チッチの愛があふれるコラボに、岡崎体育の完璧な音楽&お笑い!『DAIENKAI 2025』DAY2レポート&インタビュー

2025.7.23
『DAIENKAI』

写真=DAIENKAI 2025

文=鈴木 梢 編集=梅山織愛


音楽×笑いの新時代フェス『DAIENKAI 2025』が、東京・有明の東京ガーデンシアターにて、7月19日(土)、7月20日(日)の2日間開催された。2023年に初開催し、今年で3回目となる。

アーティストの音楽ライブに芸人が乱入したり、芸人のネタにアーティストが参加してコラボレーションをしたりと、ここでしか観られない贅沢なステージが満載!

本記事では、7月20日(日)の一部ステージのダイジェストレポートとインタビューをお届けする。

セントチヒロ・チッチの愛と感謝であふれる「無制限飲み放題の回」

DAIENKAI2025_無制限飲み放題の回
CENT(セントチヒロ・チッチ)、しずる(純、池田一真)、ヨネダ2000(誠、愛)、ジェラードン(アタック西本、かねちぃ)、ガクテンソク(奥田修二、よじょう)

しずる、ヨネダ2000、ジェラードン、ガクテンソクのネタからスタート。しずるとジェラードンのコントにはセントチヒロ・チッチ(CENT)も登場し、その世界観に見事に溶け込む演技を見せてくれた。

CENTのライブでは「堂々らぶそんぐ」「百日草」「向日葵」など全8曲を披露し、「Tenugui Galaxy!?!?」では芸人たちも全員登場して手ぬぐいやタオルを大きく振り回し、会場一体となって盛り上がった。

『DAIENKAI』
ジェラードンとコントに挑むセントチヒロ・チッチ(右)

【「無制限飲み放題の回」終了後インタビュー】

チッチ:ヨネダ2000さんの「絶対に成功させようね」はBiSHのころにアユニ・Dとよくふたりでやっていたのでオープニングでご一緒できてすごく嬉しかったですし、ガクテンソクさんはずっとお世話になってきたので安心感がありましたし、しずるさんのコントではすごく助けていただきながらおばあちゃんを演じられましたし、ジェラードンさんの「満員電車」のネタは一番最初に好きになったネタだったので参加できて本当に嬉しかったです。CENTの曲で皆さんと一緒に踊れたことも含め、人生の中でもかなり貴重な経験をさせていただきました!

西本:立ち位置的に僕からは見えなかったんですけど、コント中にチッチさんがすごくいい表情をしてくださっていたと、さっき聞きまして。自分がウケてたんじゃないんだ、すごいな、って思いました(笑)。僕のTシャツにチッチさんが顔を突っ込む場面があったので、今日はTシャツの中に固形石鹸と柔軟剤をずっと刷り込んで、できるだけストレスを与えないように準備してました。

かみちぃ:チッチさんの演技は本当におもしろくて、本当に僕らのコントをかなり観てくださってたんだなとわかる演技でした。Tシャツに入るのも、入るだけでいいしライブも控えているのに顔を押し付けていて、メイク落ちても大丈夫ってくらいの気合いが感じられてうれしかったです。

池田:我々芸人、こんなもんじゃないっていうか。もうちょっと何かできたんじゃないかなと思います。今日は反省点が多かったです。

純:BiSHのころからお客さんとしてチッチをずっと見てきたんですけど、今回のコントではチッチが客席に座って出演したので、感慨深さがありました。

奥田:僕もチッチのことはBiSHのころから解散まで見させていただいて。卒業してからも立派にやっている姿を見たら、姪っ子がどんどん成長していってるみたいな気持ちになりました。こんな親戚がいるなら、もう結婚はしなくていいかなと思いました。

よじょう:僕も袖でジェラードンとのコラボネタを観ていたんですけど、ちょっと吐きそうになるくらい面白かったです。タオルも一緒に回せて、めちゃくちゃ楽しかったです。

愛:去年ヨネダ2000のポップアップストアをやったんですけど、オープニングでチッチさんがそのTシャツを着てくださっていて、衝撃的にうれしかったです。

誠:こんな経験させていただいたので、ちょっと曲ができちゃって。歌います。CENTさんのバンド演奏はすごくカッコよくて〜あんなに大人数とタオルも回せて〜本当に〜素敵な〜一日になったよね〜♪

岡崎体育が完璧な“お笑い”を披露「タンバリンとマラカスの回」

DAIENKAI2025_タンバリンとマラカスの回
岡崎体育、マヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)、ニッポンの社長(辻皓平、ケツ)、ビスケットブラザーズ(原田泰雅、きん)

マヂカルラブリー、ビスケットブラザーズ、ニッポンの社長がネタを披露。そのすべてに岡崎体育が参加し、ニッポンの社長のネタの終わりには3人での「V!V!Victory」も披露した。

岡崎体育のライブが始まると、「あてはまRing Ring」や「FRIENDS」で会場と一体となり大盛り上がり。「FRIENDS」ではマヂカルラブリーが登場、「Voice Of Heart 2」ではビスケットブラザースが登場、「おっさん」ではニッポンの社長が登場。

岡崎体育のコミカルな楽曲だからこそできる音楽とお笑いとの完璧なコラボレーションを実現し、終始笑いが絶えないステージとなった。

『DAIENKAI』
野田クリスタルに扮した岡崎(左)

【「タンバリンとマラカスの回」終了後インタビュー】

岡崎:皆さんのネタ中に自分が出て行ってお客さんからウケたとき、めっちゃ気持ちよかったです。本当に来年も再来年も出たいですし、今後はさらに難しいコントに挑戦したり、音楽ライブでもっと複雑な絡みをしてもらったりしたいです! 僕は全体的にカロリー高いことしてたみたいですけど、初めての出演でこうなったので、次回以降も僕のスタンダードはこのスタイルになると思います。

村上:ニッポンの社長のネタで岡崎さんがたくさんツッコんでいたとき、なんか普通にうまくてちょっと嫌でした(笑)。芸人じゃない人がやると、どうしてもちょっと浮くはずなのに、普通にうまかったです。コラボというより、最初からトリオだったみたいに見えました。僕らのネタでもご一緒できて楽しかったです。

ケツ:実際、僕もお笑い的に食われてると思ったんで。すごくおもしろかったですし、僕らのネタでは歌も披露していただいたので、贅沢で最高でした。

辻:僕らとのネタコラボは岡崎さんに本当に完璧にやっていただきました。岡崎さんの曲で僕らがステージに出て行ったとき、ケツはめっちゃ間違えてました。戸惑った顔してくれって言われてたのに、なんかケツだけ普通の顔してました。

原田:僕は岡崎さんとコラボする曲に出るとき、急遽、不審者の感じで出て行く流れになったんですよ。でも不審者っぽい服を持っていなくて。スタッフさんに「岡崎さんに、どんな服がいいか聞いてください!」って言ったんですけど、戻ってきたスタッフさんから「今日の私服でいいそうです!」って言われて、びっくりしました。でもめっちゃ楽しかったです。

きん:僕らと岡崎さんのコントの稽古は一回だけしたんですけど、指輪(の箱)をパカパカさせるとか、ここで回るとか、具体的な指示を一度しただけで一発でいけちゃうんですよ。僕らはコンビですけど、岡崎さんが出てきた瞬間にトリオとして完成したと思いました。3人そろってビスケットブラザーズです。オチは完全に任せてました。完璧でした。

野田:正直この回、岡崎さんのおかげでめちゃくちゃ楽でした。僕らはほぼ何もしてないです。コラボ史上、一番楽でした。

※以下、オフィシャルレポートより

会場全体を巻き込む!「二次会カラオケの回」

『DAIENKAI』
超能力戦士ドリアン(やっさん、おーちくん、けつぷり)、エルフ(荒川、はる)、滝音(さすけ、秋定遼太郎)、オズワルド(畠中悠、伊藤俊介)

この日のトップバッターとなったライブアクトは、超能力戦士ドリアン。メンバーとともに3体の恐竜がステージに登場して、観客のど肝を抜いた彼ら。1曲目「恐竜博士は恐竜見たことないでしょ」に合わせてパラパラを踊ったり、のそのそと歩き回る恐竜。中から出てきたのはおーちくん(Vo)と、ネタを終えたばかりのオズワルド。

“とにかく入り乱れるということ”をテーマに、気合じゅうぶんで『DAIENKAI』のステージに挑んだという彼ら。この日のために作った新曲「DAIENKAI2025(天保山)」では芸人と観客を巻き込んで、「#DAIENKAI」の人文字を作る演出で大盛り上がり。

さらに「チャーハンパラパラパラダイス」でステージ上ではエルフが踊ったり、「いきものがかりと同じ編成」では、芸人の巨大写真パネルをリレー形式で運ぶレースで観客同士が競ったりと、まさに全員が入り乱れて作り上げていったドリアンのライブ。最後は「焼肉屋さんの看板で牛さんが笑っているのおかしいね」で大騒ぎしてフィニッシュ。2日目のトップバッターにふさわしい、楽しく賑やかなステージだった。

『DAIENKAI』
ステージに登場した恐竜

冨安四発太鼓保存会からあの人が…「盛々パーティープレートの回」

『DAIENKAI』
神聖かまってちゃん(mono、 みさこ、ユウノスケ)、蛙亭(中野周平、イワクラ)、ジョックロック(福本ユウショウ、ゆうじろー)、ミキ(亜生、昴生)、ダンビラムーチョ(大原優一、原田フニャオ)

ミキ、ダンビラムーチョ、ジョックロック、蛙亭とバラエティ豊かな芸人が続くネタコーナーで沸かせたあとは、神聖かまってちゃんのメンバーmono(Key)、みさこ(Dr)、ユウノスケ(Ba)の3人が登場。「冨安四発太鼓保存会」会長の武内重夫(ダンビラムーチョ大原)の鳴らす太鼓で“だるまさんが転んだ”をする「冨安四発太鼓が転んだ」に挑戦。会長は太鼓の打ち手をみさこと交代。結果、会長があっさり勝利するという大人げない結果でゲームは終了。最後はmonoから「こういうかたちで出してもらえてよかったです」と感想が語られた。

『DAIENKAI』
T字路s(伊東妙子、篠田智仁)、オズワルド(畠中悠、伊藤俊介)

続いてオズワルドが出囃子で使用する「これさえあれば」で始まったT字路sのライブ。伊東(Vo&Gt)の力強くブルージーな歌声が、圧倒的求心力をもって観客を魅了する。1曲歌い終えると、拍手と歓声が鳴りやまない会場に、登場したオズワルド。「せっかくだから畠中悠の曲、一緒にやりましょうよ」という伊東の誘いに畠中が恐縮しながらギターを担ぎ、畠中作詞作曲の曲「コンビニエンスマン」をコラボで披露。

その後は、オズワルドがMVに出演する「美しき人」から、「マイ・ウェイ」「新しい町」のカバーを披露、ラストはたっぷり気持ちを込めた情感あふれる歌と演奏で「泪橋」を披露。聴く者に勇気や希望を与えてくれる、音楽の力強く感じさせてくれるライブだった。

毎年恒例の筋斗雲が登場「大合唱の回」

『DAIENKAI』
キュウソネコカミ(ヤマサキセイヤ、ヨコタシンノスケ、オカザワカズマ、ソゴウタイスケ)、アインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)、シシガシラ(浜中英昌、脇田)、ロングコートダディ(堂前透、兎)、しずる(池田一真、純)、ニッポンの社長・ケツ

いよいよ、『DAIENKAI』も終盤に突入。シシガシラ、ロングコートダディ、アインシュタインと芸人たちのネタが続き、3年連続出演となるキュウソネコカミのコラボが生みだす奇跡のハーモニーに期待が高まった『大合唱の回』。ライブは、1曲目から芸人を呼び込み、写真をテーマとした楽曲にちなんでステージ撮影OKの撮影タイムがスタート。

芸人とのコラボは、メンバーが互いのいいところを褒め合うアドリブパートがある「ただしイケメンに限らない」にロングコートダディが登場。照れながら互いを褒め合ったり、“嘘つき”を歌った「記憶にございません」にシシガシラが登場して、「嘘つき」と呼ばれないように、脇田が絶対に失敗できない雰囲気の中で自分の特技に挑戦したりと、楽曲のおもしろさを引き立たせる、芸人の理解や呼吸の合わせ方もばっちり。

宇宙を題材とした「GALAXY」で観客がスマホの光で星空を作ると、アインシュタイン稲田が星型のヘアスタイルで星空を彩った。2度目の「ただしイケメンに限らない」では、シークレットゲストとしてしずるが登場。池田のいいところをがんばって見つける純と、純からの褒め言葉を求めるばかりの池田に会場が爆笑。

ライブ終盤、「音楽と笑いの共通点はみんなの笑顔が見たいこと。ちょっとポンコツでも笑顔があればいい。このフェスのテーマ曲みたいな曲をやります」とヨコタシンノスケ(Key)が語り、「ハッピーポンコツ」を高らかに歌い上げたキュウソ。

ラストは「お願いシェンロン」で芸人がステージに集合。一緒に歌って踊ってかめはめ波のポーズを決めて、大団円かと思いきや。カットインしてきた映像は、なぜかニッポンの社長ケツの生い立ちを振り返る感動的な映像。ステージ上には筋斗雲(お神輿)に乗せられたケツの姿。3回目の出演となる今年もいつもと同じ初出演時からのお約束のエンディングで幕を閉じた。

『DAIENKAI』
ケツを担ぐ出演者たち

大盛り上がりで大エンディングへ「また会う日までの回」

『DAIENKAI』
ヤバイTシャツ屋さん(こやまたくや、ありぼぼ、もりもりもと)、ななまがり(森下直人、初瀬悠太)、ミルクボーイ(駒場孝、内海崇)、見取り図(盛山晋太郎、リリー)、マユリカ(阪本、中谷)

2日間にわたって行われてきた『DAIENKAI 2025』もいよいよラスト。「また会う日までの回」は、まだまだ元気な観客とのコール&レスポンスで始まったマユリカの漫才から、ぶっ飛んだヤバイ世界観にヤバイTシャツ屋さんが降臨したななまがり×ヤバイTシャツ屋さんのコラボコントへ。

ライブアクトの大トリを務めたのは、3年連続大トリとなるヤバイTシャツ屋さん。過去なにかとそろうことが叶わなかったミルクボーイが3年目にしてふたりそろって『DAIENKAI』のステージに立つと、「おかんが好きな駅があるらしいんやけど、その名前をちょっと忘れたらしくて……」と始まった漫才から、「喜志駅周辺なんもない」で、ライブが勢いよくスタート。

ライブ序盤から彼らの代表曲であり、キラーチューンである「あつまれ!パーティーピーポー」を放つと、ハイテンションな歌と演奏でアッパーな曲を連続投下。客席の熱量もぐんぐん上がっていく。

そのあとのステージに登場したのは、ななまがり初瀬。「キモお兄さんと遊ぼう!」と観客に呼びかけ、キモお兄さん(ななまがり森下)を召喚すると、追加のキモお兄さんふたり(マユリカ)も登場。悲鳴と笑い声が会場に響く中、大爆笑するこやまが「キモではなくヤバやけど」と曲紹介して、「ヤバみ」に突入。楽曲ラストには、マユリカ中谷がキモお兄さんの格好のままバック転を決めて、客席に向かって決め顔。

『DAIENKAI』
キモお兄さんになったマユリカ(左)とななまがり(右)

続いて「ええがな」、「無線LANばり便利」でブチアゲると、南大阪のカスカップル(見取り図)がヤバTに絡んでくる。「ありぼぼちゃんの子の名前つけてるわ」と“美味草(セブンスター)”などのキラキラネームを強要した力也(盛山)が「なんか結婚したくなってきたな」と綾(リリー)に告げながらステージを去ると、ふたりに贈るように「ハッピーウェディング前ソング」を披露。

「3年連続大トリを務めさせていただいてありがとうございました。音楽好きとお笑い好きがこの規模で集まれるのは、当たり前のことじゃなくて。こんなお祭りの場を、作ってもらえることが本当にうれしいです。皆勤賞で出たい!!」と、こやまが少しまじめに語ると、「みんな集まれ〜〜!」と出演者全員をステージに呼んで「かわE」を披露。

ラストは「また来年会おうぜ!」とこやまが告げ、全員でジャンプを合わせてフィニッシュ。2日で総動員数約1万3千人、参加アーティスト12組、芸人45組の大盛り上がりの『DAIENKAI 2025』は楽しくに賑やかなステージで大エンディングを迎えた。

そして『DAIENKAI 2026』の開催も決定! 東京ガーデンシアターにて、2026年7月31日(金)、8月1日(土)、8月2日(日)の開催史上最大規模となる3日間の開催に挑戦する。出演者の詳細は後日発表となるので、ぜひお楽しみに。

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鈴木 梢

(すずき・こずえ)1989年、千葉県市川市生まれ。出版社や編集プロダクション勤務を経て2019年からフリーランスに。主に日本のエンタメ/カルチャー分野の企画・執筆・編集を行う。もちもちしたものが好き。