少女写真家・飯田エリカと、QJ編集部・高橋の音声番組『夕方5時の会議室』。メディア業界で働く同世代ふたりが、日常で感じているモヤモヤを、ゆる〜くカジュアルにお話しします。
第6回は、枝 優花さんゲスト回の反省点から、テキストメディアと音声メディアの違いを考えます。
※音声収録は2025年4月16日に行いました
この記事では、音声の前半部分だけをテキストで公開。後半はYouTubeまたはPodcastよりお聴きください。
ゲスト回が「インタビューの場」になってしまう悩み
飯田 (ホワイトボードを見ながら)今日のアジェンダにある「高橋さんの反省」ってなんですか?(笑)
高橋 (枝 優花さんゲスト回の)反省としては、私がしゃべらなさすぎる! 音声が編集されたものを聴きながら、めちゃめちゃ思って。もちろんゲスト回なので、枝さんがメインというのは変わりないんですけど、あまりにも私がしゃべらなさすぎて……高橋いる?みたいな(笑)。
飯田 ちょっと入りづらかったのもあるかも?
高橋 全然! ちょっと自分でも考えたんですけど、私の職業病というか、(普段の仕事で)インタビューをすることが多くて。ライターさんがいて、編集がいて……みたいな感じでインタビューをするときに、あんまり自分の話ってしない。時間も限られているので、できるだけ相手の話を引き出すような質問をして、自分の話はしない……みたいなことをよくやっているので、それが出たなと思いました。
飯田 なるほど、そういうことだったんですね。
高橋 でも枝さんゲスト回は、私も飯田さんもいる場だったので、私はもうちょっとしゃべらなきゃいけなかったなって。
飯田 言われてみれば編集さんって、(インタビュー中に)ライターさんの横にはいるけど、これも聞いておきたい!みたいなときだけ口出しますよね。
高橋 そういう取材の場になっちゃってたんです。インタビューでした(笑)。
飯田 でも枝さんがめちゃめちゃいい話してくれたから……。
高橋 そうそう、だからよかったんですけど。枝さんの話はめっちゃおもしろかった。
飯田 今後のゲスト回はトライアングルでしゃべれるといいですよね。
高橋 そうですね。こういう感想回も設けていきましょう。あと、音声コンテンツをやってみて、やっぱり飯田さんすごく(トークが)上手だなって思いました。
飯田 適当にしゃべってるだけ(笑)。
高橋 雑誌とかWEBの記事メディアと違うのって、(音声は)あとでセリフの変更とかができないじゃないですか。この言葉よくなかったな〜みたいなときに言い換えができないから、すごく難しいなって思いました。その場でとっさに判断して言い換える必要がある。それが、飯田さんはできてて。
飯田 本当ですか! 私は逆に文章のほうが難しいなと思って。なんかすごい時間かかるな、みたいな(笑)。しゃべる脳みそと書く脳みそ(の使い方)って違うらしくて。仕事で文章を書いてほしいって言われたり、たまにnoteとかも書くんですけど、全然しゃべってるほうが楽だな〜って。
高橋 言葉が出てくる速度が違う?
飯田 違いますね。しゃべってるほうが温度感もある。枝さんも「(Xの)スペースだと誤解が少なく、しゃべってる温度で伝えられるからいい」って言ってたと思うんですけど、自分の感じてることを文章にするときって、だいたいちょっとテンション重くなるんですよ。
高橋 なるほど。
飯田 普段感じてることとか、社会に思ってることがありすぎて(笑)。しゃべってるときは勝手に言葉が出てくる。だから、しゃべったことも全然覚えてないんですよ。人を撮ってるときもめっちゃしゃべってるんですけど、あとで人に「あのときこう話してもらえて……」みたいなこと言われて、「そんなことしゃべってたんだ」ってなる(笑)。
高橋 すごい。無意識?
飯田 全然無意識ですね。今褒めていただけてうれしいんですけど、そんなたいそうなこと何もできてないです。しかもPodcastは一応編集できるじゃないですか。ちょっとまずいかもって思ったら「ここはカットで」って言えるんで。枝さんのときも、あの(歩道橋の)セリフ部分はカットできた。そういう安心感はあるかもしれないです。生ではない、みたいな。
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次回も、飯田エリカとQJ編集部・高橋のふたりトーク。八代亜紀さんのフルヌード写真付きCDの問題から、「被写体としての女性の尊厳」を考えます。