東京吉本の若手芸人が所属する「神保町よしもと漫才劇場」から、今押さえておくべき芸人を紹介する連載「レコメンド神保町」。前途有望な若手芸人が日々、切磋琢磨しているこの劇場の中でも注目の芸人とは。

第9回は、芸歴2年目ながら賞レースや劇場のバトルライブでも活躍中のボブのコーラ。小学校からの同級生で自分たちの武器は“ノリ”だというふたりに、それぞれのアピールポイントを聞いた。

ボブのコーラ
とあ（2002年5月2日生まれ、千葉県出身）と本田たかお（ほんだ・たかお／2002年9月18日生まれ、千葉県出身）によるコンビ。東京NSC28期出身、芸歴1年目で神保町よしもと漫才劇場に所属。『M-1グランプリ2024』では、準々決勝進出

小学生から築いてきた関係性

──東京NSC28期では最速で劇場メンバーになりましたが、そんなおふたりのコンビとしての武器はどんな部分だと思いますか。

本田たかお（以下、本田）　ネタのノリ感ですかね。煮詰まってなんとか作ったネタより、ふたりで盛り上がって1時間でできたネタのほうがウケます。

とあ　たしかに。僕ら小学校からの同級生なので、学生のときからやってたノリみたいなのが今でもあるかもしれないです。

──だいぶ長い付き合いなんですね。

本田　高校までずっと一緒なんですけど、クラスが違ったりもするので、引きで見たらずっと仲よし、みたいな感じですね。小学生のときから、とあに「しゃがんで」って言われてしゃがんだら、顔の前でおならされて「やめてよ～！」っていうみたいな。ずっと今みたいな関係性ですね。だから、NSCに入ったときも、どっちがボケかツッコミかみたいな話は特になく決まりましたね。

──その関係性があるからこそのノリなんですね。お笑い芸人としてのスタイルも早い段階から見つかった、という感じですか。

本田　見つけたって感じはあんまりないですね。でも、『Jimbochoグランプリ』で初めてトップ10に入ったとき、素敵じゃないかの柏木（成彦）さんが「本田がとあに振り回されてる感じがやっぱおもしろい」って言ってくださって、次もその感じでネタを作ったらさらにランキングが上がったんです。だからちょっと見つけ出してはいるかもしれないです。

──ちなみにおふたりはクラスの中ではどんなキャラクターだったんですか。

とあ　孤高の天才かな～。

本田　自分で言わないけどな（笑）。 とあは休み時間に僕を含めて3人くらいを廊下に集めて、「じゃあ、一回寝っ転がって」とか別におもしろくもないし、ウケないのにやらせてました。「これが見たかった」とか言って。そういうノリがたまに盛り上がってウケるんですけど、そしたら「計算してた」とか言うんですよ。だから、どっちかっていうと、僕のほうが目立ってたのかな。

とあ　たしかに、たかおは明るくて、みんなにイジられて、クラスの人気者みたいな感じでした。その中でもうまくイジってたのが、僕だったっていう……。

本田　まあそうっすね（笑）。

──おふたりはそれぞれ相方のどんなところがおもしろいと思いますか。

本田　とあは圧倒的ボケの人って感じですね。飄々とした雰囲気があるので、何を言ってもボケになるみたいな、それがいいなと思います。

とあ　たかおは声がでかい。

本田　それだけ？

とあ　あと、頭悪くて元気な感じなんで助かります。

本田　いや、もちろん僕のほうが賢いんですよ。高校は同じですけど、3歳からKUMONに通ってたので、小学生のときはめっちゃ頭よかったです。でも、だんだんその貯金がなくなって、気づいたら同じ高校に通ってました。

とあ　勉強だけじゃなくて（笑）。会話とかがちょっとバカっぽくて、それがおもしろいです。

飲み会ばかりの同級生に見せつけたかった

──おふたりとも現在、22歳ですが、まわりの同級生の方たちはおふたりの活躍について、どんな反応なんですか。

とあ　まだ大学4年生の代なんで……どう思ってんだろ？

本田　まわりはお笑いに興味ないんで何も言われないんですけど、本当は今年『M-1』で準決勝に行ってテレビで漫才して、4年間、自分たちが飲み会とかしてる間に、お前らテレビで漫才してるじゃん！って思わせたかったですけどね。

とあ　飲み会だけじゃないでしょ（笑）。

──（笑）。ちなみにおふたりは子供のころ、どんな番組を観てお笑い芸人に憧れを持ったんですか。

本田　『ピカルの定理』（フジテレビ）とかは、こんなおもしろい番組あんの！って釘づけになって観てました。そのときは特に芸人になりたいとか思ってなかったけど、こんなことやれたらおもしろいだろうなって小学生ながらに思ってました。

とあ　僕は『いろはに千鳥』（テレ玉）とか、コンビでロケとかするのは、楽しそうだなって思ってました。

──今はこんな番組に出たい、という目標はありますか。

本田　『SASUKE』（TBS）と『逃走中』（フジテレビ）に出たいです。どっちも本当のテレビスターにならないと出られないじゃないですか。そういうのに出たいんです。

とあ　僕はテレビにめっちゃ出たいとかは今はあんまりないですね。むしろ、舞台にいつまでも立っていたいですね。売れても単独とかは続けたいですし。

今、『妖怪ウォッチ』にハマる理由

──続いておふたりから読者におすすめしたいことを伺いたいのですが、今ハマっているものなどありますか。

とあ　短編映画にめっちゃハマってます。『SAMANSA』っていうアプリで短編映画が観られるんで、 喫茶店に入って4つぐらい観るっていうのをよくやってます。

本田　すごいおしゃれな、なんか寄せてない？（笑）

とあ　しょうがない、ガチで趣味だから。

──ちなみに特に好きな作品は？

とあ　『フィーリング・スルー』はよかったですね。

──本田さんはいかがですか。

本田　僕は今、『妖怪ウォッチ』にハマってます。小6のときに流行ったんですけど、最近、部屋から当時のおもちゃが出てきて、めっちゃ懐かしくなって。当時やってた3DSのゲームをまたやり始めました。3DSは壊れてたんで、新しいの買って。

──3DSを買ったんですか。

本田　生産も終了しちゃってるんですけど、なんとか買いました。

──なるほど……。

本田　マジでやってる人いないと思うんですよ。だから、今、自分しか『妖怪ウォッチ』の魅力に気づいてないんじゃないかっていう優越感もあります。あと、紫が好きなんで、バクっていうキャラクターがかわいいんですよね。

──だから衣装も紫？

本田　そうです。

とあ　僕のはたかおからの指示です。

本田　最初衣装がなくて、私服で持ってた赤い服をとりあえず着て来いって言って。だけどそれがわりと似合ってたんで、そのまま衣装にしました。

──とあさんは特に希望はなかったんですか。

とあ　衣装はもう少し大人っぽいの着たいんですけど、ほかはこだわりとかないので、何か決めなきゃいけないものは任せちゃってるかもしれないです。

本田　コンビ名とかも「なんでもいいよ」って感じだったので、僕が決めました。これどう？って言ったら、いいねとだけ言われてすぐ決まったし、出囃子もなんでもいいって。

とあ　そうですね。特にこだわりとかないので。

やりたいを叶えるライブ

──最後におすすめの公演について伺いたいのですが、おふたりは12月14日に『ボブのコーラ主催「〇〇のあれやりたいライブ」』を開催するそうですね。

本田　主催ライブについては基本、交互に企画するようにしているんですけど、今回は僕が出したやつです。

──どんなライブになるんですか。

本田　バンドがライブの終わりに、ピックをシュッってお客さんに投げるやつとか、ドラマの撮影現場でクランクアップのときに俳優さんがでっかい花束もらってひと言言うやつとかやりたいなと思って。そういうやりたいことを漫才終わりにやるライブです。

とあ　即興でおもしろくしてくれそうな先輩方を呼んでね 。

──11月の主催ライブはとあさんが企画したんですか？

とあ　そうですね、『ボブのコーラがかっこいい大人になるライブ』っていうのをやったんですけど、楽しいだけで終わっちゃいました。

本田　だいぶおもしろくはなりましたけど。

──ライブを主催するのも慣れてきましたか？

本田　いや、主催は毎回けっこう緊張しますね。なんか勝手に、このライブがおもしろいかおもしろくないかは僕らで決まるって思っちゃって……。結局、いつも先輩たちが助けてくれるんですけど。

とあ　けっこう助けてもらってるよね。

本田　あと、今はまだ若いから褒められる機会も多いんですよ。劇場でのバトルライブとか、『M-1』の成績とか全部右肩上がりできてて、落ちたことがないんです。でも、いつか落ちることもあるかもしれないじゃないですか。

とあ　まあね。

本田　だから、そうならないようにがんばりたいっていうのは、ずっと思ってます。

ボブのコーラ主催「〇〇のあれやりたいライブ」
2024年12月14日（土）開場19：45／開演20：00／終演21：00
出演：ボブのコーラ／9番街レトロ／鉄人小町／金魚番長／ゼロカラン
オンラインチケット：1,200円（税込）
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