にわかにアツい「アマチュア大喜利」
ここからは、もう一歩深い大喜利の世界について考える。大喜利ライブというと、芸人さんが出演しているライブを想像するだろう。しかしそうではない大喜利ライブもこの世には数多く存在しているのだ。いわゆる「アマチュア大喜利」という分野。
近年、学生芸人や社会人芸人など、お笑いが本職ではないがおもしろい芸人さんが増えている。それに加え、「オオギリスト」の存在が大喜利ライブを盛り上げている。オオギリストとはプロの芸人ではなく、アマチュアでネタをしているわけでもない一般人だが、大喜利ライブにだけは出演している人を指す言葉らしい。明確な分類がないため、オオギリストという名前に集約される。
このアマチュアお笑いやオオギリストの中には、ほかの芸人さんを圧倒するような大喜利強者もいるため、大喜利ライブの沼はかなり深いのだ。私はここ半年ほどで鎖骨あたりまではハマってしまっている。すでに抜け出すことは困難だ。
テレビよりも一歩踏み込んだ大喜利に触れることができる、オススメの大喜利コンテンツがある。それがYouTubeチャンネル『大喜る人たち<大喜利動画>』だ。2018年に発足した『大喜る人たち』は現在チャンネル登録者数1.3万人超え。テレビに出演する芸人さんやライブシーンで活躍する大喜利がおもしろい芸人さんが出演している。
しかし、最大の特徴はアマチュアお笑いの芸人さんや“オオギリスト”も共に出演しているという点だ。ジャンルを問わず、大喜利好きが集まっているところがたまらなくいい。
基本的に動画はお題ごとに公開されており、1本は5分前後のものが多い。短い時間で手軽に観られるコンテンツに、大喜利はかなり適している。ひとつのお題が出て、複数人の出演者の回答が次々と流れる。数分の中で、さまざまな笑いが生まれ完結するというシンプルな構成。これが、とにかく観やすいしおもしろい。隙間の時間に観ることができるし、どの動画から観てもいい。チャンネルで公開されている動画の本数が多い、編集がかっこいい、お題もとてもいい。
公開収録は大喜利ライブとして最高に楽しいし、たまに開催されるトーナメント企画は観応えがある。最近ではロケ大喜利企画などもあり、とにかく大喜利に特化した素晴らしいチャンネルなのだ。登録者数があと30万人くらいいないとおかしい。
お笑い好きからは認知されているだろうが、このようなコンテンツこそコアなお笑いファン以外に観られるべきだと思う。一度気になるお題の動画を再生してほしい。そして、チャンネル登録よろしくお願いします。私は一切出ていません。
奥深くありながら、手軽に始められる“大喜利”
知れば知るほど、大喜利という存在の大きさに気づかされる。ここまではいわゆる「生大喜利」に着目していたが、ネット大喜利や大喜利投稿、大喜利コミュニティ、大喜利アプリ、さらにはスプレッドシート大喜利など、知らないだけで大喜利はあらゆる形に変わっている。すべてを知るのは相当時間がかかる作業で、私もまだ辿り着けていない大喜利がきっとある。もしかしたらあなたも知らず知らずのうちに大喜利に触れているかもしれない……。
これらはすべて、大喜利の「取っつきやすさ」に起因しているのではないか。お笑い素人でも挑戦しやすそうに思わせる、ハードルの低さが大喜利にはある。実際に、ネット上でボケを投稿する人はうんと大勢いるし、「ネタツイ」なども大喜利の延長線上にある気がする。こう考えると、大喜利人口というものは推測ができないほど多いのかもしれない。大喜利愛好家は100人いると思ったら1万人いるだろうし、1万人いると思ったら100万人いる。きっとそうだ。
大喜利は奥深くて手軽に始められる趣味なので、観るなり挑戦するなりみなさんそれぞれの大喜利ライフを送ってほしい。レッツ大喜利。
ちなみに。本当にちなみに。テレ朝動画『logirl』で配信中の番組『奥森皐月の公私混同』では大喜利の楽しみ方から大喜利をプレイするときの心得、1時間で誰でも大喜利が強くなる授業などを公開している。
実践を通しながら私も大喜利修行中。おそらく、どこよりも深く詳しく大喜利について学べる番組だ。興味が湧いた方がいればぜひご覧いただきたい。
「こんな記事は嫌だ、どんな記事?」
「最後の最後で自分の番組の告知が入るのですべてがステマみたい」
連載「奥森皐月は傍若無人」は、毎月1回の更新予定です。
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