正統派スタイルながら、独特な切り口を持った漫才で注目を集めるエバース。そのネタ作りを担当する佐々木隆史は、野球一筋の学生時代を過ごしてきた。現在は相方・町田和樹とともに漫才一本で強豪たちと戦う佐々木が、あのころの自分と重ねながら日々を綴る連載「ここで1球チェンジアップ」。
エバースと同じ東京NSC21期出身のネイチャーバーガーが先日、解散を発表。ユニット「三羽烏」など同期として切磋琢磨してきた仲間の解散を機に思い出した、NSC時代の苦い記憶を綴る。
落ちこぼれだったNSC時代
どうもエバース佐々木です。
同期のネイチャーバーガーが解散しました。
悲しさはありますが、こればっかりは10年一緒にやってきた上でこの決断をしたわけだから、俺らにはわからないいろいろな思いがあるのでしょう。だから笹本(はやて)にも三浦(リョースケ)にも、表面上だけ見て文句を言ってるヤツを見ると哀れな生き物だなと思います。
ただ今回の件で同期の辞めた芸人とかが、「東京NSC21期の唯一の生き残り、ネイチャーバーガーが解散しました!」ってポストしてて、僕らは死んでることにされてました。
大阪NSC出身の同期はフースーヤ、天才ピアニスト、エルフ、オフローズ、9番街レトロ・なかむらしゅんとめちゃくちゃ優秀ばかりなので、大阪の同期に負けないように東京21期として何年も泥水すすって、なんとか『M-1グランプリ』決勝に行ったのに、同期に認識すらされてなかったなんてびっくりですね。
たしかにNSC時代は落ちこぼれでした。卒業大ライブのパンフレットで使う宣材写真の撮影のとき、選抜クラスのエリートコンビたちはカメラ係の女性社員とキャッキャしながら10分くらいかけて何十枚も撮ってる中で僕らは、
「はい撮りまーす。OKでーす」
って10秒くらいで終わらせられるくらいには落ちこぼれでした。
あんなに楽しそうに写真撮ってた女性社員が一瞬で真顔になってて、こんな雑魚扱いされる?って町田に言ったら、
「人生ずっとこんな感じだからなんにも思わないなー」
って言われました。僕は聞こえてないふりをしました。
その女性社員は21期と社員の打ち上げ的な飲み会で酔っ払って芸人とキスとかしてたらしいです。キモすぎてゲロ吐きそうですよね。ちなみに僕らはその打ち上げに誘われてすらないです。それくらい落ちこぼれでした。
ダンス、発声、演技の授業は意味ないと思ってたので、ネタ見せ以外の授業は一回も出席せずに卒業を迎えた僕らは、その女性社員に呼び出されて、「私からあなたたちに仕事を振ることは一切ないので勝手にがんばってください」と言われました。
授業をサボってた俺らが100悪いから卒業できませんとか言われるのかと思っていたので、
「こんなキモいヤツの仕事受けなくて済むなんて、むしろラッキーだろ。逆になんでお前からの仕事が俺らにとってごほうびだと思ってんだよ」
って町田が言ってました。
ちなみにこの2年後くらいに社員は辞めてました。
いつかこの社員に会いに行って子供に、
「君のお母さんはね、すごい狭いコミュニティで自分が崇高な存在であると勘違いして、お気に入りだけを集めて楽園を築こうとした愚か者なんだ。君はこうなっちゃダメだよ」
と、教えてあげることが僕の死ぬまでにやりたいことリストの93個目くらいに入っています。
急いで92個消化しなきゃ!!
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