進まぬ対策… 「トレンドブログ」6つの問題点(中川淳一郎)

2020.3.18

これは日本のウェブメディアが真剣に考えるべき問題だ

PVが取れるから、普段からいろいろ世話になっているから黙認しているのか? 
ただね、健全なプラットフォームを目指す企業らしからぬ態度なわけですよ。張本勲や坂上忍、松本人志、指原莉乃のテレビ発言を記事化するのは結局「タダ乗り」でしかない。もしも『サンデーモーニング』が自らの公式HPでこうした番組中の発言をニュース化するのならばそれはコンテンツとして許されるだろう。

ある日のGoogleニュース検索で「張本勲」と入
れたときのスクリーンショット。各社が『サンデーモーニング』を見
て記事を書いている。Yahoo!ニュースにも当然配信されている(筆者提供)

『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)にしても、毎日のように過激発言をする玉川徹の発言が記事化され、『とくダネ!』(フジテレビ)も社会学者の古市憲寿のコメントが記事になる。

「こいつらのコメントは数字が取れる!」ということで、スポーツ紙も取り上げるわけだが、そろそろ番組も文句言ったほうがいいのでは?
別にこうした記事を読んでも読者は番組見ないぜ。番組としては制作費をかけて彼らの発言を流しているわけだから記事化した場合はカネを取ってもいい。

社会の公器たるポータルサイトにしても、この手の記事は配信しないよう要請してほしい。なんでこんな著作権的にグレーなものを放置しつづけているの?

トレンドブログの話から突然レガシーメディアとポータルの疑問に発展したが、日本のウェブメディア、これ、まじめに考える局面だぞ、今は。マジで頼むわ。

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中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

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