“鼻を食べる時間” かが屋と白武ときおの「エロ自由律俳句」第3回


目で写真を撮りたい白武の句

いやぁいいですね〜。

今、エッチなことが、素敵なラッキーなことが起こっている。これを目で写真を撮って、あとで脳内で再現できるかっていうのを心配しちゃうんですよ。

それすげぇいいなぁ……。

それで言うと、僕は「日記にどう書くか」ってめっちゃ考えますね。あと、自分がしたよいことも思い出したいです。

自分がしたよいこと?

してあげた?

そうですね。え、ないですか?

手応え的なことですか? その考え方は1回もしたことないです(笑)。

え、ほんとですか? 全部とっておきたくないですか? 絶対に違うことをしたいですし。

ほかの人と?

いや、前回までの自分と。自分のハイライトを記録したいみたいなのがあるんですよ。「あとで思い出したい」っていうのは確かにありますよね。いやぁ、詩的だったなぁ。

賀屋、天井に届きそうな勢いの句

じゃあ賀屋さんいきましょうか。

はい。では僕のひとつめですね。

これはすごいことですね。

これはどういう……?

もしかして何も介するものがなければ、今のやつは天井についたんじゃないかっていう句なんですけど。それくらい強く発射したぞっていう(笑)。こんな稚拙なやつでいいんですかね……?

僕は女性の絶頂で、と思ってました。潮というか。解説を聞くまでは。

あ〜なるほどなるほど。それも全然ありです。

ハッピーな句ですね。

幸せなピロートークって感じだね。

「今これ飛距離すごかったんじゃない?」って。

計測できてないけど。

ドライバーで打ったんじゃないかっていうような。

芯食ったんじゃないかっていう。ほんとにくだらない句なんですけど。  

耳はずっと食べていられる加賀の句

いいですね。ちゃんとみんな違うテイストになってきました。じゃあ次、僕の。

これはいいですね〜。

いいですね。

「鼻を食べる時間」っていうのがこの世にはあるんですよ。

(笑)。

生涯でどれくらいあるんでしょう? 30分もないですよね。

鼻食べるのがすごく好きとか、食べられるのが好きとかではないと思うんですよ、みんな。でもあると思うんです、鼻を食べる時間っていうのが。

僕の前の恋人は鼻を食べられるのが嫌いだったんで、その期間は鼻食べてないですね。鼻を食べられないシーズンでした。

(笑)。すごいひんやりしてるときありますよね、相手の鼻が。

メイクしてると食べられなかったりしますよね。相手も気を遣うだろうし。

食べてるときはけっこう冷静なのかな?

それで思ったのは、今はすごいテンションが上がってて鼻を食べてるけど、ふと一瞬だけ我に返ったり鏡に映ったりしたときに「あれ?」って。

「なんで鼻を食べてるんだろう?」ってね。

その前にもいろいろあって、いろんな点と点がつながって線になって「鼻を食べてる」って状況になったんだけど、ふと我に返ると、なんでこうなったのか思い出せないんですよ。

「どうして鼻を食べたんですか?」って聞かれても答えられない。

取り調べを受けても、そのいきさつは説明できない。

「魔が差した」としか言いようがないよね。でも耳なんかはね。

耳はもう食べるためにあります。

耳はずっと食べててもいい。

費用対効果もいいし。

コスパで考えたことはあんまりなかったですけど(笑)、確かにそうですね。

いろんな時間がありますよね。

すごいびっくりしたときの、加賀の句

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原 航平

(はら・こうへい)ライター/編集者。1995年生まれ、兵庫県出身。映画好き。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』『キネマ旬報』『芸人雑誌』『メンズノンノ』などで、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。 縞馬は青い

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