CHAI、曲にまでした“餃子”への愛

2020.1.24

文=小田部 仁 撮影=南 阿沙美


ピンク色の4人組ニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAI。

2019年のセカンドアルバム『PUNK』は各所で話題を呼び、ワールドツアーも大成功させるなど、世界中に“NEOかわいい”を発信し続けている。

ここでは、2017年にリリースされた初のフルアルバム『PINK』について、当時行ったインタビューを掲載する。“愛しちゃった 餃子”(「ほれちゃった」)という歌詞を書くほど、メンバー全員が大好きな餃子を食べながら話を聞いた。

グループ結成の秘話、そして当時の彼女たちが抱いていた「野望」とは?

※本記事は、2017年10月24日に発売された『クイック・ジャパン』vol.134掲載のインタビューを転載したものです。

餃子の王さま 秘密の過去が明らかに

「CHAI、聴いてるとなんか元気になる」ってこの間、新宿駅で耳の早い女子高生たちが話しているのを聞いた。実際、自分のコンプレックスを“かわいい”という無敵のひと言で強烈な魅力にしちゃうCHAIの音楽はすごいパワーを持っている。「世界的なフェミニズムのムーブメントに無自覚に接続してる」とかそういう頭でっかちなことは置いておいて、とりあえず、よく晴れた秋の日に彼女たちが愛しちゃった“餃子”(チャオズ)を一緒に食べに行ってきました。

CHAI

――餃子への愛を、ついに曲(「ほれちゃった」/アルバム『PINK』収録)にしちゃいましたね。

カナ 幼稚園のころから、大好物。

マナ ママと毎回150個くらい、大量に作ってた。ほうれん草とかなんでも入れて。

ユナ マナカナの双子は包むのホント上手だよね。めっちゃ早い(笑)。

――4人は超仲良いですね。同じ家に住んでるんですよね。

カナ 上京して音楽やる上で、一緒にいたほうが話が早いもんで。

ユウキ 仲良いよ。毎日朝一緒に起きてご飯食べて、週1回はみんなで餃子作って冷凍して、良いと思った音楽の話をしてる。

マナ 将来の出産のタイミングも4人で合わせたいって思ってるぐらい(笑)。

ユナ そしたら、子供たちも一緒に餃子を包めるから、今よりたくさん食べれるね(笑)。

――マナさんとカナさんは双子で。なんで音楽やろうと思ったんですか?

マナ もともとは踊ったり歌うのが好きで、いろいろオーディション受けてたりしたんだよね。

ユナ え、そうなの? 知らなかった。すごいね。

――だからか、ライブでも見せかたがうまいですよね。根っからエンターテイナー志向なんですね。

カナ そうなのかな? 小さいときタレントか歌手になりたくて、CMのオーディションも通ったんだけど、なんか怪しかったからママに「やめなさい」って言われて諦めた(笑)。そのあと、学生のころにユナに出会ってバンドごっこをはじめて。歌って演奏するのってこんなに楽しいんだ〜って思ったんだよね。自分達の表現はバンドしかないなって。

ユナ 楽しいよねぇ、バンド。遊びの延長みたいな。すごく自由。

餃子の王さま「王さまの餃子」

――餃子きましたね。取りわけますよ。

カナ ヤサ男〜! あ、これおいしい〜。スナック感覚で食べられる感じ。

マナ 王さま餃子は野菜しか入ってないんだって。実家の餃子に近いよね。

ユウキ 半ライスくださ〜い!

ユナ おいしい〜。肉餃子も水餃子もパクパクいけちゃう。

――ユナさん、ずっと楽しそう。

マナ ユナは1年中テンションが一緒なのずっと。CHAIのバファリン的存在。

ユウキ 優しさの塊なんだよね。でも、ユナはバンドはじめてから本当にすごい変わった。コンプレックスを認めてかわいくなった。今、いちばん、モテるよね。

ユナ え〜うれしいな。CHAIはこうやってみんなほめあってるんだよね。私は音楽の専門学校に通っててドラムのことばっかり考えてきたから、エンターテイナーな双子と歌詞を伝えるのが上手なユウキがいて、CHAIに入って、初めてバンドで音楽やることの良さを知ったんだよね。

――ユウキさんは、どういうきっかけでバンドに加入したんですか?

ユウキ ナンパされたの。

マナ 出会ったとき、一番かわいいなって思って誘ったんだよね。

ユウキ 音楽はよく聴いてたけど、楽器はなんにもやったことなくて。キーボード、ギター、ドラムはいるけどベースいないから。“じゃあ、それで”みたいな(笑)。

カナ すごくぴったりだった。音楽の趣味も似てて、アートワークもユウキが手掛けてるの。パズルのピースがハマった感じだったね。

――マナさんとカナさんは双子ですけど。一番の違うところはなんですか?

カナ マナはあんまり悩まないよね。すごく感覚的。

マナ 悩むけど一日でバーって忘れちゃう。曲作りもそんな感じ!

カナ 私はマナになんでも話しちゃうし、すごく頼りにしてる。でもマナには考えてること全部伝わってる気がする。

マナ カナは頑固でクールだから。この間手相を見てもらったんだけど、カナについていけばCHAIはうまくいくって言われたんだ。

カナ 私、死んでも死なないくらい諦めないんだって。だから、夢叶うよ。

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小田部仁

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小田部 仁

(おたべ・じん)1989年11月20日生まれ。東京都豊島区出身。上智大学文学部英文学科卒。2013年、太田出版に入社。ユースカルチャー誌『クイック・ジャパン』編集部に配属。2015年、退社。現在はフリーランスで文筆・編集業に携わる。

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