冨田明宏×飯田里穂 過熱する「声優ブーム」の受け止め方

2021.7.6

文=渡部 遊 撮影=飯本貴子


『Quick Japan』vol.156に掲載の冨田明宏と飯田里穂による対談「声優ブームの最前線」の配信トークイベントが7月5日に行われた。誌面では「ブームはもう終わってるんですよ」「誰かになったら終わり」と続々とパンチラインが繰り出された対談となったが、そんな誌面対談を経て、今回のイベントはどのようなトークとなったのか。配信の様子をレポートする。


2時間にも及ぶ声優トーク

7月5日19時。配信1時間前に会場に到着した冨田は、席について近況を話したのち、スタッフから渡されたアンケート資料にペンでチェックをつけはじめた。アンケートは冨田の発案で行われたもので、「声優ブーム」に対する意識と関心を問うものだ。事前に送った台本にはあらかじめトーク内容を書き込んでおり、準備に余念がない。配信開始5分前、飯田の準備が終わり、スタッフから簡単にカメラ位置の確認など配信の説明を受ける。

もともと30分前に打ち合わせを予定していたので「え?もう5分前?」と驚いた様子を見せたが、台本とアンケートに軽く目を通す。一方、冨田はブームに関連した雑談でスタッフと盛り上がる。以前、弊誌の連載で声優ブームの泡沫感をタピオカ屋にたとえていたが、タピオカの次のブームと目されるマリトッツォについて、スタッフから説明を受けていた。

20時。定刻となりトークイベントがスタートする。冨田からの簡単な趣旨説明が終わり、まずは誌面の対談を振り返り。「すごい好きなことをしゃべらせてもらった」と語る飯田に「僕も(SNSではなく)ラジオやイベントでちゃんと語るようにしている」と冨田も重ねる。対談時よりもさらに声優のバラエティ番組への出演が増えている現状については「これって対談の影響かも?」とやや興奮気味な飯田。

自分の考えやビジョンを明確に持って語る飯田。声優のバラエティ出演情報も徹底的にリサーチしている。

2000年代のアニメ文化が前後のブームを分ける決定的なものだったと冨田は明言。曰く、それまでのアニメ文化は子供が観る夕方帯やゴールデンタイムが多く、ゆえにオタクという名称も「いつまでも子供な大人」というニュアンスがつきまとう蔑称のような扱いで使われていた。しかし、アニメ文化を「中年の男」だけのものにしなかったアニメ作品がある。『けいおん!』と『ラブライブ!』だ。

これは、女子高生からの人気が高く、今でこそ電車の中でスマホゲームに熱中しているのが当たり前の日常風景となっているが、『スクフェス』(『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』)以前は考えられなかった景色かもしれない。メディアミックス的な相乗効果は、当時声優としてまだ駆け出しだった飯田にも感じるところがあり「そこからアニメの流れが変わってきてない?」と分析。

現在の「鬼滅ブーム」に代表される第六次声優ブームについて触れたのち、後半は事前に視聴者からいただいたアンケートタイムへ。まず、冨田から飯田へ「声優って楽しい?」と単刀直入に切り込む。バラエティ番組で活躍する姿はもちろんうれしいが、なにより本業である声優としてアフレコブースから出てくる表情がとてもかっこいい、と冨田。バラエティ番組では見られない、職人としてのかっこよさについてしみじみと語った。

地上波やYouTubeなど、現在の声優のメディア展開を冷静に見つめる冨田。

韓国の視聴者から「今、日本の声優が持つべき資質とは?」との質問に「語学力」と冨田が即答。飯田も自身が出演した『オッドタクシー』が海外でも人気であり、『ラブライブ!スーパースター!!』に出演中の上海出身のLiyuuが飯田のファンだったことを取り上げ、語学力の必要性を痛感。その後も多くのアンケートに答えるうちにあっという間に2時間が経ちイベントは大盛り上がりのなか終わりを迎えた。

声優の活動は多岐に及び、視聴形式も大きな変化を遂げている。そんな今だからこそ、語られるべき内容が詰まったトークイベントとなった。飯田はイベント中何度も「矢面に立つ」と繰り返していた。今回のイベントも、そんな飯田の壁をぶち破っていこうという精神力が垣間見えるような内容になったのではないだろうか。当日のトークイベントが気になった方はぜひ以下のアーカイブ配信と、『Quick Japan』vol.155とvol.156をチェックいただきたい。

イベント概要

冨田明宏×飯田里穂 声優ブームの最前線(延長戦)
日時:7月5日(月)20:00〜22:00
配信:Zoomウェビナー機能

チケット購入QJWebSHOPにて販売中

出演者
冨田明宏
飯田里穂

※配信で使用するZoomのウェビナー機能はメールアドレスを登録いただくだけでご視聴いただけます

※チケット購入後に送られてくるURLより事前登録をお済ませください。事前登録後に当日の視聴URLをお知らせいたします

※アーカイブチケットの販売は7月11日(日)21:00まで

【チケット料金】
アーカイブ付チケット:1,650円(税込)
アーカイブのみ:1,650円(税込)
※アーカイブチケットの販売は7月11日(日)21:00まで

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冨田明宏

1980年生まれ、千葉県出身。アニメソング評論家、アニメソングプロデューサー。株式会社一二三所属。飯田里穂、内田真礼、黒崎真音などのプロデュースを手がける。『Quick Japan』にて「冨田明宏の読むアニメソング」を連載中

飯田里穂

1991年生まれ、埼玉県出身。声優、女優、歌手。TVアニメ『ラブライブ!』(星空凛役)で声優デビュー。『ラブライブ!』並びにμ’sとして紅白歌合戦への出場や東京ドーム公演を果たす。主な出演作に『アイドルランドプリパラ』(香田澄あまり役)、『終末のハーレム』(東堂晶役)、『オッドタクシー』(白川役)など


アーカイブチケットは絶賛発売中です!


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  • 冨田明宏×飯田里穂 声優ブームの最前線(延長戦)

    日時:7月5日(月)20:00〜22:00
    配信:Zoomウェビナー機能

    チケット購入:QJWebSHOPにて販売中

    出演者:
    冨田明宏
    飯田里穂

    ※配信で使用するZoomのウェビナー機能はメールアドレスを登録いただくだけでご視聴いただけます

    ※チケット購入後に送られてくるURLより事前登録をお済ませください。事前登録後に当日の視聴URLをお知らせいたします

    ※アーカイブ配信期間は7月11日(日)23:59まで

    【チケット料金】
    アーカイブのみ:1,650円(税込)
    ※アーカイブチケットの販売は7月11日(日)21:00まで

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    【応募期間】
    2021年7月5日(月)イベント内での応募用ハッシュタグ発表後〜2021年7月11日(日)23:59まで(アーカイブ視聴期間終了)
    ーーーーーーーーーーー
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