お笑いコンビに、相方の魅力を語ってもらう連載「魅惑の相方」。
第5弾は、今年4月に上京し、昇竜の勢いで人気を博すコンビ・見取り図。
爽やかで色白のリリーと、どっしりした体格で男らしい盛山晋太郎。外見が真逆のふたりだが、先手のリリーから話を聞くと、どうやら真逆なのはビジュアルだけではないようだ。
盛山の魅力を聞きつつも、「今の野望」や「M-1について」など、今現在の見取り図が何を考えているか、頭の中を探った。
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僕が先輩だったら、モリシはかわいいと思う
──盛山さんはフランクな性格に定評がありますよね。お仕事現場を拝見していてもフレンドリーな様子が見受けられます。スタッフさんだけではなく、街行く人とかにも気さくで……。
リリー 街行く人には気さくなのはヤバい人でしょ(笑)。
──ネタの『地元凱旋』まんまの方だなと(笑)。プライベートも、私たちが見ている姿とお変わりないですか?
リリー あのままです。何も隠さないと思うし、人見知りしないし、人が好き。いや……人が好きというか、めっちゃ寂しがり屋だと思います。楽屋とかでも絶対誰かといます。それがたぶん、愛されるポイントなんでしょうね。
──その性格は、上京して新しい環境になじむためのひとつの武器ですよね。『見取り図エール』(ABEMA)の「リリーと空気階段かたまりの友情予言日記」回で仰っていましたが、リリーさんは意外と緊張しいなんですね?
リリー 相手がどう思ってるのかをめっちゃ考えてますね。 だって、急に知らん奴に話しかけられてもね? 初対面の方にいきなり話しかけるのはけっこう苦手です。
──コンビで、その部分を補ってくれるのが盛山さん?
リリー 魅力かどうかわかんないですけど、そのへんが反対だからやっていけてる感じがします。コンビでもカップルでもなんでもそんなもんでしょうけど、同じタイプやったら絶対うまくいかないですよね。自分がやらないぶん、ああいうのをやってくれるのが嬉しいです。モリシは見た目が怖く見えますけど、話してみたらギャップで好かれるんですよね。
──ギャップでいうと、『(見取り図×ニューヨークの)なりたいテレビ』(日本テレビ)のリリーさんを泣かせる企画で見せた盛山さんの号泣シーンでは、人間らしさが感じられました。
リリー 知らん場所の知らん奴の知らん映像を観て泣いてましたから(笑)。情に厚いですよね。特に、酔ったら普段我慢してる感情のガードが一気になくなるんでしょうね。
──カメラが回っていないところでも、リリーさんに涙を見せたことはありますか?
リリー 泣いてるのは何回も見たことありますよ。10年くらい前に東京の同期たちと同期ライブをやったんですけど、初めて会った奴らばっかなのに、解散するとき「別れたくない」って号泣してましたね。すぐに仲間になってました。相方の立場なんであんまり感じないですけど、僕が先輩やったらモリシはかわいいやろうなと思いますね。
──どちらかというと、後輩に慕われている印象が強かったです。
リリー たぶん、本人も後輩のほうが好きやと思うんですけど、実はめっちゃ先輩に向いてると思います。いい意味で隙もあるし、礼儀とか上下関係もちゃんとしてるから、先輩からしたらかわいいと思います。
──盛山さんって、どんな先輩と仲いいんですか?
リリー 千鳥の大悟さんとか、この前はノブさんの家におじゃましたとも言ってました。偉そうな言い方ですけど、ノブさんなんて超いい教科書というか……すげえ勉強になってるんじゃないですかね。
常に100点を出したい“完璧主義者”
──近ごろ、今まで以上に先輩方が盛山さんのツッコミ力を絶賛している気がします。視聴者目線でも盛山さんは常にギア全開のように感じ、気を抜いている盛山さんを見たことがないです。
リリー それは東京来てからというより、ずっとそうだった気がしますけどね。最近人の目につくようになったっていう感じ。これはあんまりイメージないと思うんですけど、かなり完璧主義なんです。あんまり言わんほうがいいのかもしれないし、自分でも気づいてないと思うんですけど。
──マジメというか?
リリー マジメって言われたら嫌でしょうけど、そうですね。お笑いでは常に100点出したいタイプですし、ワイプでもずっとなんかしゃべってますしね。
──以前リリーさんに単独取材した際、盛山さんについて「繊細がゆえに精神的にキツそう」とも仰っていました。
リリー それも完璧主義に繋がると思うんですよね。僕からしたら「別に全然ええやん」って思うときも反省してるんで。でも、それが伸びる考え方なのかなと思います。だから、そこは長所でもあるのかな。
──盛山さんが落ち込んでいるとき、リリーさんはどう対応を?
リリー 落ち込んでいても気丈には振る舞うと思うし、幼女みたいに泣いたりはしないから、別に慰めるとかはないですよ。
──落ち込む姿は見せないですけど、緊張している様子などが視聴者にも伝わるときがありますよね。
リリー そういうところが、世間からしたらかわいげになるんでしょうね。
──応援したいと思わせる力ですね。そして、ツッコミだけでなくボケもできる方ですよね。
リリー そうですね、それも昔からです。なんか、あの人には努力とかじゃない部分がありますね。生まれながらというか、努力とかでは到達できない部分がある肉の塊ですね。
──肉の塊。
リリー あれは完全に肉の塊です。平均より大きめの肉の塊。もちろん、自分の中で努力してると思うんですけど、そういうことじゃなくて、生まれながらなんでしょうね。
──昨年10月ごろの取材で、盛山さんが自分のことを「関西臭キツいでしょ?」と自虐風に仰っていました。そのあたり、上京してから盛山さんに変化はありましたか?
リリー わざとだと思うんすけど、ちょっとだけしゃべり方が違います。大阪では絶対「~~や」とか「~~なんや」って言いますけど、東京だったら「~~だ」とか「~~なんだ」とか言いますから。無意識かもしれないですけど、ちょっとだけまわりに合わせます。
──リリーさんとしては、変えたほうがいいと思いますか?
リリー いや、僕は変えんでいいと思います。このままやっていったら、もっともっと世間の人とか制作側にも理解してもらえるから、このままでいいのかなと。もちろん、相方は完璧主義なんでけっこう思うこともあると思うんですけど、僕は無理に変えずこのままのレールに乗っていったらいいんかなと思いますね。
──ちなみに、リリーさんご自身の変化はいかがですか?
リリー 僕はもともと大阪の人間じゃないんで、大阪でも東京でも変わらないですね。