圧倒的な大喜利力でクールな優勝を果たす
「ひとつのお題に対してコンビで合計ふたつの回答を答えてもらう」というニコイチ大喜利での対決で出されたお題は「ラブホテルであった『粋な演出』と『無粋な演出』を教えてください」。
Aマッソは、「(加納)『理性』という文字が割れるショートムービー』」、「(村上)3Dプリンターでフルボッキフィギュアを作ってくれる」、真空ジェシカは、「(ガク)お風呂の電気を消すとプラネタリウムが映る」「(川北)部屋をがちゃっと開けて、そこに大きい真実の下の口の中にコンドームが入っている」と、破壊力のあるいい回答を両コンビが出しつづける。互いに譲らなかった結果、もつれ込んだサドンデスにてAマッソは敗退してしまったが、一番笑ったのは、「(村上)プロジェクションマッピングで体に渡辺徹と郁恵ちゃんを映して昭和のエッチができる」「(加納)蛙亭のAV観れる」だっただけに、どっちが勝ってもおかしくなかったベストバウトだった。
つづいての、ランジャタイ対カナメストーンも、国崎が、掃除機をかけながら舞台に上がってきて、「掃除機は大きな吸い込みをしているよぉ」と言ったところから感づいていたことだが、荒れに荒れた勝負となった。ここでは、カナメストーンが勝利するも、次の試合で真空ジェシカに破れてしまう。この真空ジェシカ対カナメストーンの対戦前のやりとりも、観客が当たり前に、『M-1グランプリ2020』の予選関連の動画を観ているという前提で進められていて最高だった。
迎えた決勝戦は、真空ジェシカとトンツカタンの人力舎対決。対決方法は、2on2の「シンプルにガチ大喜利対決。ひとつのお題に対して個々で回答」ということで、怒涛の殴り合いが繰り広げられた。
無表情で淡々と回答を繰り出し、笑いを取ってポイントを重ねていくトンツカタン櫻田の活躍により、真空ジェシカはいったんは引き離されるも、先輩の意地を見せ、追いかける。特に「ゴミ屋敷に行きたくなるお得情報を教えてください」という問いに対して、ガクの「ここで起動すると、『セレビィ』がもらえる」は、会場から拍手笑いが起きるほどに見事な回答だった。
そんな乱打戦を制した真空ジェシカ。優勝した彼らに贈られた優勝賞品は、「NO 大喜利,NO LIFE」Tシャツと、『QJWeb クイック・ジャパン ウェブ』にて、ロングインタビューと連載、さらに、『クイック・ジャパン』での特集8Pというものだった。
真空ジェシカふたりの大喜利の強さと、頑なに『M-1』の予選で披露した「グラデーション転校」のネタを披露しようとしたりすることから始まる振る舞いがすべてハマった空気の掌握力のすごさを実感できた素晴らしいライブだった。
また、これまで意外となかったコンビまたはグループで回答するというシステムにも可能性を感じた。ただ大喜利ライブを観ただけではなく、ネタライブを観たような満足感もあった。Aマッソの村上、真空ジェシカのガク、トンツカタンの櫻田の出していた回答が好みだったという発見も収穫だった。
3日前にMCをオファーされたというBKBことバイク川崎バイクの負担がものすごく大きかったので、その乳酸の溜まり方も見どころのひとつだった。しばらくは、「BKB」の「B」のパートでバリを多用していても温かい目で見守っていこうと思いました。
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