ポケモンゲットだぜ!!!(ランジャタイ国崎)


お笑いコンビ・ランジャタイの国崎和也が、徒然なるままにコラムを執筆。本連載での名義は「ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん」です。

コロナ療養中の国崎さんから、白昼夢のようなコラムが届きました。


あの頃とまったく同じ

1996年
いまから26年前。
あたくしは、ポケモンと出会った。

小学校一年生、一つ上のヨースケ君という子が、

「めっちゃ面白い。これすごいよ!」

と、初期のバカデカいゲームボーイをピコピコさせていた。

田舎の公民館。
祭り前の獅子舞の練習に、大人たちが熱をあげる。

そんなことより、子供は皆、ヨースケ君のポケモンに夢中だった。

自分もゲームボーイは持っていた。
カセットは、テトリスとドンキーコング。
ロックマン。

次は、絶対ポケモンだ。
これからは、ポケモンの時代だー!!

数ヶ月後──。

あたくしはポケモンを買った。
もう、ずっとやっていた。

恐ろしい子供だ。
ポケモンのことしか考えてなかった。

話しかけると
「オ〝ーーン!!!」みたいな奇声をあげる。

ポケモン以外考えてなかった。
本当に目の前にポケモンしかなかったのだ。

ポケモン、ポケモン、ポケモン──。

はじめにゲットしたポケモンは
「フシギダネ」というかわいいやつで、
オーキド博士というおじさんが
「3匹の中から1匹選べ(太っ腹)」と言ってきたので、その中から選んだ。

ストーリーが進んでいくうち、
フシギダネは進化して、フシギソウに。
そして、さらに進化して、フシギバナに。
かわいい面影がまったくない、大化け物に進化した。

子供ながらに、「化け物、、」と思った。

ただフシギバナは強く、軒並み敵のポケモンを倒して行った。

その初期作は「ミュウツー」といわれるポケモンが最強で、ゲットした時は本当に嬉しかった。

そして、友達と対戦したときにそのミュウツーが、パラセクトという「でっかいヤドカリ」に負けたのを未だに忘れない。

でっかいヤドカリが、我がミュウツーを眠らせてきて、何回も「きりさく」攻撃で、我がミュウツーは、寝たままぶっ倒れて、負けた。

最強のミュウツーが、でっかいヤドカリに負けたのだ。

本当に恥ずかしかった。

あとポケモンの醍醐味で、通信ケーブルというコードを使い、ポケモンを交換できた。
通信交換じゃないと進化しないポケモンがいたり、さらに対戦もできる。

裏技なんかもたくさんあった。

育て屋さんにコイキングをあずけて、13番目の道具に「おいしいみず」を用意して、セレクトボタンを押して入れ替えると、幻のポケモン「ミュウ」が出る。

「ただ、これはバグ技なので、データが消えるか一か八かでやらなきゃダメだよ〜」

友達のあいだで、噂がどんどん広まっていった。

「ワープもするって、」

「知らないボスに会えるって、」

「けつばん ていうポケモンが出てー、」

「お父さんがラスボスなんだって〜、」

あの頃、今のようにネットがなかったので
友達からの攻略情報が何よりの強みだった。
クラスの連絡網を見て、ポケモンがくわしい子の家に電話をかけて、

「あ、こんばんはー。〇〇くんいますか??、、、あ!〇〇くん!?ねえ、〜〜が倒せないんだけど、どーすればいいー!?」

みたいな電話をしょっちゅうかけていた。

1996年。

あたくしは、ポケモンに夢中だった。

2022年。

あたくしは今、ポケモンをやっている。

さっき、道端で遭遇したポケモントレーナーに、
パーティを全滅させられた。

「オイオイオイなんなんだよォ〜!!」

あの頃とまったく同じ熱量で言っている。

少しお休みができたので、
大の大人が、ポケモンに夢中になりすぎて、ごはんを食べるのを忘れ、オシッコも我慢して、

「見たかこれがワイのポケモンや!!」

「カンベンしてくれよォオオ!!」

「レベル上げんとダメかー!?」

「強すぎるってちょっ、マジかあ!!」

「よっしゃあああああ!!!」

「さんざん育ててこの仕打ちかねこの子は!!」

など、
毎回熱戦している。

眠たくなってきたら、寝て、
起きて、ポケモンして、寝て、起きて、ポケモン。

と、夢の日々を過ごしている。

世の小学生は羨ましいに違いない。

1996年。

あの頃に、ふと
 
「ゲームって大人になってもやってるかな〜?」

と思ったことがある。

やってるよ!!!

バリバリ!!
ポケモン!!!
ションベン我慢してまでやってるよ!!
ポケモンゲットだぜ!!!
あの頃みたいに怒る母親がいないから、気絶するまでやってるよ!!
ポケモン!!!ゲットだぜ!!!
近づいてきたトレーナーからぶっ倒すぞ!!
ポケモン!!
イヤッホーー!!
そら今だモンスターボール投げろ!!
楽しい〜〜!!!!
ポケモン!!!ゲットだぜ!!!

これが本当の、ポケモンゲットだぜ!!!

何がなんでも、ポケモンゲットだぜ!!!

そんなことより、ポケモンゲットだぜ!!

マジのマジで、ポケモンゲットだぜ!!!

たぶん一生やるなこれ!!

80歳のときも同じこと言ってそう!!

あー、またわからんとこ出てきたー。
迷った〜!!

連絡網で電話したい。

〇〇くんならまだわかりそう。

話ぜんぜんついていけそう。

ポケモン!!ゲットだぜ!!!

寝っ転がりながら書いてますが、

あーた様は座りながら見とりますでしょか?

それも一興ですなあ!

ふと、

京本政樹が牧場に行って、

牛たちに

「お前ら世間なめてんだろ?なあおい?」

て言い出して、

牛たちは

「そんなことないモー」

て言うんだけど

京本政樹は

「そんなことあるモー!つってんだろ!」

て言い出して、らちがあかないから

京本政樹が

「じゃあどっちが乳出るか決めよーや!?」

って言って、牛側も

「いや我々の圧勝っすよ政樹さん!!」

ってなったけど、

「やってみなきゃわかんねーだろドアホ!!」

と京本政樹言ったので、いざやってみると

マジで牛側が圧勝で、京本政樹が泣きながら

「ナメてるの自分でしたわ〜!!全然乳首から乳出なかったすわ〜!昨日あんな牛乳飲んだのに意味なかったすわ〜!ひーん!!」

咽び泣き。

「いやでも政樹さん頑張りましたよ、なんかええ、、感動しましたもん我々!」

「感動なんかほしないわー!!!政樹が欲しいのは乳が出る乳首じゃあああ!!!」

牛側ドン引き。


みたいなこと。

あると思います!

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