“芸人YouTuber”ガーリィレコードチャンネル、クラスの四軍が到達した100万人の領域
2017年、芸人YouTube戦国時代前夜に産声を上げた『ガーリィレコードチャンネル』。メンバーは空気階段やオズワルド、コットンら実力者がそろう東京NSC17期生出身の4人。彼らが戦いの場に選んだのは、劇場やテレビではなく、ネットの世界だった。
しかし、彼らの快進撃は凄まじく、モノマネ、爆食、深夜のテンション、気配斬り、ミット持ちシリーズなど、数々の動画がヒット。そして今年10月には、チャンネル登録者数100万人を突破した。
今回、主に撮影場所に使われている太郎の部屋にてインタビューを実施。動画が生まれる経緯やチャンネルのカラーを聞くなかで、作品が誕生する瞬間にも立ち会えた。
ガーリィレコードチャンネル
お笑いコンビ・ガーリィレコードの高井佳佑、フェニックスと同期の芸人・雨野宮将明、太郎によるYouTubeチャネル。2017年ごろから本格的に動画投稿を開始。モノマネ動画や「深夜のテンション」シリーズ、彼らが発案したゲーム「気配斬り」などで注目を集め、2022年10月3日にチャンネル登録者100万人を突破した。
四軍の底力
──“編集なし”のホームビデオ動画として人気を博し、いよいよ登録者100万人目前です(インタビューは9月下旬に実施)。ここはひとつの到達点として目指していたんですか?
高井 僕は通過点ですらないと思っています。もともと1億人を目指していたんで「あ、そうか、へぇ~!」という感じ。まだプロローグ。1000万人でようやく意識する感じですね。
フェニックス 1万人くらいのときから言ってたもんな(笑)。
──対する3人は?
太郎 めちゃくちゃうれしいです(笑)! だって100万ってすごいですよ!?
雨野宮 実は“そんな感覚じゃない”というのは僕らにあって。規模でいうと多くても10万人。それで満足でした。僕ら見た目でいうと、(スクールカーストで)めちゃくちゃ四軍じゃないですか。(100万人は)四軍が教室の隅でワチャワチャしていたら、クラスの一軍から「お前ら文化祭のステージに出ろよ」と引っ張り出された感覚です。
太郎 確かに100万人登録いるYouTuber史上、一番“っぽくないヤツら”かもしれないです。
──ここまで登録者が増えた要因を自己分析するなら?
高井 これだけ日本に“四軍の人たち”がいたからなのかなと思います。
フェニックス 10万人のときから(伸びた)要因ってわかってはいないもんね。
太郎 そうね。みなさんがついてきてくれてありがたいです。
編集はやらないんじゃなくてできない
──動画の内容はどうやって決めているんですか?
フェニックス 週に何度か集まって、ニュースだったり、YouTubeで急上昇のものだったり、ざっくり話して動画を撮っています。
太郎 新垣結衣さんと星野源さんが結婚されたときも、昼間にニュースが出ていたので、その日に撮って、そのまま出しました。テレビで観ていて「祝おう!」って(笑)。
──スピードも大事にしている部分なんですか?
雨野宮 スピードが遅い動画はおもしろくないですね(笑)。考えずに勢いで出しちゃったほうがいい。
高井 編集もしていないからすぐに出せるんですよね。ほかのYouTuberの方と比べると、鮮度あるものを出せる。そこがウリなのかもしれないです。
──確かに“編集なし”の動画がチャンネルのカラーになっているような気がします。
雨野宮 でも、それは皆さんが広めてくださったおかげなんです。
高井 (編集)できないだけなんでね。
雨野宮 実は、今も編集はやらなきゃって思ってます。
フェニックス (笑)。諦めてはいないよね。(編集ソフト)Adobeっていうんでしょ?
雨野宮 Adobe(アドビ)って読めるようになったの最近だもんな。
太郎 あれを読むのはムズイよ〜(笑)!
雨野宮 単純にこのやり方で始めちゃって、それがうまくいってくれて、視聴者の方に観ていただけた……という経緯があるので、変え方も知らないというか。“貫く”美学になっていますけど、それしかできないからやっているだけなんです。
──撮影はどのようにされているんですか?
フェニックス たとえばキャラクターもの(高井はモノマネが得意で、アーティストやアニメのキャラに扮することが多い)だったら、高井に「こんなことをやってくれ」とわりとざっくりした感じでお願いすることがあります。高井はそっちタイプ。終わりを決めてもヒットは打てるんですけど、決めないほうが場外ホームランが出やすい。
高井 しっかり決めると、めちゃめちゃ噛むんですよね……。
太郎 それあるんだよな~(笑)。