【『THE LAST PIECE』レポート#11】最終審査に進むメンバーが決定。SKY-HIが14人に贈る感謝のメッセージ「俺にとっては世界一夢を見させてくれるアーティストなのは間違いない」

BE:FIRST(ビーファースト)、MAZZEL(マーゼル)に次ぐ3つ目のボーイズグループを誕生させるべく、SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」が始動させたオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE(ラストピース/通称:ラスピ)』。
『THE FIRST』『MISSIONx2』に続いて本オーディションでもプロデューサーを務めるSKY-HIは、「あなたの夢を叶える事が今の俺の夢だ」とコメント。さらに、『THE LAST PIECE』は以下のステイトメントを掲げている。
全ての10代と、
かつて10代だった
全ての人へ。
さあ、世界で一番自由で大きな夢を見よう。
2025年9月5日にYouTubeで配信された『THE LAST PIECE』本編Ep.11では、6次審査メンバー with SKY-HIによる「At The Last」のパフォーマンス、さらに最終審査に進む10名が発表された。その模様をレポートする。
目次
SKY-HI「想像できる夢の種類が広がった」
SKY-HIは合宿所をあとにし、東京に戻っていた。
「わからなくなってきましたね。実力が拮抗してということよりは、想像できる夢の種類が広がった」
そう語るSKY-HI。AOIはパフォーマンスが安定し、HALはラッパーとしてのスキルが磨かれ、RYOTOは圧倒的な声を持っている。彼らには新しい世代の何かができそうだという期待がある。GOICHI、TAICHI、RAIKI、REN、YUTA、KEIもまた、実力だけでなくプロ意識もついてきていた。参加者をそう分析するなか、RUI、TAIKI、KANONについてはこんなことも。
「まだ頭ひとつ抜けているのは事実としてあるけれど、それが必ずしも同じタイミング、同じグループで、デビューすることだけが本当のゴールなのか」
SKY-HIは決断の重みを感じていた。どの参加者も努力している。すべてフラットに判断しなければならない。まだどうなるかはわからないが、RUI、TAIKI、KANONもまたほかの参加者と同じく、必ずしも本オーディション発のグループでデビューするとは限らないようだ。
一方、参加者たちは「At The Last」の振りを考えていた。中でもRENは「自分で傷つけているよりも相手から罵声罵倒をくらって……」と積極的に意見を言っていく。この曲の振りには一つひとつに意味が込められているのだ。
振りが完成すると、RENは「ここの中にカタショーが隠れています」とうれしそうにメンバーにこだわりを話す。カタショーとは前の合宿所になっていた旧小学校校舎のことだ。あのころの思い出も振りにさりげなく入れている。
そして本番前日。彼らは再びSKY-HIと合流し、自分たちが考えた振りを教えていく。しばらくして振りを覚えると、次はSKY-HI流のぶつかり稽古が始まった。
「一緒に歌うならばせっかくなのでしっかりと食いにきてほしい。俺からマイクを奪う気持ちで」
参加者たちの気持ちを引き出すため、SKY-HIは一人ひとりと顔を突き合わせて歌い合う。「At The Last」には、葛藤や困難があっても夢を追うことの素晴らしさが綴られている。参加者たちも思いが残るのか、これまで以上に血がたぎっていた。
14人の参加者が読み上げる「感謝の手紙」
この日は6次審査の結果発表前日でもある。14人で過ごす最後の夜、キャンプファイヤーが行われた。炎が燃え盛るなかで、SKY-HIが「この1カ月があってよかったなって思える一瞬になってくれるように応援し続けるので、まずは明日刻み込みましょう」と言葉をかけると、突然TAIKIが立ち上がった。
「手紙をみんなで書いてきたので。ひとりずつ読ませてください」
14人は練習の合間をぬって、SKY-HIへ感謝の手紙を書いていた。予想をしていなかった出来事に驚くSKY-HI。参加者たちはそれぞれ手紙を読み上げる。
ADAM「今まで味わったことのない成長を自分も感じられたし、もっともっと音楽を好きになりました」
KANTA「吃音症とか関係なく、人間性や音楽というものだけで、このオーディションの中で評価してくださるのは、自分の中で感謝の気持ちもあるし、今までの人生がすごく救われたなと感じています」
TAICHI「BMSG TRAINEEになるまでは先が見えなくて。閉鎖的な環境でただ努力し続けてきたのが、去年の3月からBMSG TRAINEEになって何もかも変わりました」
REN「夢の見方を教えてもらい、今僕は人生で一番でかい夢をいっぱい見られています」
KEI「日高さんが今では僕の夢に本気で向き合ってくださっている。毎日が信じられないほどうれしくて幸せで、言葉になりません」
YUTA「本当に人生が変わったことを実感しました。僕自身の生活が変わったことよりも内面の成長に由来していると思います」
AOI「毎回の審査や練習のときに相談に乗ってくれたり、アドバイスをくださったり。フィードバックのときも僕の成長につながることを言ってくださり、本当にありがとうございます」
HAL「何より自分に自信を持てるようになりました」
GOICHI「前ではなく横でともに歩いてくださっているような感覚があるので、置いていかれないように走り続けます」
RAIKI「愛と感謝とリスペクトを大切に一歩一歩進んでいきます」
TAIKI「僕が最後に成し遂げなければならないことは、SKY-HIを超えることです。SKY-HIさん、日高さん、社長は僕が一番尊敬している人です」
RUI「絶対にデビューを勝ち取ってたくさんの恩返しと愛を倍にして返したいと思います。(……)日高さんとは思い出がありすぎて……本当にパパです」
RYOTO「明日の『At The Last』では主役を全力で取りにいくので、よろしくお願いします」
KANON「さまざまな会場でライブやオープニングアクトをさせていただき、その経験があったからこそ今このオーディションでも少しずつ成長したパフォーマンスを見せられていると思います。『MISSIONx2』でMAZZELに、あの当時の状態で選ばれなくてよかったとさえ思っています」
中には涙を流しながら手紙を読むメンバーもいた。夢を追う中でSKY-HIに支えられてきた面も大きいのだろう。SKY-HIが彼らに愛とリスペクトを伝えてきたぶん、参加者もSKY-HIに返していく。
そんな彼らにSKY-HIはこう伝えた。
「人生あきちゃったな、つまらないな、もういいことないな、やめちゃおうかなっていう人に、希望を持っていいかも、夢を持っていいかも、と思わせるのが君たちの職業だと思うんですけど(……)俺にとっては世界一夢を見させてくれるアーティストなのは間違いないです。(……)君たちと会えた人生っていうだけで、本当に俺は幸せものだなと思わせてもらっています」
15人での「At The Last」パフォーマンス
翌日、『THE LAST PIECE』メンバーが向かった先は、河口湖ステラシアターだった。4年前の『THE FIRST』の合宿最終審査の会場だ。擬似プロ審査と同じく、プロと同じ環境下でパフォーマンスを行う。この日、Aile The Shotaも見届け人としてやって来た。
1カ月に及んだ合宿オーディションの集大成となるパフォーマンス。緊張感が漂うなかステージに上がる一同。参加者たちの佇まいからは意気が上がっているのが伝わってくる。そんな彼らにSKY-HIはこう呼びかけた。
「マイク奪いにくるくらいの勢いと熱量でぶっ倒しにきてくれればうれしいです。安心してください。俺を倒すために俺がみんなのうしろについているんで。一緒に最高のステージ作りましょう」
SKY-HI with 6次審査メンバーによる「At The Last」がついに始まった。ノイジーで力強いトラックが鳴り出す。

「This is THE LAST PIECE! At The Last! You’re ready? Let’s go!」
SKY-HIが叫ぶと、参加者が次々と歌い出す。表情、歌唱、ダンスに、メンバーたちの情熱がぶつかり合う、汗が飛んできそうなエネルギッシュなステージ。TAICHI、YUTA、RUIのように繊細な歌声を聴かせるメンバーも今回は勇ましい。
アップで映し出されるメンバーの表情には、自信がみなぎっていた。自分が主役だ、そんなメッセージを画面越しの観客たちに訴えかけてくるようである。同時にその自信の中には、「SKY-HIの思いに応えたい」という強い思いが込められているようにも感じられた。



誰もが高いスキルを持っていることがすぐにわかるパフォーマンスだった。まだデビュー前とは思えないほどに。いったい誰が最終審査のメンバーに選ばれるのだろうか。
















最初に呼ばれたのはKANON「素晴らしい方向性に向かえている」
パフォーマンスが終了し、再び合宿所に戻る参加者たち。しばらくしてSKY-HIも現れた。いよいよ結果が発表される。最終審査を通過できるのは10人だという。

まず名前を呼ばれるのは誰なのか……張り詰めた空気の中で、SKY-HIは話し出した。
「『Secret Garden』は特にKANONが素晴らしかったです」
1人目はKANONだった。アーティストのあり方として歌唱とダンスとパフォーマンスで、BE:FIRSTに挑戦状を叩きつけるようなパワーを感じたという。さらにこうも話す。
「考えていることがちょっとズレていると、5年とか10年とかいったらものすごくズレた人になってしまう可能性があるんだけど、あなたの場合は素晴らしい方向性に向かえている」
5年後、10年後にどんなアーティストになるか考えていたというKANON。その解像度を高められたことがいいパフォーマンスにつながっていたようだ。

最終審査に進む10人が決定
続いて名前を呼ばれたのはKEI。言われたことを言われたままにせず、咀嚼して自分で考えてアウトプットしているという。そこがクレバーだと評価した。
次はADAMだ。実力的に達していないところもあるが、成長スピードが早い。このまま成長したらどれだけ変わっていくのか、SKY-HIはそこに期待を寄せている。

続いてRUIとTAIKIも呼ばれた。RUIには歌詞で伝えている感情を目線の動きひとつで伝える力があるといい、TAIKIには「『SKY-HIを超える』と言ってくれたけど、ぶっちゃけ俺はあなたに憧れている」と話す。
ただTAIKIに関しては課題もあった。「At The Last」のステージを観て「Secret Garden」のような曲でも感情が深く入ったパフォーマンスを見れないだろうか、と考えていたという。「Secret Garden」に書かれている歌詞を心から発する感情までたどり着いてほしいと伝えた。
続いてはRAIKI。まだパフォーマンスを頭で考えすぎているところはあるようだ。しかし、声の幅が広く、歌ってみてほしい曲も浮かびやすく、レベルが非常に高いと評価した。
次はKANTAの名前が呼ばれる。KANTAにはダンスで鳴っている音があるという。音楽が喜んでいることも感じたといい、作った側としてもうれしかったと高評価。とはいえ歌唱面にはまだ課題もある。その課題を乗り越えたらどうなるのか、SKY-HIは楽しみにしているようだった。
続いてYUTA。アーティストとしても、ひとりの人間としても、素晴らしいと思うことばかりだとまずひと言。YUTAには自信がついてきていた。そんな彼に対して、自分のまわりにいる人たちや仲間のことを思いながら、どんどん自分を愛してあげてほしい、こんなにがんばっているんだから絶対愛されていい、と続けた。

次はGOICHI。彼らしいパフォーマンスのスタイルはあるが、現状では天井が見えてきている。そこをどう突き破るかが今回の課題だった。そんななか「Secret Garden」では、新たなGOICHIを感じたという。加えてGOICHIならではのアティテュードもあり、しかもそれがナチュラルに表現できている。これをそのまま続けてほしいとコメントした。
そして最後に呼ばれたのは、TAICHIだ。「あなたの能力とポテンシャルは本当にとんでもない。えげつないところまでいけると思う」と大絶賛。さらには「この先、不安になることがあったら『SKY-HIをなめるな』って心に唱えてください」とまで伝えた。SKY-HIがTAICHIに寄せる期待は大きい。
最終審査に進むメンバーは、KANON、KEI、ADAM、RUI、TAIKI、RAIKI、KANTA、YUTA、GOICHI、TAICHIとなった。
デビュー見送りとなったREN、HAL、AOI、RYOTO
REN、HAL、AOI、RYOTOはここまでとなった。なぜデビュー見送りとなったのか。
RENは歌やダンスのスキルは申し分なく、どういうアーティストになるのかという想像もできたという。しかし、その姿が具体的になるほど彼が描いているかっこいいアーティスト像をアップデートしたほうがいいと考えるようになったようだ。2030年に世界で活躍するボーイズグループが表現するかっこよさとはどんなものなのか、RENには考えてもらう必要があると判断した。
HALには、ラップに魅力を感じていたが、だからこそ今はいろんな表現にチャレンジしてもらうよりも、自分がやりたいと思うものをもっと掘り進めた方がいい時期なのではないかと考えたという。
AOIには、現段階ではまだ似合う曲と似合わない曲があった。そんなAOIに対して、音楽にもっとオタクになってほしいと話す。なぜこの曲が好きなのか、誰が作っているのか、それを知ることで音楽の海の深さに気づく。そうすればもっと音楽を好きになれるし、音楽を好きになれば、もっと音楽に愛されると。AOIは表情を崩すことなく凛とした顔つきで、SKY-HIの言葉を受け取っていた。
RYOTOは、歌声ひとつですべてを黙らせられるポテンシャルを持っていると評価する。クリエイターにとって一番ほしい声のひとつだと大絶賛だ。ただ、パフォーマンスを見るとRYOTO自身の集中が切れる瞬間があったともいう。その声を持っているぶん、もっとカリスマ性を背負わなければならない。それほどの才能があれば、歌に入る前、歌い終わったあと、歌っているときの所作、そのすべてに責任が生じてしまう。だが、まだRYOTOには、アーティストとしての意識が届いていないと感じたそうだ。
全員にコメントを伝えたあと、SKY-HIは改めて参加者全員が急成長していたことを伝える。その上で、そうした日々の尊さを忘れないでほしいとも。それを作ったのは周囲の人々でもあるが、何よりも自分自身ががんばったからこそのものでもある。どうか自分に感謝とリスペクトをして、自分を愛してあげてほしい、そう語りかけた。

ライバルであり仲間でもあるメンバーとの別れ
ここまでとなったメンバーたちは、さっそく荷物をまとめる。そんななかスタッフはAOIに声をかけた。悔しい表情や落ち込んだ表情を浮かべる参加者たちの中で、ただひとりAOIだけが笑顔だった。どんな思いでいたのだろうか。AOIはこう答える。
「自分が受かることもうれしいですけど、ほかの子が受かっているところを見ることもめちゃくちゃうれしい」
そんなAOIだが、SKY-HIから声をかけられると、感情が込み上げてきたのか嗚咽してしまう。彼なりに気を張っていたところがあるのかもしれない。手で目をおおい涙で呼吸が乱れるなか、SKY-HIの言葉を聞いていた。
荷物をまとめ合宿所を出ていく4人。そんな彼らを最終審査を通過した10人が待っていた。彼らは顔をぐしゃぐしゃにして涙を流している。
オーディションを通過できない苦しみは、同じ夢を追う参加者たちはよく知っている。それに合宿所で長い間ともに努力してきたライバルであり仲間でもある。別れはいつだってつらい。それぞれ一人ひとりと強く抱き合い、互いを讃え合っていた。




次回はついに最終審査。デビューできるメンバーは誰なのか。
【『THE LAST PIECE』配信スケジュール】
■Ep.12:2025年9月12日(金)20時~
※公開スケジュールは変更になる可能性がございます
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