地上波ドラマ制作現場は大忙し? 『推しの子』でも描かれた「映像業界のリアル」【夕方5時の会議室 #5】

編集=高橋千里


少女写真家・飯田エリカと、QJ編集部・高橋の音声番組『夕方5時の会議室』。メディア業界で働く同世代ふたりが、日常で感じているモヤモヤを、ゆる〜くカジュアルにお話しします。

第5回は、前回ゲストの枝 優花さん(映画・ドラマ監督)とのトークをふたりで振り返ります。知られざる映像業界の話を聞いて、思ったことは?

※音声収録は2025年4月16日に行いました

この記事では、音声の前半部分だけをテキストで公開。後半はYouTubeまたはPodcastよりお聴きください。

『推しの子』で描かれていたことは、オーバーではない

飯田 少女写真家の飯田エリカです。

高橋 『クイック・ジャパン』編集部の高橋です。この番組『夕方5時の会議室』は、私と飯田さんが日々感じているモヤモヤを、メディア業界で働くふたりの視点からお話しする番組です。

飯田 よろしくお願いします!

高橋 前回は映画・ドラマ監督の枝 優花さんをお招きして、ドラマ『コールミー・バイ・ノーネーム』(以下:『コルミノ』)についてたっぷりとお話しいただきました。

飯田 濃い3回分。すごかったですね!

高橋 特に飯田さんは第1話からずっとドラマを観られてたじゃないですか。コラボカフェも行ってましたよね。

飯田 はい、行きましたよ(笑)。それで枝さんにお話を伺いたいって思って、関係値を利用して呼ばせていただき……。

高橋 おかげですごく素敵なお話をたくさん聞けたので、ありがたいなって思ってました。

飯田 あの収録のとき、高橋さんはまだ(『コルミノ』の)“最終夜”を観てなかったじゃないですか。そのあと、観てどうでした?

高橋 そう、観る前にここでお話をして、ネタバレというか、こうなるんだよ〜っていうのを聞いてから観たんですけど、やっぱりすごいなというか。あの歩道橋のシーン、本当に演技を飛び越えたんだっていうのが観ていても伝わるし、ふたりの愛がめちゃめちゃ美しくて。それを引き出したのは枝さんなんだって思うと、すごくかっこいいなって思いましたね。

飯田 かっこいいですよね。やっぱ監督ってすごいな、本当にすごい。素人意見しか出てこないけど(笑)。

高橋 私は正直、映像の仕事に関わったことが今までなかったので、監督と脚本と演出の方ってどういうお仕事されてるのかあんまり知らなかったんですけど、そういうふうに役者の方と関わって、その方のよさとかポテンシャルみたいなものを引き出すのも監督のお仕事なんだなって知りました。

飯田 脚本で設計されてるものを演じるのは役者さんのお仕事だから、そういうものはたくさん見られますけど、そこを飛び越えてしまうことがあるのが、やっぱり芝居のおもしろいところだなって思うと……。あのこじ開け方は、やっぱり枝さんならではなんだろうな。

高橋 あと、ドラマを作るのってそんなに時間があるわけじゃない、みたいなお話もあったと思うんですけど、それも全然知らなくて。前に『推しの子』実写ドラマ版で、(ドラマ制作現場は)自転車操業で毎回放送日に間に合わせるためにめちゃめちゃバタバタで作ってる……みたいな話があって、本当なのかなって思ってたんですけど、枝さんのお話聞いて、そうなんだ!(本当だったんだ!)みたいな。

飯田 本当ですね。『推しの子』の一番おもしろかったのって、業界の裏側みたいなところをマンガとしてけっこう突っ込んで描いてた。(裏側を)知ってる側からすると、すごくおもしろかったです。

高橋 そうなんですね。やっぱりあるあるというか、よく取材してるな〜って感じなんですかね。

飯田 たしかに、どうしてあそこまで知ってるんだろう。私的にはドラマの部分もだし、アイドルのエピソードも「お、言うじゃん」みたいな。けっこうアイドルの恋愛とかに触れちゃうじゃないですか。すごいところ触れてくるな〜って思った。

ドラマの話でいうと、私のまわりにドラマ現場に入ってスチール撮る仕事してるカメラマンさんがいるんですけど、「来週放送のドラマを今週撮ってるから、写真も即出ししなきゃいけない」みたいなLINE来たりとかして、がんばれ〜って(笑)。

高橋 大変! だって、出したあともレタッチとか事務所さんとの確認のやりとりが発生したりして、絶対間に合わないですよね。

飯田 そうなんですよ、どういうスパンなんだろう。だから、『推しの子』で描いているものはわりとオーバーではないんだと思う。

高橋 そうなんですね、すごいな〜。たしかに枝さんがゲストで来てくださったときも、「最近、(ドラマの撮影で)雪山に行ってる」って言ってましたよね。その後すぐにドラマの情報が解禁されて、この作品のことだったんだ!みたいな。

飯田 そうですよね。今もまた(別の作品に)クランクインした〜みたいなことをSNSで書いてて……。

高橋 2〜3カ月ごとに絶えず、次の作品に入る、みたいな感じなんですかね。

飯田 現場入る前の準備もいろいろあると思うので、忙しさ的に大丈夫なんだろうか……って勝手に心配しちゃいます(笑)。

【続きはこちらから!】20代で経験した“恋愛沼”を振り返る

次回も、飯田エリカとQJ編集部・高橋のふたりトーク。枝さんゲスト回の反省点から、音声メディアと記事メディアの違いを話します。

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