写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
月曜日は、加賀翔(かが屋)が担当。コント師として知られる一方で、芸人仲間などを撮影した写真の腕前にも定評があり、インスタグラムのフォロワーは10万人以上を誇る。そんな彼が、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
東京のカラス
第22回。前回が白鳥だったからとかではないですが、今回はカラスです。ネットをついばんで引きちぎりつづけていて、くちばしがもじゃもじゃになっていました。
まるで何か伝えたいことがあるかのように撮ってしまったのですが、この写真にメッセージ性とかはないです。メッセージ性のモノクロとかではないです。
ただ、これ自分で取れるんだろうか、大丈夫なんだろうか、とは思いました。
翼を手みたいに使えたらいいですがそうじゃないので鳥は大変。空を飛べるという能力の代わりに、人でいえば歯に何か挟まっても取れないわけですね。
せめて取ってあげれたらいいですが、絶対に触らないほうがいいので外すことはできません。
そもそも、本人が困っているかどうかは怪しく、食べるものもないのに鬼気迫る勢いで延々とついばんでいたので、もしかしたらカラスにとってのスポーツ的なことだったのかもしれません。
そんなことを思っていたらカラスが飛び立ちました。
仲間に助けてもらえることを祈りながら目で追いかけていると、近くの街灯にとまったのですが、なんとその瞬間別のカラスが飛んできました。
ひとつの街灯に寄り添うように並んでいるその姿に、ちゃんと仲間がいるんだと勝手な解釈をして感動しました。助け合うイメージがないカラスにもそういう感情だったりがあるのかもしれない。そう思った瞬間に飛び立っていきました。思い過ごしでした。
ちょっとくちばしを貸してあげればいいのになんて冷たいんだと思いましたが、そもそも助けるという感覚がない可能性もあります。
僕はカラスに思いを馳せながら、もしかしたら助け合おうという感覚があるというのはすごいことなのかもしれないと思いました。
うんぬん言っておきながら、結果的にメッセージがあるみたいな内容になってしまいました。撮っているときにはそんなことはまったく思っていません。なんでこうなったのか考えると、やっぱりモノクロの力かもしれないですね。
強いて何か伝えたいことがあるとするなら、東京のカラスは人に慣れ過ぎてて普通に危ないので近づかないほうがいい。近づかないに越したことはない。です。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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