コロナ禍で激変した、ドラマーとしての仕事
「もともとベースが効いた音楽が好き」で、当時、流行の兆しがあったJUKE/FOOTWORK(シカゴ発のベース/ダンス・ミュージック)のビートに影響を受けたGOTOは、2012年、旧友のBENCH.に星優太を加え、ベース・ミュージックをバンドサウンドで血肉化するDALLJUB STEP CLUB(以下、ダルジャブ)を結成する。そこから数年は、リーダーとしてほぼダルジャブに専念する日々がつづいていたが、2015年、ファンだった「あらかじめ決められた恋人たちへ」の新ドラマーとして参加する。だが、GOTOがライブサポートやレコーディングで多忙となるのは、もう少しあとのことだった。
「本格的に忙しくなったのはつい最近、コロナ禍以降なんです。コロナの直後は、ダルジャブでもあら恋でもライブができなくなって、バイト先だった音楽スタジオも潰れちゃって。暇だし、金もないし、人生で一番のピンチだったんですけど、そのタイミングでなぜかライブサポートやレコーディングの依頼が来るようになったんです。そこから人づてに紹介してもらっているうちに、“GOTOくん、サポート仕事も受けてくれるんだ”と、関わるバンドが増えていった感じですね。
おそらく大きなきっかけになったのは、崎山(蒼志)くんとふたりで演奏している『逆光』のMV。あれを観て、こういうドラムも叩けるんだと思ってもらえたのかなと。不思議なんですけど、コロナ前はバイトしないとまったく食えなかったのに、コロナ禍以降はドラムだけで食べられるようになったんです」
現在はほぼ休みなく、レコーディング、ライブ、撮影をこなし、スケジュールが空いた日に譜面を書き、楽曲制作をしているGOTO。多忙により肉体的なキツさはあるようだが、表情には充実感が漂う。さまざまなバンド/アーティストをサポートしているような現在の姿を、GOTOは以前から思い描いていたのだろうか?
「ダルジャブを始めたときに、toeの柏倉(隆史)さんみたいな、自分のバンドもありながら、サポートも頼まれるようなポジションになれればと思っていて。だから、スケジュールNG以外で依頼を断ったことはないです。そうやっていくうちに、Mega(Shinnosuke)くん、崎山くん、最近だとクボタカイくんとか、自分よりも年下の子たちとも一緒にできるようになって、それはすごくありがたいですね。お金とかじゃなく、やりたいことをやっていたら広がっていったので。ものすごく時間はかかりましたけどね(笑)」
自分のプレイを分析する
バンドサウンドから4つ打ち、変拍子まで、多種多様なビートに対応するGOTO。現在は比較的シンプルなドラムセットを使っているが、かつてはサンプラーを扱いながらドラムを叩くなど、ジャンルに合わせてセッティングや奏法を柔軟に変えていくタイプといえるだろう。GOTOは、自身のプレイスタイルをどのように解釈しているのだろうか?
「自分は演奏の準備段階として、PC上で譜面を分析するんですよ。実際に叩いているときは、大きなマスが脳内にあって、さらに4分音符のマス、16分音符のマスに仕分けして、間にキックを入れていく……みたいなイメージです。そんな脳内のビジョンに合わせて叩いているので、ちょっと機械的な感じがあるのかなと思います。意識しているのは、よけいなものは叩かないこと。その楽曲にとって必要なビートだけを入れて、音楽全体としてのクオリティを高めていきたい」
それはここ数年、インスト・バンドやダンス・バンドだけではなく、ボーカルもののアーティストに関わることが増えたことでより明確になったスタンスだという。
「ダルジャブだったら、聴かせたいリズムとベースがあればそれでOKなんです。でも、ボーカルがある音楽だったらボーカルを目立たせたいし、そのアーティストが表現したいサウンドとまず向き合って、ドラムでどうアプローチするか、ですね。できればそこに少しだけ、自分らしさを出せればいいかなと思っています」
今回の『GOTO Festival』においては、自身のドラミングもさることながら、登場するバンドの個性は幅の広さを感じてもらいたいとGOTOは語る。
「9バンドとも僕が叩いているということは、僕以外が全部変わるわけじゃないですか。すると音楽性もこんなにガラッと変わるんだ、というところが一番の見どころです。つまり、僕が関わっているバンドの人たち、みんなセンスの塊だし、変人だし(笑)、とにかく一緒にやっていて飽きないんですよ。だから、このイベントのあとも、みんなと楽しくやっていければそれがベストですね」
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