写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森⽥美勇⼈が担当。2021年11⽉に⾃⾝の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
猪突猛進の果て

第2回目。今回は自分が何事においても疲れ切ったときに訪れる場所を紹介します。
まず初めに、僕はひとつの物事に対して取り組み始めると自分でも嫌になるほどこだわってしまう傾向があり、遊び心で始めた趣味などにも気がつけば納得がいかず悩みの渦に飲み込まれることが多々あります。
学生時代には「字はきれいに書け」という親の教えが耳にこびりつき、授業内容をほっぽらかしてノートのきれいさにこだわったり、小学生のころは父親が棚に並べていた『SLAM DUNK』を何気なく手に取ったが最後、熱烈なファンになり毎週児童館に駆け込んではボールに左手を添えていました。
そんな自分を猪年生まれの性質だと軽く片づけ物事の細部へ向けて猪突猛進を繰り返していると、いつの間にか身体に力が入らず脳は回らずの状態になり機能停止する期間が訪れます。
そんなとき、猪はふらふらと自然の中に逃げ込みます。
特に休日になると定期的に箱根を訪れ、初めに箱根神社へ参拝をしてから芦ノ湖へ向かいボートの上で水しぶきを浴びながら刹那的に現れる小さな虹にときめいて心を潤わせています。

東京で生まれ育った僕がやたら小さなころから自然を好きなのはなぜなのだろうと考えたことがあるのですが、おそらく流れに逆らうわけでなく、ただしなやかに生きているそのものが好きなのだと最近わかりました。
“自然が好き”というよりも“自然体が好き”ということです。

大木にもたれてみると背中から生命の温かさを感じ、その木が何十年何百年と自然現象に抗うことなくしなやかに今まで生きてきたのだろうとふと顔を見上げながら思うんです。
そんな当たり前に純粋な生命力に感動しながら目を瞑り風の温度や匂いを感じ、鳥のさえずりを聴きながら普段の0.5倍速の時間を過ごしています。
そうして休息を終えた僕はまたいろんな物事に猪突猛進してはぶつかる日々を繰り返すのでした。

加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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