ほんの少しの違和感を完璧に表現できるふたりの演技力
この圧倒的なリアリティは彼らのネタを観ていても強く感じる部分でもある。
たとえばコント『クレーム』は、役所にクレームを入れる男とそれに対応する国民生活センターの職員、というシチュエーションなのだが、わかりすいボケやツッコミはほぼなく「こういう人間いる」というふたりの演技だけで笑わせてくる。
松尾が演じる職員の「こんな頭のおかしい人間の対応は日常茶飯事です」といわんばかりの絶妙な表情と、「相手を逆撫でせず寄り添いながらもけっして深入りしないドライさを併せ持った対応」、そしてあの心のこもってない相づちに身震いする。そしてクレーマーを演じる長田の、市役所に行くと必ずひとりはいる「基本話が通じず態度も悪くキレやすいが心はピュアなヤンキー上がりのオッサン」感は「市役所で1日ウォッチングしてたんですか?」と言いたくなるほどのリアリティがある。
IKKOのものまね、TT兄弟、Mr.パーカーJr.など、わかりやすく親しみやすいおもしろさもチョコレートプラネットの魅力のひとつだが、それは冒頭の「悪い顔選手権」や日常系コントなど、ほんの少しの違和感を完璧に表現できるふたりの演技力があってこそだと改めて感じた。チョコレートプラネットのすごさは惑星の大きさのように計り知れない。
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