『R-1グランプリ2023』ファイナリスト7人+勝ち上がってほしい1人の魅力
3月3日(金)午後6時30分から復活ステージ(TVer Special Liveで無料生配信)、3月4日(土)午後7時から決勝戦(カンテレ・フジテレビ系全国ネットで生放送)が行われる『R-1グランプリ2023』。全7人のファイナリストの魅力と、敗者復活ステージで勝ち上がってほしい1人の魅力を、カルチャーブログ『kansou』などで執筆を行うかんそうが語る。
過去最高の戦いになりそうな『R-1グランプリ2023』
夢と希望しかない『R-1グランプリ2023』の決勝戦が3月4日に放送される。準決勝を配信で観たときから今年の異様なレベルの高さにガタガタと震えていたのだが、ファイナリストに選ばれた面々の顔ぶれを見た瞬間に「これは過去最高の大会になる」と思った。
カベポスター永見大吾
サツマカワRPG
コットンきょん
田津原理音
ラパルフェ都留拓也
Yes!アキト
寺田寛明
どこを見ても「猛者」しかいない、まるで『グラップラー刃牙』の最大トーナメントを思わせるこのファイナリスト7人と、個人的に敗者復活で上がってほしい芸人1人の魅力を少しでも紹介したい。
ファイナリスト7人+勝ち上がってほしい1人の魅力
カベポスター永見大吾(決勝初進出)
永見の魅力はワンワードの爆発力と、自然と脚が耳を傾けてしまう絶妙な声のよさにある。『M-1グランプリ2022』のツカミ「確かにお前の言うとおり糸電話って数分後にはめっちゃゴミだね」で一瞬で会場の空気を掌握したように「ただ自然に普通にしゃべっているだけ」なのに、その中身が死ぬほどおもしろい化け物。
サツマカワRPG(2年連続2回目)
いったい頭の中がどうなっているのか一度見てみたいと毎回思わされるネタの発想力と独自性、そしてその意味不明さをきっちりまとめ上げる腕力が凄まじい。ネタを観るたびに「完璧に演出された狂気」のようなものを感じていて『チェンソーマン』のマキマさんのような抗うことのできない恐怖と魅力がある。
コットンきょん(決勝初進出)
きょんの最大の魅力は脚本家・三谷幸喜も絶賛した常軌を逸した演技力。年齢・性別関係なくすべての人間を演じきることのできる阿修羅の変幻自在ぶりはまさに「憑依」。その圧倒的なリアリティがあるからこそ、ファンタジーな設定にも恐ろしいまでの説得力が生まれてくる。またコットンのコントにも通じる最後の1秒までどうなるかわからない展開のおもしろさも加わった唯一無二の「ひとりコント」を味わうことができる。この世にはきょんの演技を見ることでしか味わうことのできない感情がある。
田津原理音(決勝初進出)
あるあるネタを「見せ方のうまさ」によって誰にもまねできない個性を出しているしたたかな男。ネタの内容よりも田津原本人が「何をしてくるかわからない怖さ」があり、観ている我々が彼のおもしろさをどこまで理解できるのかを試されているような気持ちにすらなる。
ラパルフェ都留拓也(決勝初進出)
必中必殺の刀を持っており、なんの小細工もなしにその刀を急所めがけてブンブン振り回してくる。ネタバレになってしまうので「誰の」とは言えないが、もはや本人よりも本人なのではとすら錯覚してしまうし、あの姿を見るだけで爆笑をかっさらえるのは本人のキャリア的にも非常によくないのではと心配になってしまうほどの破壊力がある。
Yes!アキト(2年連続2回目)
見る人間によって当たり外れが大きい、最もギャンブル性の高い笑い「ギャグ」というジャンルから逃げずに戦っているウォーリアー。明らかなパワータイプのビジュアルにもかかわらず、勢いだけでなく思わず唸ってしまうような知的なギャグもできるしたたかさを持つ、ギャグ界のビスケット・オリバ。
寺田寛明(3年連続3回目)
設定、展開、声のトーン、間、言葉選び、毒、すべてが計算し尽くされているスーパーコンピューター。寺田寛明のネタを観ていると米津玄師の曲を聴いているときの「すご過ぎて怖い」という感覚を覚えてしまう。とにかく客をネタに引き込ませる話術が凄まじく、もし寺田寛明が自宅に訪問営業に来たら、わけわからんくらい高価な羽毛布団を買ってしまう自信がある。
森本サイダー
時代に封じられつつある「キモさ」一本で戦う唯一の男。哀愁と狂気の混ざり合ったストーリーはたとえるなら「死後評価されるタイプの芸術」。マイナスの感情でネタを作らせたら右に出るものはいないのではないかとすら思う。敗者復活で蘇ってすべてを終わらせてほしい。
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