勝因は「3本目も用意」『THE SECOND』初代王者・ギャロップの抱負と感謝「80歳になる母親が…」

2023.5.21
ギャロップ

文・撮影=梅山織愛


2023年5月20日(土)にフジテレビで生放送された『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』グランプリファイナルでギャロップが優勝。直後に行われた優勝会見では、激闘を振り返りながら優勝の喜びを語った。

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勝因は「3本目も用意してたこと」

ギャロップが初戦で対戦したのは、事務所の先輩であるテンダラー。昔からお世話になってきた先輩との対戦について“関西ダービー”と名づけた毛利大亮は、「一番(対戦するのが)嫌だったんですけど、ここを勝てたらなんとかなるんじゃないかと思ってました」と話す。また、林健も「決まったときから、ほかの芸人さんに『よりによってテンダラーさんか』とか『どえらいとこ入ったな』みたいに言われることが多くて。だから逆に、テンダラーさんに勝ったら優勝やなっていう気持ちで戦わせていただきました」と振り返った。

テンダラー
初戦で対戦したテンダラー(C)フジテレビ

準決勝の相手は囲碁将棋。「ノックアウトステージ16→8」で対戦したラフ次元から、3戦連続で同じ吉本興業所属芸人との対戦となったが、囲碁将棋とはこれまでほとんど一緒になることがなかったという。しかし、東京吉本の“大将”として後輩から慕われる彼らの存在は関西でも名が通っており、ふたりも「囲碁将棋とは本当に絡むことがなかったんですけど、いろんなとこから漫才がすごいって聞いてた」という。そんな東西対決を同点の末、「3点の人数が多いほうが勝ち」という大会ルールで制したギャロップ。毛利は「やっぱり本当に強かったので、戦えてよかった」と囲碁将棋を讃えた。

囲碁将棋
東西対決を繰り広げた囲碁将棋(C)フジテレビ

そして決勝戦で対戦したのはマシンガンズ。ネタがないこともネタにしながら最後まで会場を沸かせたマシンガンズの漫才を裏で聞いていたそうで、「『ネタが弱い』って言ってたわりにずっとウケはるな~と。で、確かに(1、2本目に比べて)弱くなったって僕も思ったんですけど、それを逆手に取ってちゃんと笑いに変えていて。これちょっとできひんな~って」(林)、「普通の漫才師じゃできないテクニックを何カ所も見させていただいた」(毛利)と、称賛。

一方、ギャロップは準決勝前にネタ順を入れ替えたそうで、予定では準決勝で披露するはずだった漫才で勝負。それでもリラックスして挑めたため、決勝の勝因について林は、「3本目も用意してたってことですかね~」と分析した。

優勝を決めたギャロップ
決勝戦を戦ったマシンガンズとギャロップ(C)フジテレビ

いくつになってもネタをやりつづけたい

ギャロップ

放送終了後、大会アンバサダーの松本人志からエンディングでのコメントについて、「あそこはうしろ向かないと」と言われたという林(番組中、林は松本からの言葉で客席に後頭部を見せるくだりを何度かやっていた)。「本当におっしゃるとおりで、何をしてるんだ俺はと……。もう、浮かれてるじゃないかと。このアドバイスを胸に、これからの芸人生活を送りたい」と反省を明かし、毛利も「言われてない僕もピリッとした」と同調した。

改めて、優勝の喜びを誰に報告したいか聞かれると、林は「80歳になる母親が家で観ていてくれてたと思うんですけど、母親にこういう姿を見せれることってもうないなと思っていて。家を出るときも『出れるだけでええやん』って感じで送り出してもらえて、それがすごいありがたかった」と母親への感謝を述べ、毛利も「結局、家族になるんですけど、最近おとんとはあまり話せてなかったので、これを機にガッツリ酒でも飲みに行けたらなとかは思います」と話した。

今後、やりたい仕事を聞かれた際には「やっぱり漫才の番組に出たい。あのバッジ(『THE MANZAI』出演時にもらえるもの)欲しいので。ネタをやりつづけたいので、ネタ番組には出たいです」(毛利)、「我々でよければという気持ちで(ネタ以外の番組にも)出させていただくと思うんですけど、うしろ向くこともできないくらい、漫才以外、何したらいいかあんまわかってないので……。ひと通り出させていただいたら、劇場で元気に70歳くらいまで漫才ができたらいいなと」と漫才師として生きていくと答えたふたり。最後には「漫才やろうな」(毛利)「漫才やりましょう」(林)と互いに声をかけ、会見を終えた。

ギャロップ
最後はマネージャーの佐藤さんと撮影したギャロップ

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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハーなので、いろいろハマりますが、アイドル、お笑いが特に好きです。あと、チョコレートも詳しいです。

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