『勇者ああああ』新・お笑い賞レースの絶対王者、サシャナゴン

2020.5.14

そこそこお笑いに精通しているはずのスタッフ陣も初めて耳にする名前だった。ポカンとした表情を浮かべる僕たちを横目に話をつづける岐部。

「クールポコ。が昔、サシャナゴンってコンビ名で
HIPHOP漫才をやってた時期があって、ラップのネタをしてたんですよ。
今見たら意外とおもしろいんじゃないですかね」

クールポコ。として出演した際の写真(筆者撮影)

餅芸人クールポコ。の知られざる過去に少しだけ興味が湧いた僕らは、さっそくサシャナゴン時代の動画を検索。が、活動時期が短かったこともあってかどんなに探しても動画はおろか当時のふたりの画像すらネットには残っておらず、唯一見つけられたのは

2001年10月に、コンビ名をサシャナゴンに改名。 せんちゃんがお菓子の紗々(ロッテ)が好きで、小野が清少納言が好きなところから取られた。(引用:Wikipedia「クールポコ。」)

というトリビアのみであった。

「いったいどんなラップネタをやっていたのか?」
「っていうかそもそもHIPHOP漫才ってなんだ?」

すっかりサシャナゴンに興味津々になってしまった僕らは第1回「リズム-1グランプリ」の大トリとしてサシャナゴンを指名。さっそく担当マネージャーに連絡を入れた。

「クールポコ。じゃなくて当日はサシャナゴンとして来てください。
臼と杵は持ってこなくてけっこうです」

唯一の武器である「餅」を必要とされないトリッキーな仕事のオファーにマネージャーは若干動揺していたようだった。 しかし収録当日、マネージャーの不安をよそにクールポコ。改めサシャナゴンは本番で爆笑をかっさらった。披露したのはコンビ結成当時の鉄板ネタ「HIPHOP漫才〜回転寿司編〜」。

(小野まじめ)ここがここが回転寿司♪
(せんちゃん)本当だすごいたくさんあるな♪
トロトロトロ俺トロ取ろう♪

※ターンテーブルの上の寿司を取ろうとするせんちゃん

(小野まじめ)だけど回転台をスクラッチ♪Yeah!
キュ!キュッキュッキュキュ!

※スクラッチをして寿司を取れないように邪魔する小野まじめ

(せんちゃん)トロ取れな〜い♪

ターンテーブルの上になぜか置いてあるトロが取れるか取れないかだけをただただラップに乗せて歌うこのネタ。通常だったら絶対笑うことなどないのだが、アクセルホッパー、ジョイマン、クマムシと一発屋オールスターズによる安定のステージを見た後だとこの「懐かしくもなければおもしろくもない」ネタがなんだか新鮮に思えてきて、スタジオは謎の爆笑に包まれた。本人たちからすれば10数年前の黒歴史であるネタをほじくり返されて不本意だったかもしれないが、結果サシャナゴンは第1回「リズム-1グランプリ」で見事優勝、賞品として第2回大会への出場権が与えられた。

サシャナゴンとして出演するクールポコ。(筆者撮影)

ちなみにこの大会、第2回の優勝もサシャナゴンだし第3回の優勝者もサシャナゴンである。もちろん披露するネタはいつも同じ「HIPHOP漫才〜回転寿司編〜」。現場でウケようがウケまいが関係なし、優勝は常にサシャナゴンと決まっている。リズム界の頂点を決めるはずだった「新・お笑い賞レース」はいつしかクールポコ。の黒歴史をただいじるだけの悪ふざけコーナーに成り下がった。

「リズム-1グランプリ」の絶対王者サシャナゴン。彼らを破るリズム芸人は今後現れるのか。そして第4回目の開催は果たしてあるのか。その運命は残りわずかな0.2%の視聴者にかかっている。


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