安彦良和、自らのルーツと「描くこと」の現在を語る─最新作『銀色の路』から、アニメ制作に懸ける新たな決意まで【安彦良和 マイ・バック・ページズ特別編】
文=石井 誠 写真=松崎浩之
2025年11月18日(火)より東京・渋谷の松涛美術館で回顧展『描く人、安彦良和』が開催中で、『週刊ヤングジャンプ』誌上では『銀色の路―半田銀山異聞―』を連載中の安彦良和さん。
太田出版から発売中の『安彦良和 マイ・バック・ページズ』も発売から5年を経て、4刷目の重版も出来した。回顧展『描く人、安彦良和』での販売用サイン本のお願いと合わせて、近況に関するインタビューを敢行した。
※この記事はCONTINUE編集部が制作、寄稿する特別企画です
目次
安彦さんのルーツに関わる、福島・半田銀山をもとにした作品
安彦良和
1947年生まれ。北海道出身。1970年からアニメーターとして活躍。『宇宙戦艦ヤマト』(74年)、『勇者ライディーン』(76年)、『無敵超人ザンボット3』(77年)などに関わる。『機動戦士ガンダム』(79年)では、アニメーションディレクターとキャラクターデザインを担当し、画作りの中心として活躍。劇場用アニメ『クラッシャージョウ』(83年)で監督デビューする。その後89年から専業漫画家として活動を開始し、『ナムジ』『神武』などの日本の古代史や神話をベースにした作品から、『虹色のトロツキー』『王道の狗』など日本の近代史をもとにしたものなど、歴史を題材にした作品を多く手掛けている。2001年から『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の連載をスタート。10年にわたる連載終了後、アニメ化。2022年には監督作『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』も公開。現在『週刊ヤングジャンプ』にて『銀色の路-半田銀山異聞-』を連載中。また2022年6月にスタートした回顧展『描く人、安彦良和』は現在、東京渋谷の松涛美術館にて開催中(2025年11月18日(火)~2026年2月1日(日))。
──まずは現在『週刊ヤングジャンプ』誌上で連載中の安彦さんの最新作となる『銀色の路―半田銀山異聞―』についてうかがえればと思います。本作はどのようなきっかけで連載が始まったのでしょうか?
安彦 説明するとちょっと長くなるんだけどね。俺の兄貴が十何年か前に、出張の途中で福島に行って「安彦家」のルーツをちょっと調べたことがあるんです。もともと暮らしていた福島県の桑折町に行って、いろいろ家系について調べて、それをまとめた文章を兄弟親戚に配った。それをきっかけに、安彦家のルーツをいろいろと知ることができた。
それ以前の子どもの頃に祖母から、曾祖父は北海道に来る前は福島の半田銀山で絵図面師をしていたなんてことは聞いていたけど、実際にはどんなところなのかは全然知らなかった。兄貴が現地に行ってみると「安彦=あびこ」という名字の人がたくさんいることがわかったんです。「安彦」の読みは本来「あびこ」で、それがいつの頃からか、どんな理由からか「やすひこ」になった。それは聞かされて知っていたんだけどね。
それ以外にも『クラッシャージョウ』でアルフィン役を演じてくれた佐々木るんさんがその桑折町の隣町の出身で、彼女からも同じようなことを聞いていまして。そんな中、2023年に福島市で『機動戦士ガンダム THE ORIGIN展』が開催されることになって、会場に行ったついでに近くだからと曾祖父が働いていて、祖父が生まれたという半田銀山跡に行ってみたんです。
──現地に行ったことが連載に繋がったわけですね。
安彦 そうしたら、るんさんの前宣伝が効いていて、日曜日だったのに役場の方々や町長さんはじめ出勤してくれていて大歓迎されて。「ガンダムファン」の人がとにかく多いんですよ。そこで、町のために小冊子を作るからそこに短いマンガを描いてほしいと言われて、引き受けちゃったんですよ。
そのときは、半田銀山をネタにした短い話だけを描くつもりだったんだけど、その話を『機動戦士ガンダム』関係で取材に来たことがある『ヤングジャンプ』の若い編集者がどこからか聞きつけてきて、それまで集英社との付き合いなんてなかったのに「そのマンガ、うちで描きませんか?」と。「週刊ペースで描くのは無理だよ」って言ったら、隔週連載でいいとも言ってくれてね。
もともと町の予算を割いてやろうと思っていたマンガが全国誌で掲載されることになったわけだから、地元の人はそれで納得してくれると思っていたんだよね。ある意味、発展的な解消というか。ところが、町の方からは「それはいいお話ですね。ところで、うちのほうはどうなりますか?」と(笑)。

──なるほど。もともとは町の記念としてやる予定の内容が『ヤングジャンプ』で連載が決まったものの、それとは別に半田銀山のある桑折町のためのマンガも描かなければならなくなったわけですね。
安彦 そう。「町制施行70周年事業のひとつ」だったそうで、それははずせないと。るんさんからも電話があって、桑折町のほうのマンガは描けないというような話をしたら、それに対して「安彦さん、冷たいんですね」と言われてしまって。とは言っても、ひとつのネタからふたつの話なんか描けるわけないし、少しキツイやりとりになっちゃった。でも、その後少し考えているうちに「やっぱり冷たいのかな」と思えてきて(笑)。ふたつの話を作るにはどうしたらいいかと結構頭を捻って。
結果的には、俺の家系にまつわるプライベートな話を桑折町から出す『半田銀山昔語り』に描いて、エンタメっぽいものを『ヤングジャンプ』でやろうと。それで「やれるかもしれない」と思った。そう言ったら桑折町の人もダブルで喜んでくれたし。結果的には良かったかな。
──桑折町でしか買うことができない、町制施行70周年の冊子に掲載されている『半田銀山昔語り』はエッセイマンガ的な内容になっていて、さらに安彦さんの家系のことが描かれていてとても面白かったです。いわゆる日常のことを切り取ったエッセイ的なマンガは、たまに4ページくらいで描かれることは多いですが、これくらい長いものは珍しいですね。
安彦 こんなのはあんまり描かないでしょう。
──近しいものと言えば、『虹色のトロツキー』の後半に描かれていた取材記みたいなパートくらいですよね。
安彦 『半田銀山昔語り』は町から出すということで、いろんな資料写真とか昔の自分のマンガのページとかも載せていて。俺としては、こんなの人に買ってもらっていいのかしら……と結構悩みも多かったんだけど(笑)。とにかく、『ヤングジャンプ』のほうも楽しんで読んでもらっているみたいだから、そっちもきちんと終わらせられるといいなと。

──連載中の『銀色の路』はどのように物語を考えていったのでしょうか?
安彦 『ヤングジャンプ』なんてメジャー誌に載せるんだから、ちゃんとしたエンタメにしなくちゃいけないと思ってね。半田銀山には有名な実業家の五代友厚が絡んでいたから、それを中心のネタにすれば全国区に向けた話になると思った。
五代友厚というのは、これまで「悪徳商人=政商」のイメージがあったんだけど、彼が設立した大阪市立大学(現大阪公立大学)の関係者の方々が一生懸命、名誉回復のために活動しておられる。特に一昨年亡くなられた同大教授の八木孝昌先生の大著『新・五代友厚伝』を読んだりすると「ああ、なるほど」というところが多かった。
──「開拓使官有物払い下げ事件」で私服を肥やしていたというようなイメージですね。
安彦 俺は朝ドラも大河も観ない主義だから知らなかったけど、朝ドラ(NHK連続テレビ小説『あさが来た』2015年)や大河ドラマ(『青天を衝け』2021年)で明治時代の経済に大きな影響を与えた偉人として描かれていて。「東の渋沢・西の五代」って存在だったらしいね。三浦春馬くんが五代を演じた映画(『天外者』2020年)は知人にすすめられて観たんだけど、改めて「ああ、五代は絵になるな」と。じゃあ、五代を主役にして、俺のルーツの話は脇に置いて話をつくればいいんじゃないかと思ったんだよね。
──安彦家のルーツに関わることも、本編でちょっとだけ描かれていましたね。
安彦 ええ、ちょっとだけ。あそこに出ていて、泣いている赤ん坊が俺の祖父(じい)さんなんです。時期的にはちょうど生まれた頃なんだよね。だいたい、これまでひいお爺さんの名前すら知らなかった。絵図面描いてたってことは知っててもね。俺のルーツなんて、そんなものでいいんじゃないかって。
──物語の舞台となるのは明治ひと桁の頃で、戊辰戦争の影響がまだ色濃く残っている時代ですよね。同じ明治を舞台にした安彦さんの作品である『王道の狗』は明治20年代から30年代を描いているので、また雰囲気が違いますね。武道家の武田惣角もまだ若い姿で出て来ます。
安彦 武田惣角は年代的にはちょうどあれくらいの年齢で。会津の出身だから半田に行っているかどうかはわからないけど、お話に出してもおかしくない。『王道の狗』のときのは完全に作り話だから。明治20年の頃にはまだ北海道に行ってない。
──今回は、現地取材も結構されているんですよね。
安彦 ええ。現地の神社を本編の中で出すにあたって、これは実際に行かなくちゃ……って思って。向こうであったイベントへの参加に合わせてロケに行きました。そのときに郷土史に明るい町の学芸員さんがガイドに付いてくれて、自分だけでフラッと行ってもわからないまま終わってしまうことをいろいろと教えてもらうこともできた。
福島に限らないんだけど、北海道人から見ると歴史の濃さを改めて体感したね。やっぱり内地の歴史は深いなあ、と。そういうことを知れるのも含めて、現地には行ってみるものだね。

──『銀色の路』は短期集中連載とのことですが、予想よりも連載は長くなっている感じですか?
安彦 そうだね。連載は今年の2月くらいに終わる予定で進めています。コミックスもたぶん、上下2巻くらいになるんじゃないかな。「1巻で終わります」って始めたんだけど。読んでくれているみなさんには、もう少し付き合ってもらえればいう感じですね。
17年ぶりとなるヨーロッパでのコミックコンベンションへの参加
──安彦さんの近況で言うと、最近はベルギーの首都ブリュッセルで開催されたコミックコンベンション「MADE in ASIA 2025」にゲストとして出席されていましたね。安彦さんは海外のコンベンションはあまり参加されていないような気がするんですが……。
安彦 たいへん丁寧な招待状をいただいてね。さすがに無視することはできないなと。海外のコンベンションは2008年にバルセロナで開催されたのに参加したことがあるけど、それ以来だからかなり久しぶりになったね。そのときは「バルセロナ?」「スペイン!」「行きたい!!」って。特別だった。
──なにか呼ばれるきっかけがあったんでしょうか?
安彦 ベルギーの「VEGA」という出版社から『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の翻訳版が発売されるということで、その出版社から声をかけてもらったので。どうなんだろうと思っていたんだけど、行ってみたらとても大規模な会場で。
ブリュッセル・エキスポって場所なんだけど、かつてベルギーで国際万博を開催したときに使った建物を壊さないでコンベンションの会場に使っているんだけど、会場がとにかく大きい。会場の向かいには万博のときに造られた原子核の形をしたシンボルタワーが建っていて。中はリニューアルしてレストランなんかにして、いまだに使われている。そんな場所でやっているコンベンションでね。そのブリュッセル万博がいつ開催されたのか知らなくて、帰ってきてから調べたら1958年だったんだよね。
──随分と昔ですね。
安彦 そうなんですよ。その頃から残っているってことは、それくらい当時の万博の力はすごかったということなんだろうね。だから、建物も古くて。ドイツの第三帝国風というか、すごくアナクロな建物で、結構使い込んだ感じなんだよね。
そこの2階がレストランなんだけど、そこを関係者スペースとして抑えて。窓の外を見るとちょうど来場者が来る様子が見えるようになっていて。そこに続々とコスプレした人が集まって来る。あんまりそういうの国内でも見てないから面白かった。
──そういう意味では、規模がかなり大きいんですね。
安彦 ヨーロッパのコミックコンベンションと言えば、フランスの「JAPAN EXPO」が大きいらしいけど、規模的にはその次くらいの大きさみたい。だから、ブリュッセルはヨーロッパのオタクの拠点のひとつだったりするんだろうね。ただ、今回は俺の他には日本の作家は呼ばれてなかったみたい。アメコミのブースとかはあったけど。
──向こうではトークイベントとサイン会をやられたとのことですが、ヨーロッパのファンの反応はいかがでしたか?
安彦 やっぱり『ガンダム』のファンが多かったね。年齢もちょっと高めで、子どもは珍しいという感じで。驚いたのはタトゥー入れてる人が多いこと。お腹とか腕にガンダムのタトゥーの立派なのを入れているの見せてくるんだけど、あれは一生ものでしょ? そんなものを一生付き合う形で入れちゃっていいのかなって思うんだけど。
──SNSで公開された写真を見ると、ランバ・ラルとハモンなどのコスプレをした方もいらしてましたね。
安彦 向こうの人にコスプレをやられちゃうとやっぱり敵わないよね。「どうしよう、本物が来ちゃった」という感じで。髭とか金髪とかに違和感がないからね。日本人だとああはいかない。「この人、絶対に教養がある偉い人なんじゃない?」って思うような人が、アニメのキャラクターの格好をしてきて。それでサインをくださいって来てくれるんだから変な気持ち。
──世界の向こう側のファンが喜んでくれたのは、なんかすごくいい話ですね。
安彦 わざわざ地球の裏側まで行ったわけだけど、まあ、行って良かった。
──安彦さんの作品は、向こうで言うバンデシネに近い、絵画的な雰囲気があるので受け入れやすい空気はあるのかもしれないですね。
安彦 向こうで出版される『THE ORIGIN』の翻訳版はこちらでいう愛蔵版と同じ仕様なので、カラーもそのまま掲載されているんだけど、カラーのページがあるのは向こうの人には嬉しいのかなって。とにかく、コンベンションは盛況だったと言ってもらえたから、良かったなと。でも、海外のコンベンションはもうたぶん行かないだろうな。
『原点 THE ORIGIN』の文庫化と共著者・斉藤光政さんへの思い
──もうひとつトピックスとしては、安彦さんと斉藤光政さんの共著書である『原点 THE ORIGIN 戦争を描く、人間を描く』の文庫版が岩波現代文庫から発売されました。
安彦 『原点』の単行本がもう絶版になっているから、それを文庫にしてくれということを斉藤さんが岩波書店の方に強く言ってくれて。それが叶っての文庫化なんだけど斉藤さんが発売を前に亡くなられてしまって。
──斉藤さんが亡くなられたというのは、文庫版が出たタイミングくらいで知ったんですが、文庫化の話が進んでいる間はやり取りをされていたんですか?
安彦 文庫の話が来て、また斉藤さんと会えるなと思っていたんだけど、そうしたら斉藤さんから腰が痛くて入院したという連絡がきて。最初は雪かきを頑張ってぎっくり腰でもやったんだろうなんて思っていたんだけど、そうしたらそういうレベルじゃなくて。癌が転移していたらしくて。結局、相当進行していて手の施しようがない状態だったらしくて。
──文庫に掲載されているあとがきが絶筆になってしまったわけですね。
安彦 あとがきに描いたマンガは読んで喜んでもらったんだけどね。
──斉藤さんは、回顧展『描く人、安彦良和』にはいらっしゃれたんですか?
安彦 いや、見てもらえなかった。亡くなる前に電話で一度だけお話できたくらいで。本当に押しの強い人でね。新聞記者だからもともと押しは強いんだけど。そのときに「安彦さん、やっと弘前大学に復讐できたね」って言うんだよね。過激だなって。そんなに根に持ったりしていないって言っていたんだけど。
──この本があったおかげで、もう1回弘前のほうにうかがうことができたんですよね。
安彦 取材にも行ったね。もう10年近く前になるけど。この本がなかったら、あそこには行ってなかっただろうし。そんな怨念みたいなものはなかったんだけど、行けばやっぱり懐かしいし。人に会えたりもするし。とりあえず、斉藤さんの念願だった文庫化はできて良かったなと。
回顧展の東京開催についてと今後の活動について
──それから、やはり欠かせない話としては、回顧展『描く人、安彦良和』がついに東京で開催されますね。
安彦 渋谷の松濤美術館でやっていただくことになって。これで兵庫、島根、青森、北海道の苫小牧と釧路に続いて6会場目になります。その後は新潟県の長岡が決定していて、さらにもうちょっと続くらしいです。
いろんな地方を回ってもらっていて、これまで関西、山陰、東北、関東、北海道、北陸ときたから、このあと九州と四国で開催されれば全国制覇になるなんて言ってる(笑)。そうなればいいなと思っているけど、難しいところもあるかな。
──そうなると日本全国のファンが足を運ぶ機会が得られるわけですから、九州や四国でも開催されるといいですね。この後も続くということであれば、3年にわたる長期巡回展になるわけですが、それはすごいことだと思います。
安彦 この展覧会は、前の県美3ヶ所の後は主に市や区の美術館でやらせてもらっているんだけど、区長さんとか市長さんが世代的にガンダムファンという人が多くて。「子どもの頃からガンダムが好きで」と展示もしっかり見てくれたりしていて。そういう方々の協力も大きいね。
──東京での開催に合わせたトークイベントはアニメーション監督のりんたろうさん、漫画家・評論家の小林よしのりさんですね。
安彦 「誰か会いたい人はいないか?」と希望を聞かれたので、おふたりとも俺のほうからお願いして。小林よしのりさんは以前にもジュンク堂で一緒にトークイベントをやらせてもらって面白かったので今回もお願いした形で。りんさんは同じ業界なので身内みたいなものだから。
りんさんが一昨年ご自身のアニメの仕事のことをマンガで描かれて(河出書房新社『1秒24コマのぼくの人生』)、それで手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞されたんだよね。その前にりんさんの『メトロポリス』(2001年)を観たんですよ。それを観て「これはすごい」って驚いてね。こんなの作っていたんだと。
りんさんは、いわゆる作家という感じではなくて、職人的にいろんな仕事をしっかりこなす方というイメージが強い。だから、業界の先輩としては尊敬しつつも、個性の強い作り手としてはどうかな……と思っていたんです。それが『メトロポリス』を観たら、そんなりんさんに対する考え方がガラっと変わってしまって。自伝のマンガも面白かったし、これはじっくりと話がしてみたいなと。ただ、アニメ業界の内々の話にはなりそうなので、誰が聞きたいのかなとは思ったりするんだけどね。
──トークイベントも観覧希望者が多くて競争率が高かったということなので、注目度が高いようで何よりですね。
安彦 そうだね。せっかく東京での開催なので、これまで会場が遠くて見に行けなかったという方には、ぜひぜひ観に来てほしいという感じです。松涛美術館もとても素敵なところなので。
──『銀色の路』も今年前半でひと段落しそうということですが、今後に関してはいかがですか? 今後もマンガを描かれたりとかされるんですか?
安彦 マンガはもうこれで終わりだと思うけどね。最後の長期連載と言っていた『乾と巽』の連載が終わった後に「またちょっと何かあれば」みたいなことを言ったら、こうなってしまったから。でも、たぶんもうお終いかな。
──それはファンとしてはちょっと残念ですね。
安彦 今後はどうなるかわからないんだけど、いまはもう1本アニメをやりたいなという思いがあって。いまはいろいろ手一杯だから急いでいる感じではないけど、ただもうデッドラインがどうしても近付いてくるから。自分のアニメのスキルはどの程度か、「ガンダム限定」をはずして一度確かめたい気がしている。
──まだまだ構想段階ということで、これからということなんですね。いまだと企画から映像化まで3、4年かかることは普通だったりしますからね。
安彦 そうなんだよね。「そんなに長く生きてないよ」って言ってるんだけど、アニメ業界には元気な先輩がたくさんいるから、そんなことも言ってられない(笑)。富野由悠季氏はもちろん、りんさん、高橋良輔さんなんかがまだまだお元気だからね。
──安彦さんもまだまだお元気だと思いますが。
安彦 でも、最近は自分ではまっすぐタテ線を引いたつもりが、必ず右にちょっと傾くというのがあって。そういうことは昔はなかったから、これは歳のせいかしらって。そんなこともあって。
──なるほど。とは言え、まだまだお元気なので頑張ってほしいところです。アニメのお話がうまく進むことを期待しつつ、『銀色の路』の単行本化も楽しみにしています。
安彦 ありがとうございます。もうちょっと頑張りますのでよろしくお願いします。
『安彦良和 マイ・バック・ページズ』

著:安彦良和、石井 誠
発売日:2020年11月25日
価格:2,420円(税込)
ページ数:544ページ
サイズ:四六
発売元:太田出版
『安彦良和 マイ・バック・ページズ 「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」編』

著:安彦良和、石井 誠
発売日:2023年1月25日
価格:1,980円(税込)
ページ数:224ページ
サイズ:四六
発売元:太田出版
関連記事
-
-
ケビンス×そいつどいつが考える「チョキピース」の最適ツッコミ? 東京はお笑いの全部の要素が混ざる
よしもと漫才劇場:PR -
「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターの廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現
廣瀬祥子(現代美術家)/ひろせ(イラストレーター):PR -
パンプキンポテトフライが初の冠ロケ番組で警察からの逃避行!?谷「AVみたいな設定やん」【『容疑者☆パンプキンポテトフライ』収録密着レポート】
『容疑者☆パンプキンポテトフライ』:PR -
『FNS歌謡祭』で示した“ライブアイドル”としての証明。実力の限界へ挑み続けた先にある、Devil ANTHEM.の現在地
Devil ANTHEM.:PR




