“クイズ界最強の双子”東問・東言「QuizKnockは自己表現を認めてくれる場」現役大学生のふたりが動画に出続ける理由【QuizKnock 僕たちの現在地】

2024.11.27

文=生湯葉シホ 撮影=松木宏祐 編集=高橋千里


2021年に新メンバーとしてQuizKnockに加入し、2022年にYouTubeに初出演して以来、「クイズ界最強の双子」として視聴者から愛されている東問・言兄弟。

現在発売中の『Quick Japan SPECIAL:QuizKnock「僕たちの現在地」』から、東問・言インタビューの一部を特別に公開。現在のQuizKnockに欠かせない存在となったふたりに、加入直後のことや活動の楽しさを聞いた。

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QuizKnock出演は“案の定”。プレッシャーはなかった

──東問さん・言さんがQuizKnockに入ったのは、動画企画制作メンバーの森(慎太郎)さんに誘われたのがきっかけだったと聞いています。言さんは加入直後のインタビューで「案の定、QuizKnockに出てる」という表現も使っていましたが、動画に出演することは初めから想像していたんですか。

 僕はクイズを制作するチーム、言は企画チームとして入ったので、最初から動画に出ようと思ってQuizKnockに入ったわけではないんですよね。ただ、クイズって出すより解くほうがおもしろいんだよな、とは常々思っていて。

 入ってから半年ほどで「動画に出ないか」と誘ってもらえたので、そういう意味では“案の定”だったっていう。

東問(ひがし・もん)2001年5月31日生まれ、佐賀県出身。東京都立大学経済経営学部経済経営学科在学中。双子の弟である東言とともに中学生からクイズを始め、『高校生クイズ』(日本テレビ)で優勝。2022年5月よりクイズ制作・監修のアルバイトとしてQuizKnockに参加し、YouTube動画にも出演。『クイズほぉ〜スクール』(NHK)にレギュラー出演中

──おふたりは高校生のころから視聴者としてQuizKnockの動画を観ていたそうですが、すでにファンのたくさんいるQuizKnockに入ることへのプレッシャーはありませんでしたか?

 それはまったくなかったですね。

 僕も。よくないことかもしれないんですけど、僕は視聴者心理みたいなものがあまりわからないまま動画に出たので、「問・言が動画に出始めてからQuizKnock観なくなっちゃったな」という人がいることにもあとから気づいたんですよね。必ずしも僕らのことが嫌いとかじゃなくても、チームの変化が肌に合わない人も中にはいるんだなって。

 それは『東大王』のときも同じで。『東大王』はやっぱり伊沢(拓司)さんや鶴崎(修功)さん、水上(颯)さん、鈴木(光)さんが出ていたころの第2シーズンのファンが多いなかで、僕たちはあとから入っているから……。QuizKnockの場合も、同じように「あのころが好きだったのに」という人もいるだろうなというのは、僕はなんとなく想像していました。

東言(ひがし・ごん)2001年5月31日生まれ、佐賀県出身。東京大学文学部人文学科在学中。双子の兄である東問とともに中学生からクイズを始め、『高校生クイズ』で優勝。2022年5月より動画企画のアルバイトとしてQuizKnockに参加し、YouTube動画にも出演中。『東大王』(TBS)への出演などテレビ番組でも活躍している

 コンテンツの人気って、属人的な人気なのか、企画内容や作っているものに対する人気なのかが分かれるところだと思うんですけど、僕たちふたりが何かを評価するときは後者の価値観に基づいていることが多いんです。

だから、新しいメンバーが入ってきたとしても、その人たちがおもしろいことをやってさえいれば、僕らはそれを観たいと思うタイプなんですよね。そういう意味では、プレッシャーみたいなものはQuizKnockに加入するまでもそんなになかったですし、今もないですね。

好きなお菓子作りの動画で、再生回数が伸びるなんて

──問さんは以前、QuizKnockのことを「最高のバ先(バイト先)」とも表現していました。動画に出演することや企画・クイズを考えることはやっぱり楽しいですか?

 うん! 楽しいです。

 今日もルンルンで来ました。実は、僕はさっきまで別の会社でバイトしてたんですけど、「やった、このあとQuizKnockだ!」と思って。

──その楽しさの要因はどこにあるのでしょう?

 ひとつはやっぱり、自己表現という行為を認められているところじゃないですかね。一般的には、多くの業務において自己表現みたいなものってそこまで認められないじゃないですか。

──QuizKnockの場合は、動画出演はもちろん、作問や企画制作においても自己表現が求められている感覚があるんでしょうか。

 うん、まさにそうだと思います。

 だって、いまだに驚いているんですよ。僕らがお菓子とかを作っている様子を動画に撮ってもらって、再生回数が伸びるんだって(笑)。

僕らはただ楽しいからウキウキで趣味のお菓子作りをしているだけなんですけど、そういう自己表現に対して需要が発生して、スポンサードしてくれる人が世の中にいるってすごいことだなと思います。

──QuizKnockは、ステレオタイプな「頭のいい東大生」的なキャラクターが求められる場ではない?

 もちろんQuizKnockにおいても、僕たちに付随するなんらかの属性が評価されている部分はあると思います。「インテリ」であったりとか。でも、それは僕が自然に振る舞ったら結果的にそうなるだけで。

 そういう意味では、僕たちは最初から、動画の中でもかなり素で振る舞っているとは思います。最初に僕らが出た動画って『東大主』だよね。

【東大王リスペクト企画】東大主4th〜馬鹿すぎる問題にクイズ王が本気で答える〜

 うん。あれは「演じる」という建てつけが先にあるんですけど、くだらないことを大まじめにやるというのは、僕らの日常生活におけるコミュニケーションにすごく近いので。

 真顔でふざけるとか、あり得ないテーマで議論するっていうのがそもそも好きなんですよ。高校時代を振り返っても、友達と毎日のようにそういう遊び方をしていたので。

 一度、「飛行機は車か車ではないか」で議論して、「飛行機は車」派が勝ったことあったよね。

 あった(笑)。……ただ、素で出ているとはいいつつ、動画やインタビュー、テレビの僕たちはあくまで問・言の一部分なので、それはわかってもらいたいという気持ちもあります。

 うん。コンテンツの性質上仕方のないことですけど、動画として切り取られるのは実際の振る舞いの10分の1くらいなので。

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現在発売中の『Quick Japan SPECIAL:QuizKnock「僕たちの現在地」』では、東問・言インタビューの全文を公開。QuizKnockメンバーから得た学びや、お互いに対して思っていることを語る。

また、他メンバーのソロインタビューや撮り下ろしグラビア、オフショットなどの特別コンテンツもたっぷり収録。

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生湯葉シホ

1992年生まれ、東京都在住。WEBメディアを中心に、エッセイやインタビュー記事の執筆を行う。『大手小町』にて隔週でエッセイを連載中。 ブログ『湯葉日記』

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