「美容院で数時間&数万円かけて、髪色や質感を海夢ちゃんとおそろいに」バニースーツ姿の“アニメヒロイン”レイヤーに聞いたコスプレのこだわり

2025.4.7
(左から)九条ねぎさん、月城せいにゃんさん、かのこさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模の同人誌即売会であり、2024年12月29日、30日の2日間で約30万人が来場した『コミックマーケット105』。東京ビッグサイトで行われた同イベントで、“バニースーツ”バージョンのアニメヒロインに扮したコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2025年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2024年後半に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模の同人誌即売会として知られ、2024年12月29日、30日の2日間で約30万人が来場した大型イベント『コミックマーケット105』に参加していた、バニースーツ姿が印象的なアニメヒロイン&ボーカロイドに扮したコスプレイヤーたち。

昨今のアニメやゲームでは、キャラクターに複数の衣装が用意されていることが多く、その中でもバニースーツは人気の高いコスチュームのひとつ。当然、コスプレ界隈でもバニーバージョンのアニメヒロインは人気で、大型イベントの場合、「午前中は制服などの通常衣装で参加。午後からは同じキャラのバニー衣装に着替える」といったスタイルで撮影&交流を楽しむレイヤーもよく見かける。

『コミケ105』には、もはや“バニー衣装の定番キャラ”とっても過言ではない『涼宮ハルヒの憂鬱』の涼宮ハルヒや、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の桜島麻衣に扮したコスプレイヤーが参加。さらに、コスプレを題材にした人気アニメ『その着せ替え人形は恋をする』の喜多川海夢や、バニーバージョンの初音ミクら(に扮したレイヤー)も駆けつけ、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。

「こだわったポイントは、地毛で再現した喜多川海夢ちゃんの髪型です。美容院で数時間&数万円かけて、髪色や質感を海夢ちゃんとおそろいにしてきました。バニースーツは私の体型に合わせて、アトリエダームさんにフルオーダーで作っていただいたものです。当日は大好きな海夢ちゃんになりきって、大勢の方に写真を撮っていただけて、楽しい時間をすごせました」(『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢/月城せいにゃんさん)

『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢/月城せいにゃんさん
『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢/月城せいにゃんさん

「“バニーガール先輩”とタイトルでも謳っているくらいなので、コスプレをするからにはバニースーツのクオリティにこだわりたくて、がんばって高級な衣装を用意しました。こちらのスーツを使って、ほかのバニーガールキャラのコスプレにも挑戦してみたいですね」(『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』桜島麻衣/雨下さん)

『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』桜島麻衣/雨下さん
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』桜島麻衣/雨下さん

「こちらは、初音ミクちゃんの“雪ミク”要素と“バニー”要素を組み合わせた創作コスプレ。オリジナル衣装を作るのは久しぶりでしたが、一からデザイン案を考えて、形にしていく作業は楽しかったですね。髪の毛につけた雪の結晶の飾りがお気に入りポイントです」(初音ミク[創作コスプレ]/九条ねぎさん)

初音ミク(創作コスプレ)/九条ねぎさん
初音ミク(創作コスプレ)/九条ねぎさん

「特に力を入れたのはウィッグの造形です。アニメーターのchannelさんが描かれたミクちゃんをイメージしながら制作に当たりました。胸のハーネスは原曲『ラビットホール』の煌びやかな感じを意識したもので、ネクタイのタイピンを立体的に仕上げたのも自分なりにこだわったポイント。光沢のあるダンス用タイツと粗めの網タイツの組み合わせもなかなかいい感じだと思うので、注目していただけるとうれしいです」(初音ミク[ラビットホール]/かのこさん)

初音ミク(ラビットホール)/かのこさん
初音ミク(ラビットホール)/かのこさん

「ハルヒは高校生のキャラなので、メイクは濃くなりすぎないよう気をつけて、リップの色はベージュピンク系でツヤ感を重視しました。その上でテーピングやつけまつ毛、アイラインで目尻を上げるなどして、普段よりつり目になるよう顔立ちを調整しています。衣装でこだわったポイントはタイツとうさ耳で、タイツに関してはツヤ感のある8デニールを黒タイツに重ねて、見た目のツヤツヤ感と防寒を両立させました。うさ耳は取れやすいので、コスプレイヤーの友達やカメラマンさんからオススメしてもらった貝印の強力アレンジピンで留めてみました。その結果、撮影中は一度もズレてこなかったので、試してみてよかったです」(『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒ/一弥さん)

『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒ/一弥さん
『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒ/一弥さん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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