コンビとしての大喜利力を競い合うバトルライブ『AUN〜コンビ大喜利王決定戦〜』は、第2回大会にして本格的に「バイク川崎バイク困らせ王決定戦」となりつつある。
とはいえ集められたのは若手屈指の大喜利巧者たち。平場で大暴れしたあとに見せるスマートな大喜利一本勝負では痺れる熱戦が繰り広げられた。寄せては返す緊張と緩和の大波で、毎秒爆笑が生まれる激アツライブから目を離すな!
<4月30日(金)20時まで販売の配信チケットをご購入いただくことで、ライブの模様を視聴することができます>
【4月30日追記】
配信視聴が好調につき、期間の延長が決定しました。チケットは5月5日(水)20時まで販売、アーカイブ映像は同日23時59分まで視聴可能です。
■販売ページ:【動画配信】第2回「AUN~コンビ大喜利王決定戦~」
【写真】ライブ途中に痩せてしまった大鶴肥満(ママタルト)など、レポート写真13枚を見る
目次
「ひとりでは答えられない」大喜利バトル
4カ月ぶりに開催された『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』の第2回大会は、「ひとりではけっしてできない」お題をコンビで答えるという特殊なシステムでありながらハイクオリティな大喜利戦に加え、このライブのもうひとつの醍醐味である大喜利パート以外の学級崩壊っぷりがいずれも前回を上回るほどのパワーで渦巻いており、予定の公演時間を1時間近くオーバーするほどの盛り上がりを見せた。
出演者は、初代王者の真空ジェシカ、引きつづきの出演となるAマッソ、ランジャタイ、カナメストーンに加え、今回初出場のダイヤモンド、寺田寛明&森本サイダー、ママタルト、令和ロマン。MCは、第1回目と同じくバイク川崎バイクが務めた。
1試合目最初の組み合わせは、ダイヤモンドvsママタルト。今年の『M-1グランプリ』のファイナリスト候補との下馬評が高い2組の対決だ。
最初の大喜利は、片方がボケてもうひとりがツッコむ「ボケツッコミ大喜利」。お題はお題は「国民を揺るがす『総理大臣のサプライズ発表』にツッコんでください」。最初に挙手したのはダイヤモンド。「(野澤)日本を改名します。お日本」「(小野)いや、ギロッポンみたいに言うな」と先制。ダイヤモンドの本ネタに入っていてもおかしくない回答だ。
追うママタルトは、大鶴肥満がポルノグラフィティの「サウダージ」に乗せて「許してね恋心よ、みんなの年金は波にさらわれたの」と歌い上げ、檜原洋平が「かんべんしてくれ!」と回答、今大会初の拍手笑いを巻き起こす。その後も一進一退の攻防がつづくが、やや体勢を崩したダイヤモンドに対して、着実に点数を重ねたママタルトが勝利。
『R-1』ファイナリストなど、ネタの実力は折り紙つきの出場者たち
2試合目は、こちらも今年の『M-1グランプリ』ファイナリスト候補筆頭のカナメストーンと、『R-1グランプリ2021』ファイナリスト同士の寺田寛明、森本サイダーというピン芸人コンビ。
お題「ユニコーンと『付き合った理由』と『別れた理由』を教えてください」が舞台上のモニターに映し出され、そのお題提供者が寺田と関係性が深い“俺スナ”という人だと気づいたカナメストーン零士が「おいおいおいおい、寺田寛明の仲間じゃねえかよ!」とツッコむと、会場は大いに沸き上がる。
相変わらずの観客のライブガチ勢感に安心させられたところが非常によかった。BKBが「いいお題ですね」と言ったように、両者がいい回答を重ねていく気持ちのいい試合展開であったが、森本寺田ペアがリードして終了する。
つづくふたつ目のお題は、コンビで回答をしりとりでつなぐ「しりとり大喜利」で「食べログ0.9のお店の『看板メニュー』しりとり」。このお題で東峰零士がなぜか、山口が出した答えを聞いてからノータイムで回答するという、本来より厳しいルールを自らに課すという謎の展開になり、ほぼ自爆のかたちで森本寺田ペアに勝利を譲ってしまった。
3試合目は、真空ジェシカvs令和ロマン。BKBの口からすでに、ライブは予定時間を30分超過していることが明かされるも、当たり前のようにスタンドマイクを持ってきて、カナメストーンの「お手製の顔ハメパネル」のくだりをパロディから始める真空ジェシカ。
対するは令和ロマン。漫才の実力は折り紙つきだが、大喜利力は未知数。しかし回答のテンポも速く真空ジェシカに喰らいつき、サドンデスにまで持ち込む。真空ジェシカが勝利したが、本当にどちらが勝ってもおかしくないほどに拮抗した闘いであった。
どんなにAマッソが煽っても、気の緩みがない観客
4試合目は、ランジャタイとAマッソ。ランジャタイは自分たちの衣装を着たカナメストーンと共に登場。ランジャタイのネタネタ『仏が沼にハマったよ』をカバーするカナメストーンをセンターに、おなじみのナンチャンの仮面を被った国崎和也と、ゲゲゲの鬼太郎の扮装をして『呪術廻戦』の五条悟のように目を隠した伊藤幸司が舞台上をうろうろする。
つづくAマッソも「誰が見たいの?」と舞台袖から大声で叫び「Aマッソ!」と観客に答えるよう煽るも、このご時世にライブに来ている観客は誰ひとりとして気の緩みがなく、感染対策を徹底している方々なので、飛沫が飛び散るようなレスポンスは行わない。
さんざんボケ倒した2組がそろい、やっとのことで大喜利が始まり「父親のパソコンにあったら嫌な検索履歴」いうお題が出される。しかし、国崎のフリップにオフの高橋英樹の写真が貼られているというハプニングなどが起こり、大喜利以外の場面では盛り上がりを見せるも両者の回答はポイントにつながらない。
制限時間1分前のアナウンスが流れたところで、Aマッソが「(加納)手旗信号」「(村上)フルボッキ」でポイントを取得。しかし、「うちら下ネタでやってないんで」と辞退を申し出る。しかし、そのストイックさは認められずAマッソは1問目でリードする。
2問目でもランジャタイは追いつけず、Aマッソが逃げ切るかたちで勝利。もしかしたら、ランジャタイはライブ名の「AUN」を阿吽の呼吸ではなく、ウッチャンナンチャンのUNだと思っていたのかもしれない。
それぞれの実力が発揮された、濃密で笑いまくった大会
すでにライブ開始から2時間近く経過してやっと準決勝。準決勝の第1試合は、ママタルトvs森本寺田ペア。動画の「実況」と「解説」をする「実況と解説大喜利」。難題だが、両者ともしっかりと笑いを取り合い、またもやサドンデス。接戦の末、勝利したのはママタルト。
試合が終わったあと、森本と寺田が、互いの頬にモデルガンを突きつけ合うタランティーノ監督のアングルになるが、森本とルームシェアをしている大鶴が「死んじゃうと家賃が倍になっちゃうんで」と仲裁し、事なきを得た。
準決勝第2試合は、真空ジェシカとAマッソ。『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』が産んだ問題児対決。大荒れするかと思ったが、これまでが嘘のように、スムーズに大喜利に入る。BKBはその2組の成長に「ある種感動しています」と話していた。それはまるで『ドラゴン桜』の、1話と最終話だけ観たような気持ちだった。
1問目は、しりとり大喜利で「『架空の自己啓発本』タイトルしりとり」。「(ガク)熱海に少ない乗り換えで行く思考法」「“う大”の意味」、「(加納)魅せるゲロの吐き方」「(村上)タコの様に生きる」などの良回答での殴り合いがつづく。サドンデスを経て、決勝に駒を進めたのは真空ジェシカ。
決勝戦のママタルトvs真空ジェシカの、2対2のシンプル大喜利対決「2on2」。決勝戦に相応しいシンプルなお題の1問目から、テンポよいラリーがつづく。そんななか、大鶴の回答が止まっていることに気づいたBKBが、「肥満くんって大喜利苦手なん?」と尋ねる。大鶴は「そうですね、今、亀しか出てこないですね」と弱音を吐く。この時点で、真空ジェシカのリードは大きく、このまま真空ジェシカの優勝かと思われたが、お題が変わった瞬間、ママタルトの反撃が始まる。
「これ、なんのグラフ?(見たことない70パーセント、見たことある20パーセント、知らない10パーセントの円グラフ)」。お題に一番に手を挙げた大鶴の答えは「ドラフト会議」。会場は大ウケ、BKBも思わず「答えや! 凄まじい、これやったんや」と唸る。ここから持ち返したママタルトは回答を増やし、ダブルスコア近くついていた差を埋め始めるが、やはりその差は大きく真空ジェシカはなんとか逃げ切った。
真空ジェシカの2連覇で幕を閉じた『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』は、トーナメントの妙も大きく、真空ジェシカのアベレージの高さと強さ、ママタルトのハマったときのパワー、カナメストーンらのよさが存分に引き出されていた濃密で笑いまくった大会だった。
真空ジェシカは前回大会の優勝特典として『クイック・ジャパン』vol.154にインタビューが掲載されているが、今回も優勝を飾ったことで6月発売の同誌vol.156にも、再度特集が組まれる予定。またQJWebでも優勝記念の連載が近日中にスタート予定だ。
第2回「AUN~大喜利コンビ王決定戦~」
料金:配信チケット 2,000円(税込)
チケット:4月30日(金)20時までチケットぴあにて発売中(動画配信は同日23時59分まで)
販売ページ:【動画配信】第2回「AUN~コンビ大喜利王決定戦~」のチケット情報
主催:WLUCK/クイック・ジャパン
お問い合わせ:WLUCK([email protected])
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