ロングコートダディ堂前透、ニッポンの社長・辻らを中心に6人の芸人で結成されたバンド・ジュースごくごく俱楽部。活動当初から“芸人のバンド”ということはなしでやっていきたかったという彼らは、自ら売り込みをしてライブハウスに立ったり、自分たちでライブを主催してバンドとしての実力に磨きをかけてきた。
そして、2025年7月19日(土)、20日(日)には、音楽と笑いのフェス『DAIENKAI 2025』にオープニングアクトではなく、イチアーティストとして出演する。本格的に活動を開始して5周年を迎え、さらに活躍の場を広げるジュースごくごく俱楽部の魅力を紐解く。
ジュースごくごく俱楽部
2020年4月にグループ初のミュージックビデオ「飲み会で喋れない人」と「入玉したいよ」を公開。2022年に愛コーラが加入し、現在の体制に
【メンバー】
Vo.ジンジャエール阪本(マユリカ阪本)、Vo.愛コーラ(山﨑おしるこ)、Ba.堂前タオル(ロングコートダディ堂前透)、Dr.ポイズン反町(シカゴ実業・山本プロ野球)、Gt.辻クラシック(ニッポンの社長・辻)、Kb.あたし(滝音さすけ)

ロックンロールでは、負けていない
これまでジュースごくごく俱楽部は水曜日のカンパネラ、超能力戦士ドリアン、DENIMS、トリプルファイヤー、豆柴の大群とさまざまなアーティストと対バンしてきました。さらに2024年7月のジュースごくごく俱楽部が初めて主催した音楽フェス『ごっくんロールフェス』では、キュウソネコカミ、ヤバイTシャツ屋さん、THEラブ人間と共演。2025年2月にはグループ魂と2マンライブもありました。バンドからソロアーティストやアイドルまで、かなりジャンルレスですよね。
たしかにそうですね。
誰とやっても得られるものが多いしね。
あたしら主催のライブが多いので、対バン相手の方は先に出ていただくことが多いんです。そしたらジンジャエールが(対バンするアーティストの)ライブを観て、いつもビビってるんですよ。
プロのあとに出ていくのが嫌すぎて。ほんまに盛り下がってくれ、と思うんですよ。このあとに出ていくのはキツイなって。
でも、それが刺激というか「自分らもやらな」といいプレッシャーになるよな。対バンではないけど、あたしとジンジャエールと辻さんの3人で、おとぼけビ〜バさんのライブをお客さんとして観に行きまして。
あったあった!
そのときのあっこ(りんりん)さんのパフォーマンスを見て、ものすごい吸収したもんな。
まだ、僕がステージ慣れしてなくて、棒立ちで歌っていた時代にライブを観に行って「普通に歌うだけじゃあかんねや」とめちゃくちゃ刺激になりました。それこそ初めて観たバンドのライブが、おとぼけさんやったかもしれないですね。
あ、そうなんや!
圧巻というか、あまりにすごくて口開けて観てました。
数々の対バンを経験したことで、ジュースごくごく俱楽部の強みが見えたところはありますか?
区別できた部分はあるかもしれないですね。キュウソやヤバTと盛り上げ方とは違うから「俺らは俺らの盛り上げ方をするべきなんやな」って。
マネをしても仕方ないしね。吸収もしますけど、自分らはどうやっていくのかを対バンを通じて学んでいってるなと思います。
技術的にはまだまだがんばっていかなあかんですけど、ロックンロールという意味では、あたしは負けてないなと思いました。自分らのかっこいい音楽はできてるから。
すごいやん!
ボーカルとしてはどう?
正直言うと「芸人をやってるから、こんな人すごいらとやらせてもらってるんやろうな」ということに、ちょっとした申し訳なさもあって。まだ、そこまでの自信がついてないですね。「その分、がんばらんと」っていう意識が強いかもしれないです。
最近のジンジャエールはいいけどな。
阪本さんの成長具合はすごいんですよ。
ははは! 上から。
どこから入ってきてんねん。
阪本さんはようやってるぞ、と。
私が発声練習をしてたら、横でマネしてくれるようになって。
アホみたいやんけ!
偉いよな。
偉いです。
がんばり屋さん!
がんばり屋さん、ってなんやねん。
対バンされたアーティストから、アドバイスや励みになることは言われました?
THEラブ人間の金田(康平)さんは、よう褒めてくれますよね。
金田さんはあたしと一緒に住んでるのもあって、ちょくちょくライブも観に来てくれて。そのたびに「あそこが良かった」と言ってくれるんです。
浪漫革命の藤澤(信次郎)くんも「ほかのバンドにないことをしてるので、めっちゃいいですね」と言ってくれます。
みんな「芸人やのに、ようやってる」みたいな褒め方じゃなくて、イチバンドとして見てくれるから。それがめちゃくちゃうれしいですね。
ボーカル・ジンジャエール阪本としての成長
ジュースごくごく俱楽部は、これまでフルアルバム2枚や配信曲をふくめ、数多くの楽曲をリリースされてきました。どの曲にも共通している部分というのは……何がありますか?
いや、それはそっちが見つけてくださいよ(笑)! 「僕はこれだと思うんですけど」でくると思った。
はははは!
共通点でいうと、すべての曲を辻さんが作ってることですね。
ほんまに古くさいようなことを、音楽でやろうとはしてますね。
土台にあるのはオールディーズなブルースやロックンロールですからね。
それが好きなのもありますし、時代の流れを読んでヒットを狙いにいくのは無理なんでね。それやったら、あんまりやっている人が少ないブルースを打ち出していくのがいいかな、と思ってます。山﨑が入ってから、それがやりやすくなりましたね。
華やかやもんな。
引き出しが多いです。
カズー(アフリカで生まれた膜鳴楽器の一種)がすごいんですよ
そう! 「カズーのソロフレーズを考えといて」と言ったら、めっちゃかっこいいのを作ってきてくれる。
うれしい! 子供のころから音楽をやっていたので、それが活きてるのかなと思います。阪本さんとは全然違いますね。
……つまらんなぁ。
あははは!
ジンジャエールが音楽を始めたのは最近やもんな?
そう考えると、めっちゃ成長してる。
僕はJ-POPとかアイドルしか聴いてなかったんで、歌い方がわからへんときはめっちゃあります。ブルースとか聴いたことがないし、(ジュースごくごく俱楽部の音楽は)幅が広いんで「どうやるんやろう?」みたいな。なんか古い動画とか観せてもらって「なるほど、こんな感じか」と。
ステージングの参考やヒントにされた方はいますか?
衝撃を受けたといえば、おとぼけのあっこさんですね。で、もともと好きなのはB’zの稲葉(浩志)さん。まあ、全然違いますけどね。ただただ好きなだけです。
グループ魂さんもね?
あ、そうです。グループ魂さんも普通に好きでしたね。
DVDも観てたもんな。
そうですね。阿部サダヲさんがすごい好きで。
俳優・阿部サダヲとグループ魂・破壊のときで、まったく違うスイッチを入れているように、阪本さんも「芸人・阪本」と「ジュースごくごく俱楽部・ジンジャエール阪本」ではテンションが違いますよね。
昔はもっとキャラが入ってたよな。
最初は、今よりもっとカリスマキャラな感じを出してて。
MCもコントっぽくしてたもんな。
ちょっとね、いろんなことをやらされすぎて「こいつがどんな奴なんか、自分でわからん」みたいになって。
オラオラ系のはずやのに敬語で、しかも一人称が僕だから、ようわからん感じで。
人格がめっちゃ迷子になって。
ただ、対バンのときはまさにスイッチングというか、袖で気持ちを作って「やるしかない」と思いながらステージに上がってる感じですね。
最初は歌いながらどうしたらいいかわからん感じやったけど、今は自然と体が動いてるよな。
全然棒立ちじゃない。
たしかに、今は違いますね。
筋トレをして体力もついたし、かなり変わりましたね。

芸人のファンも沸かす
みなさんは音楽×お笑いのフェス『DAIENKAI 2025』に出演されます。去年はオープニングアクトとして出演されましたが、印象に残っていることはありますか?
当たり前ですけど、あんな大人数の前でライブしたのは『DAIENKAI』が最初じゃないですか?
ホンマやな!
キャパ8000人ですもんね。
今回はオープニングアクトじゃないから、もっと人が集まるよな。
前回は「バンドのお客さんじゃないから、盛り上がるか不安やな」みたいなことを言ってた気がする。でも、本番はみんな楽しんでくれてた。あと、今回も芸人とのコラボステージがあるんですよね?
そこはいろいろ考えんと、ただの芸人のコーナーになっちゃうよな。
金属バットの友保(隼平)さんは、初期のころから曲を聴いてくれてて。「カッコええわ!」と言ってくれていたから、一緒に何かやれたらいいですね。
おもしろいかもね。
なにより芸人のお客さんの中には、バンドの音楽を聴いたことがない人もいるので、ちゃんと聴いてもらえるのは楽しみやな
ネタの場合、デカい会場でやるとドカーンってならないんですよね。笑ってる人と笑ってない人がどうしても分かれるから、狭い会場と比べて爆笑を取って帰る感じはないですけど、バンドではそれがありそう。どうなるか楽しみですね。
まじめに真剣に遊ぶ
ちなみに、ジュースごくごく俱楽部は今年4月で5周年を迎えました。改めてこのバンドどういう場所・存在になっていますか?
私はコンビを解散してピンになったので、自分が属してるメインの居場所という意味では、このバンドがけっこうな割合を占めているし、すごく安心感ありますね。従姉妹の家に遊び行ったぐらいの感覚です。
一個のモノを作るときに、こんなストレスなくとんとん拍子に進んでいくことってないし、全員が同じ目的で作り上げる喜びを味わえてる。「こんな世界もあるんや」という救いっていうか、自分ひとりでがんばらなあかん!っていうことがない。本当に心の安らぎを得られる場所になってますね。
ほんまにそうよな。
一回も殺伐とせえへんもんな。
みんなが自分の意見を持っていて、ちゃんと話し合いができるしな。
仲のいい部活みたいな感じで、ほんまにしっかり青春してるなって。グループ魂さんと『二足の草鞋の回』という2マンをやったように、お笑いもバンドも仕事としてやるけど、バンドのほうがより青春してますね。ずっと楽しいし、常にワクワクしてます。
うん、仕事やけど趣味みたいな。いい意味で仕事感がまったくないですね。それはメンバー的にもそうですし、楽しんでるだけっていう感じです。
僕も真剣に遊べている感じがしますね。仕事にもさせてもらってますけど、みんなが遊びの感覚も持っている。まじめに真剣に遊べてる感じで、すごく楽しいです。
趣味はそれぞれ必要だと思うんですけど、それを発表できてるのが、だいぶ贅沢なことやと思います。趣味ってだいたいね、家でゲームとかして終わりじゃないですか? それをみんなでかたちにできて、定期的に観てもらえることってあんまりないから、めっちゃやってよかったなって思います。
『DAIENKAI 2025』
【開催日程】
2025年7月19日(土)10:00開場/11:00開演開演/21:00終演(予定)
2025年7月20日(日)10:00開場/11:00開演開演/21:00終演(予定)
【会場】東京ガーデンシアター
【チケット席種・料金】
・二日ぶっ通し券:19,000円(税込)
・一日券:9,800円(税込)
※お席はすべて指定席です
※二日ぶっ通し券は二日間とも同席です
※座席位置は一日券より二日ぶっ通し券が優先されます
※未就学児入場不可、膝上の観覧不可、おひとり様1枚チケットが必要となります
<一般販売(一日券のみ)>※FANYチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、アソビュー!
受付期間:5月10日(土)10:00~
決済方法:クレジットカード、コンビニ
公式HP:https://daienkai.com/

6月18日(水)発売の『クイック・ジャパン』vol.178、では、楽しそうだから始めた音楽が仕事になるまでの過程や、仕事になっても変わらないそれぞれにとってのバンドの存在、を語ったアザーverのインタビューを掲載。
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