写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
月曜日は、加賀翔(かが屋)が担当。コント師として知られる一方で、芸人仲間などを撮影した写真の腕前にも定評があり、インスタグラムのフォロワーは10万人以上を誇る。そんな彼が、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
大仏様最優先のスケジュール
第25回。今回は奈良へ行った写真。カメラを買って以来7年間、ずっと同じレンズを使いつづけていたのですがついに新しいレンズを買いました。
関西でのお仕事をいただき、これはチャンスとすぐに奈良の宿を予約し、前乗り朝大仏の計画を立てました。
大仏を見たくて前乗りするのは初めて。
前日に到着すると奈良は雨。予報を見ると翌日も雨の確率が高いとのことで、僕は祈るような気持ちで眠りました。
翌朝。とても曇っていたけれど雨はやんでいて非常にうれしかった。降ってないだけ全然まし。
新しいレンズを雨にさらすわけにはいかないので、一刻も早くこの天気のうちにと思い、宿を飛び出します。
東大寺に着くと、大仏殿に入るためにチケットが必要とのことでブースへ。
チケットは600円。現金が500円しかなかったのでカードが使えないかと目をやると「現金のみ」と書いてありました。
「え?」と声が出ます。現金のみということは、手元にある500円では中に入れません。なんと大仏様を目の前にしてお金が足りないという大失態。レンズを買ったのにお金がなくて観光できないというのは本末転倒にもほどがあります。
急ぐことに気を取られてお金を下ろしておくという発想がまったくありませんでした。なんて情けがないのでしょうか。
しかしこのまま諦めるわけにはいきません。荷物をひっくり返してどこかから100円出てこないか探します。仕事で来ているので大きなカバンとコントの衣装を何着か持っており、僕はカバンの中やポケットをくまなく調べました。
「100円でいいんだぞ、100円だけでいいんだぞ」とうめきながらキャリーケースの中をまさぐると、なんとコント衣装で履いているジーンズの右ポケットのさらに小さいあのポケットから500円玉が出てきました。
大慌てしましたが完全勝利です。僕は無事に600円を払い、大仏様を見ることができました。
改めて現像しますが締め切り当日の出張だったため、何枚かをカメラから直接携帯に移し、その中からこの写真を選びました。
正面からの写真ももちろん撮ったのですが、横から見る大仏様が一番かっこよく見えて気に入っています。
たぶんですが、この角度がちょうど舞台袖から先輩芸人を観ているときに近いせい。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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