【『THE LAST PIECE』レポート#12】最終審査がスタート。10人での最後のパフォーマンスを披露「君と過ごした時間も 思い出と呼ばれるんだろう」

BE:FIRST(ビーファースト)、MAZZEL(マーゼル)に次ぐ3つ目のボーイズグループを誕生させるべく、SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」が始動させたオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE(ラストピース/通称:ラスピ)』。
『THE FIRST』『MISSIONx2』に続いて本オーディションでもプロデューサーを務めるSKY-HIは、「あなたの夢を叶える事が今の俺の夢だ」とコメント。さらに、『THE LAST PIECE』は以下のステイトメントを掲げている。
全ての10代と、
かつて10代だった
全ての人へ。
さあ、世界で一番自由で大きな夢を見よう。
2025年9月5日にYouTubeで配信された『THE LAST PIECE』本編Ep.12では、最終審査の内容が発表され、その日までの準備の様子、そして最終審査課題曲「PIECES」のパフォーマンスが披露された。その模様をレポートする。
目次
SKY-HI「夢の力を一番見せてくれる方がメンバーになるんだと思う」
「ステラシアターほどはオーラが出てないなと思った」
『CDTV ライブ! ライブ!』に出演したファイナリストたちは、SKY-HIから厳しいフィードバックを受けていた。
「よけいなものをステージの横に全部置いた人からオーラが出てくる。不安なこと、悩み、嫌だったこと、それも全部ステージの脇に置いて、音楽のことしか考えなかった人からオーラが出る」
映像は合宿終了10日後まで巻き戻る。このときはまだ、番組に出演することも知らない。この日は最終審査の内容が発表された。


ファイナリストには2曲の課題曲が与えられた。まずは5人1組によるグループ審査楽曲であり、プレデビュー曲でもある「Moonchaser」。“月のような大きな夢を追いかけてほしい”というSKY-HIの思いが込められた、リズミカルなピアノが光るダンスナンバーだ。チームは以下となった。
Team Space:RUI、YUTA、RAIKI、GOICHI、KANTA
Team Cosmos:TAIKI、KANON、KEI、TAICHI、ADAM
もう1曲はファイナリスト10名で歌うバラード。タイトルは「PIECES」。サビの歌詞はSKY-HIが書いてきたという。夢を追いかけてきた仲間たちとの日々を思い返すような内容だった。
<当たり前に来た今日も/笑い合えていた昨日も/掠れる前に刻もう/僕がいて君がいた/こぼれ落ちる涙も/痛みだけではないんだと/言い切れる日まで待とう/僕がいて君がいた>
<君と過ごした時間も/思い出と呼ばれるんだろう/また会えたなら歌おう/僕たちは夢を見るんだ>
サビ以外のパートは各自で作詞していく。メンバーはどんな歌詞を書いてくるのか。

最終審査に求めるものは?とスタッフに聞かれたSKY-HIは「夢を信じきる力を見せてもらえたらいい。(……)夢の力を一番見せてくれる方がメンバーになるんだと思う」と話す。

曲にすれば永遠になる
最終審査の内容を発表されたファイナリストたちは、その日のうちに「PIECES」の担当パートを決めることに。
30分後すべてのパート担当が決定すると、SKY-HIはこの曲のテーマを語った。
「何があっても今の時間自体は戻ってこないので。ここまでで仲よくなったけどお別れした人もいれば、一緒にいる人もいれば。それも結局もうすぐ終わりになってしまう。人生ってそういうことの連続だったりするから。永遠みたいなものはなかったりするけど、曲にしてしまえば永遠になる」
そしてファイナリストたちに向けて、「8小節でこのオーディションの数カ月を歌うとしたら誰に何を伝えたいかを考えながら歌詞を書いてみてほしい」と話した。
最終審査本番まであと2週間。SKY-HIによって再び集められたファイナリストたち。この日は「Moonchaser」の振り入れだという。知らせを聞いて盛り上がるが、さらに驚く出来事が起きた。
「コレオグラファーを紹介しましょう! いらっしゃい!」
SKY-HIがドアに向かって呼びかける。すると現れたのは、s**t kingz・NOPPOだった。

ダンス界初の日本武道館単独ライブを成功させた、世界が注目するダンサーの登場。ファイナリストたちは「エグい! ヤバ!」と大興奮だ。自己紹介が終わると、さっそく振り入れに取りかかる。
スポットライトか何かがあって……外圧がかかっているような振りに……重力をイメージして……
独特の動きを見せながら振りのイメージを共有するNOPPO。彼によると、最初の案を提出したところSKY-HIからもっと難しくてもいいとオーダーがあったとか。フォーメーションにさまざまなパターンがあり、ダンス歴が長いメンバーですら苦戦している様子。

特にがんばっているのはADAMだった。ダンス歴1年とほかのメンバーと経験に差があるものの、「大変だけどなにより楽しんでできている」と前向きだ。

ラスピ史上最高難度の曲に苦戦するメンバーたち
そのあと、ファイナリストたちによる10日間の共同生活がスタート。掃除もゴミ出しもすべて自分たちで行い、生活をともにしていくなかでさらに絆を深めていく。
本番9日前、各チームに分かれて「Moonchaser」の練習に取りかかる。だが、歌とダンスを合わせてわかったことは、『THE LAST PIECE』史上最高難度ということだった。
Team Spaceメンバーは「踊ると歌うで精いっぱい」(GOICHI)、「曲も長いし、動きもパワフルなんで体力の問題」(RAIKI)などと苦労していた。
しかし、歌のほうは調子がよさそうだ。翌日のりょんりょん(佐藤涼子)先生による歌のレッスンでは、「かっこいいな」と高評価を得た。中でもKANTAの名前を挙げ、この短期間でよくここまでうまくなったと褒める。オーディション開始時から歌が課題だったKANTA。これには思わず表情がゆるんでいた。

一方、GOICHIは新しいスタイルを手に入れようとしていた。すでに独自のスタイルは持っていたものの、SKY-HIからはパフォーマンスの天井が見えると言われたこともある。りょんりょん先生からも「こんなふうにも歌えるのっていうところが、スパッと切り替わりさえつけばすごいよ」とアドバイスをもらっていた。
もともと攻撃的な力強いラップを得意としていたGOICHI。今回は柔らかい自分を見せられるように歌唱のバリエーションを増やしていきたいと意気込む。
ただ、まりこ先生の歌レッスンでは、得意なラップを指摘されてしまう。GOICHIにとって人生で一番難しいラップパートだという。レッスン後にまりこ先生が話を聞いていると、珍しく涙を浮かべていた。だが「大丈夫?」と聞かれれば「任せてください」「やるだけです」とすぐに立ち直ろうとする。GOICHIの芯の強さが垣間見られる場面だった。

ほかのメンバーも壁にぶつかっていた。RUIは回転しながら歌う難関パート、RAIKIはダンスの雰囲気の出し方に悩んでいた。特にまじめな性格のRAIKIは、最終審査前でも考えすぎてしまっている様子。
そんな状況を察してか、歌詞の解釈を共有しようと提案したのはYUTAだ。メンバーは部屋に集まり話し合いを始めた。

「いろんな夢を見てきたんだけど、叶わなかったり、なんか違うなってなったりとかして迷った。今やっとこういうふうに、グループでみんなとやりたいなっていう夢ができて……」(YUTA)
「<Do-Dat-Dat>ってさ“いいからやり続けろ”みたいなことだよね。“がむしゃらにやり続けろ”みたいなことを“簡単だ”って言い聞かせる」(GOICHI)
思いを吐露しながら意識を共有していくメンバーたち。思考を統一できたことで、表現がまとまり始めていた。
刻一刻と近づく“人生が変わる日”
では、Team Cosmosはどうだろうか。自信のなさを克服したTAICHI、力をつけつつも慎重で勤勉なKEI、踊りながらの歌が安定してきたADAM、パフォーマンスに色気のあるKANON、NOPPOも信頼をおいているTAIKIなど、練習は順調に進んでいるようだ。


そんななかでSKY-HIがファイナリストたちに発表したのが、『CDTV ライブ! ライブ!』出演だった。衝撃的な発表に気が動転するメンバーたち。飛び跳ねるほどに喜ぶメンバーもいれば、驚きすぎて硬直しているメンバーも。
「たぶん、みんな感じるんじゃないかな。この(見られている)矢印を。だからめっちゃ緊張するんですよね」
SKY-HIはスタッフにそう話していた。そうしたなかでどう責任感を持ってパフォーマンスするのか、そこに期待しているようだ。
本番6日前。『CDTV ライブ! ライブ!』の楽屋で、収録まで待機する一同。緊張よりも喜びが大きいのか、リラックスした雰囲気が感じられる。
本番終了後には、「あの場に立てている自分がすごくうれしかった」(RAIKI)、「楽しいが先に来ている」(KANTA)などと目を輝かせるメンバーたち。一方、KANONは険しい表情で「ここからさらにギアを上げて気合いを入れて『Moonchaser』も練習していけばいいと思っています」と、スタッフに語っていた。

本番まであと5日。10人で歌う課題曲「PIECES」の振り入れが始まる。この日は振りを作った人物が教えに来ていた。s**t kingz・Oguriだ。

Oguriはみんなの絆・時間を意識して作ったという。この一瞬がどこかで永遠になってほしい、でもそれぞれの時間はまた動き出す──そうした意味を込めて円陣で始まり円陣で終わるという。


本番まであと4日。急ピッチで練習を進めていると、SKY-HIが様子を見にスタジオに現れた。

「PIECES」を合わせてみせると、SKY-HIは「見ている人に共感させるくらいの説得力は欲しいかな」と伝える。人生が決まる一日だからこそ、最終審査ではこれまでの人生と向き合う覚悟・本気が必要だという。
そして、こう言われたのだった。
「ステラシアターほどはオーラが出てないなと思った」
ステラシアターは、SKY-HI with 6次審査メンバーで「At The Last」をパフォーマンスした場所だ。SKY-HIはさらにこう続ける。
「一番オーラが出ていて、一番昨日の自分に勝っていて、一番自分も他人のことも尊重できている人が、3つ目のグループとして世の中に出ると思っている」

人生が変わる日が刻一刻と近づいていた……。


本番前日。ファイナリストはスタジオに集められていた。スタッフからなにやら激励のプレゼントがあるという。冊子のようなものを渡されるメンバーたち。
渡されたのは、オーディションの思い出が詰まったアルバムだった。そこにはスタッフからのメッセージも。思わぬプレゼントに涙を流すメンバーもいた。オーディションにずっと密着してきたスタッフたちもまた、彼らとは深い絆がある。スタッフのほとんども彼らにつられて泣いていたようだ。


10人の仲間も集結した最終審査
いよいよ本番当日。最終審査では、この日のためのセットが組まれたスタジオが用意されていた。
そこに集まったのは、Oguri、NOPPO、ボイストレーナーのりょんりょん先生、なつき先生、まりこ先生、さらにはMAZZEL、REIKO、HANAらBMSG所属アーティストたちや自社レーベルBullmoose Records所属のBANVOXだ。観覧席でファイナリストたちを見守る。
まずはSKY-HIがスーツ姿でステージに現れると、こう呼びかけた。
「『THE LAST PIECE』最終審査LAST STAGEを開催いたします。(……)この世界で最も輝いている、この世界で最も大きな夢を見ている、10人に入場してきてもらいましょう」
会場から拍手で迎えられ、ファイナリストたちは登場。もちろんこの日も、プロのヘアメイク、スタイリングが施されていた。今回はオールブラックのシックな衣装をまとっている。
まず披露されるのは「PIECES」だ。まもなく本番……すると、SKY-HIからこんなサプライズが。
「『PIECES』を披露していただくにあたって、一緒に見てもらいたい人たちがいまして……今日はそのゲストたちも来てくれています!」
現れたのは、これまで『THE LAST PIECE』で時間をともにしたYU、ISANA、KEITO、SHO、COTA、REN、HAL、RYOTO、AOI、KAIRIの10人だった。彼らは温かい眼差しでステージにいる10人を見つめている。
SKY-HIからコメントを振られたのはRENだった。KANONらとともに長年BMSG TRAINEEとしてスキルを磨いてきたが、今回のオーディションでは惜しくも6次審査を通過することができなかった。同時に、長い時間ファイナリストたちと苦楽をともにしてきたメンバーでもある。ステージにいる仲間たちを前に感極まっているようだった。
「いざ目の前に来てみると本当にかっこよくて……いや、本当に……がんばって。応援してます」
そんなRENの言葉をしっかり受け止めるように、深々と頭を下げるファイナリストたち。











最終審査課題曲「PIECES」を披露
10人が目の前にいるという予想外の展開のなか、ついに最終審査課題曲「PIECES」が始まった。


円陣を組んだあと、それぞれが位置に着く。壮大で幻想的なトラックとともに、KANTAが歌い始めた。歌詞にはあの合宿の日々が描かれていることがすぐにわかった。

<描く 現在/彩った 過去/僕らで作る足跡>(KANTA)
<強い君が流した涙/背中合わせのあの日>(TAICHI)
<頭にFlashback 揺れる波と黒板/夢の中みたいな日々も終わり 気づきゃLast dance>(GOICHI)

メンバーたちの思い出が回想されていく。続けてKEIが<踊り笑い暮れる classroom/今日は何歩 歩んだろう>と歌うと、その横では合宿中に戯れるみんなの様子を彷彿とさせるような振りが。そんななかでTAIKIがこうラップする。
<From the start now 壊れたかけたメンタル/あいつが流した涙の理由がわかった/俺は俺 お前はお前 君の分まで!はいらない/気づかせてくれた足りないピース 浮かび上がった宝の地図>
夢を追うこと、その中で生まれる苦しみ、出会いと別れ、消えない思い出、支えてくれた仲間への感謝。『THE LAST PIECE』での経験を、言葉と歌とダンスで届けていくファイナリストたち……。
最後はYUTAとRUIのこのフレーズで幕を下ろした。
<大丈夫 僕がいる>
<君を抱きしめて 目を閉じた>

パフォーマンスを受けてSKY-HI「俺が生きてきた人生そのものに意味があった」
曲が終わると沸き起こる拍手喝采。SKY-HIは目を潤ませながらファイナリストたちに感想を伝える。
「自分の感情が自分の歌にしっかり乗っかったものをしっかりパフォーマンスすると、観ている人が“これ俺の歌だ”と思ったりすると思う。今までの俺が生きてきた人生そのものに意味があったんだよって、パフォーマンスに言ってもらえたような気がして……」
観覧先で見守っていたAOIもまた胸がいっぱいになっているようで、言葉を詰まらせながらも「みんなで過ごしてきた日が頭の中で再生されて……心に響いて感動しました」と目いっぱい感想を伝える。そんな仲間からの言葉にファイナリストたちも涙を浮かべていた。


RUIは彼らしい表現でこう語る。
「合宿中の記憶とかが蘇ってきて、シンプルに楽しかったなと思うし、それを絶対に忘れないで……これからのアーティスト人生……やっていきたいし……NYC(ニューヨークシティ)バイブス忘れんなよって話です」
そんなRUIのコメントに、RYOTOはこう返す。
「僕も合宿中にRUI君にNYCバイブスを教わってきたつもりで。合宿終わってからも日頃からそのバイブスを続けていたら(まわりに)引かれることもあるけど、それがRUI君の教えだし……僕は誇りに思っているので、これからも続けていきたいと思います」
こちらも彼らしい素直なコメント。まわりからはちらほらと笑いが起きてきた。独自のバイブスを教えるRUIと、それに影響を受けるRYOTO。兄弟のような関係性だった。
最後にSKY-HIはファイナリストに改めてこう語りかけた。
「マジで忘れないでほしいのは、今みんなの本気が伝わってきて、人生変わったし、これはきっと世の中の人の人生をいっぱい変えると思う。それぞれにつらいこと、それぞれに最高にハッピーなことがあったと思うんだけど、それが全部意味があることだったっていうことを君たちが証明して、俺なんか30何年分も肯定された気持ちになっちゃって込み上げたから、“本気”って尊いんだなっていうのを一生忘れないでほしい。みんなの本気、最高にかっこよかったです」
今回の配信はここまでとなった。次週は「Moonchaser」のパフォーマンスと結果発表へ。ついにBMSGの集大成となる3つ目のボーイズグループが誕生。果たして、夢を手にするのは誰なのか──。

【『THE LAST PIECE』配信スケジュール】
■Ep.13:2025年9月19日(金)19時~
※公開スケジュールは変更になる可能性がございます
関連記事
-
-
九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「猛暑日のウルトラライトダウン」【前編】
『「SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE」~ハイヒールとつけまつげ~』:PR -
九条ジョー舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「小さい傘の喩えがなくなるまで」【後編】
『「SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE」 ~ハイヒールとつけまつげ~』:PR -
「“瞳の中のセンター”でありたい」SKE48西井美桜が明かす“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】
「SKE48の大富豪はおわらない!」:PR -
「悔しい気持ちはガソリン」「特徴的すぎるからこそ、個性」SKE48熊崎晴香&坂本真凛が語る“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】
「SKE48の大富豪はおわらない!」:PR -
「優しい姫」と「童顔だけど中身は大人」のふたり。SKE48野村実代&原 優寧の“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】
「SKE48の大富豪はおわらない!」:PR