的に奇妙なインパクトがある爛々が残した「チョメ!」というフレーズがやたら癖になって印象に残った。『おもしろ荘』のような番組に出たらハネそう。
Cブロック、最初の対戦は河邑ミクvsエルフ。エルフは『しくじり先生』での『THE W』パロディ企画「THE U」でも見せたタメ口コント。う大のアドバイスを受け入れてブラッシュアップされていた。川島は「タメ口ってまわりが我慢しているだけだっていうのをホンマに森泉さんに観ていただきたい(笑)」と毎回審査コメントが冴え渡る。この対決はストレートで勝利したエルフだが、つづいて登場した紅しょうがには、ストレート負け。そのまま紅しょうがは最後もストレートで勝利し、決勝へ。同じストレート勝ちでも審査コメントのどおり「僅差」だけど結果的に7-0になった場合と、数字どおり圧勝の場合と両方あるなあというのが味わい深い。12組に増えたこともあってか、上位との間に少し差があったように感じた。個人的にはCブロックでは、エルフのネタが好きだった。
最終決戦は、抽選で紅しょうが→天才ピアニスト→ヨネダ2000のネタ順に。紅しょうがは1本目のコントから2本目は漫才に。天才ピアニストは『家族団らんVR』コント、ヨネダ2000もやはり2本共コントを披露。今度は『モヒカンパワー』。バカだ。2年連続バカコントが制す可能性もあったが、今年は完成度の高い天才ピアニストが雪辱を果たし優勝。去年もそうだったが代名詞でもある上沼恵美子ネタに頼らないのがスゴい。圧巻の優勝だった。
準優勝となったヨネダ2000も、とてもいいかたちで『M-1』決勝に向かうことができるのではないだろうか。今回、視聴者投票を獲得したほうがすべて勝っていたのも興味深かった。天才ピアニストを讃えた上で川島「あと、紅しょうがとヨネダ2000の悪口言うヤツおったら、これは『チョメ!』です(笑)」。
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【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。
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