“SNSのフェチ天使”のキャッチフレーズで人気を集め、現在Instagramで120万人のフォロワーを誇るタレント・起業家のくりえみ。2021年には起業し、美容医療開発やAGAケアのサブスクリプションサービスを手がけるなど、芸能活動と並行してビジネスの分野でもその才能を発揮している。「四六時中、仕事のことを考えている」という彼女が週3回は通っているというサウナで、「仕事」と「チル」の深い関係について聞いた。
私、立ち止まったら死ぬんです
──くりえみさんは芸能活動と並行しながら起業家としてもご活躍されていますが、仕事のオン・オフの切り替えってどのようにしていますか?
くりえみ うーん……私はマグロみたいなタイプなんで、オフはないかもしれませんね。
──マグロ?
くりえみ 立ち止まったら死ぬんですよ。ずっと仕事して人と関わってないと精神が持たない。たぶん、人として弱いんですよね。だから仕事をしている時間はまったく苦じゃなくて、こういう生活が好きでやってます。
──この働き方は昔からですか?
くりえみ 6年前に大きな芸能事務所を辞めたタイミングでフリーになったんですけど、そしたら仕事が全部なくなって……。それがすごく悔しくて「自分の力で有名になろう」と決意して、セルフブランディングをはじめたんです。まずは自分の直感や感性、分析力を信じてSNSを更新したり、注目を集めるためになにが必要かを考えました。あと、同時に起業のことも視野に入れだしましたね。そのころから四六時中、仕事のことを考えてます。だから、夢とかにも出てきますよ(笑)。
──寝ながら仕事している(笑)。
くりえみ どんなサービスが今求められているのかをずっと考えています。たくさんアイデアが出てくるので、逆にその中から“やるべきこと”を絞ることが苦手で。いっぱい事業をやりすぎて、中途半端になっちゃうこともあるんです。
──そのためにサウナに入る?
くりえみ はい、サウナでチルすることで、大事なことだけが頭に浮かんでくるようになるんです。この仕事はもう少し後にやったほうがいい、このアイデアは今やるべきじゃない、とか。サウナに入ると、次にやるべきことが明確になるんです。まあ、ととのってる最中はなにも考えられないですけど(笑)。
“ととのい”の先に見えてくるビジョン
──日々忙しく働いているくりえみさんにとって「チル」の時間ってなんですか?
くりえみ ととのっているときかな。いつもサウナに10分入って、水風呂に3分、それから外気浴を3分、それを7回繰り返しますね。
──経営者の方ってサウナが好きなイメージがあって、近年は都内のビジネス街にもサウナが増えましたよね。
くりえみ 本当に(笑)。真っ昼間からサウナに行く人とかいますよ。一緒に仕事する人と行って、3時間ぐらいしゃべりながら打ち合わせしたりもしますね。知り合いのエンジニアと一緒に行ったときも、急に開発コードを思いついて外気浴しながら書いたりしてましたよ(笑)。
──そんな働き方が(笑)。入浴中も仕事のことを考えるんですね。
くりえみ そうですね。毎日、いろんな情報が入ってくるから頭の中がごちゃごちゃしちゃうんですよ。
働く場所は、プールの上でも!?
──「サウナで働く」という話もありましたが、普段はどんな場所をワークスペースにしていますか?
くりえみ 一応、オフィスも借りてたんですけど最近は使ってないですね。家とかカフェとかいろいろ……あとはプールの上とか。
──えっ、プール?
くりえみ ケータイをプールサイドに置いて、水に浮かびながらイヤホンをつけて会議してますよ。 状況的に見たらめっちゃチルだけど、話してることは仕事、みたいな。けっこうチルしながら働くことは多いかもしれないですね。
──リラックスできる状況にいながら仕事することで、いいアイデアが浮かんだりするんですか?
くりえみ しますね。場所が違うだけで発想がぜんぜん変わるので、常に動いていろんなところに行って、価値観とか感性を変えていくのがクリエイティブにはすごく大事かなと思います。
特許をとるのが私の夢
──最後に、今後の展望なども教えてください。
くりえみ 30代になったら、その年齢だからこそできることを強みにして、芸能でも事業でも成功したいんです。その成功を最終的には地域復興や寄付とかに還元していけたら、自分の目的を果たせるなと思っています。やっぱり私は、ゼロから1を作る作業がすごい好きで。今も、新しいサービスを検討しているところなんですよ。
──どんなサービスなんでしょうか?
くりえみ 24時間、アフターピルをコンビニで受け渡しできるサービスです。ピルって医療品なのでドクターの問診を受けないといけないし、手元に届くまでにすごくタイムラグがあるんです。今もオンライン上で郵送するサービスはあるんですけど、送付に最低1日はかかりますよね。どこにでもあるコンビニでいつでも受け取りできたら、女性にとって安心感があるなと思って。そういうアイデアを考えるのが好きなんです。死ぬまでに絶対にひとつは「自分が初めてこれを世の中に広めた」って自信を持って言えるサービスを作って、特許をとるのが私の夢ですね。
【連載】余白の時間 presented by CHILL OUT
日夜、アイデアを思索しつづけるクリエイターたち。その隙間の休息を、どう次の表現に活かしているのか。それぞれの方法論を尋ねる。
■第1回:遅れてきた23年目のブレイク芸人、タイムマシーン3号の活動を支える“チル”の時間とは?