写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
流行の速さ
第15回。
絵を描いていたときに偶然できた“指ハート”です。
K-POPのアーティストの方々がこのポーズをされてファンを喜ばせているのをよく拝見します。
ファンサービスの種類は年々新しいものがK-POPなどを中心に生まれていますが、僕はこの指ハートが現れたときに感動しました。こんなスタイリッシュかつスマートなファンサービスがあるのかと。
ポケットに突っ込んだ手からハンカチを取り出すかのようにサッと現れる“指ハート”。このサプライズ感かつスマートさに僕は“歴代ファンサの最高点”を叩き出したなと思いました。
話は変わりますが、先日『THE STAR NEXTAGE』という日韓のボーイズ&ガールズグループが集まる豪華なイベントに僕が所属しているグループ「7ORDER」もお声がけいただき出演させていただきました。
初めての国際的交流かつ自分たちのパフォーマンスを披露することにとても緊張しながらも、僕はこの“指ハート”を披露するチャンスかもしれないと思いました。
僕らの出番はまさかの大トリ。
今をときめくグループたちが最高のパフォーマンスをしていくなか、僕らの前に出演したガールズグループ「IVE」さんのMCを眺めていたら、各メンバーが自己紹介で見たことのない“頬をハートで挟んだ”ポーズなどを次々と披露し始め、ファンを大いに喜ばせている姿を見て、「え……あ、あれ…? 指ハートってもう誰もやらん感じ……?」というなんともいえない寂しさと時代に置いていかれていた少しの恥ずかしさでポケットの中に用意していた指ハートをスッとほどきました……。
そして胸ポケットにもたくさん詰め込んでいた指ハートを舞台袖ですべて投げ捨て、いつもどおりきちっと踊って演奏して、MCでは笑いを作ることに集中することを誓い、舞台に上がりました。
流行って怖いよ。
乗れたためしがないよ……。
さすがK-POP。最先端でした。
加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。