『Quick Japan』vol.177(2025年4月9日発売)の表紙&第1特集に登場するVTuberユニット・ぽこピー(ぽんぽこ&ピーナッツくん)。
「Creation For Life=生きることは作ること」をテーマに、ぽこピーによる唯一無二のクリエイティブ精神を80ページを超える大ボリュームで掘り下げるこの総力特集では、ぽんぽこ×ピーナッツくんによる2万字以上のロング対談を掲載! 2匹がこれまでの活動、表現活動に対する姿勢、今後の展望についてを語り尽くす。ここでは、対談から一部を抜粋して先行公開。滋賀を拠点とする“個人勢”のVTuberとして、ぽこピーが独自の創作活動を続ける意義を紐解く。

「個人勢」を貫く理由

──事務所に所属せずインディペンデントに活動するメリットって、具体的にどんなものがありますか?
決定権が本人にあること。一番大事にしてることでもありますね。
そうだね。ライブもいろんな人に手伝ってもらってるけど、最終判断は絶対ウチらに委ねられてる。事務所に所属してる子に話を聞くと、コラボ相手の企業さんと直接しゃべる機会とか、本人たちにはないことが多いみたいで。
私はそういうのも全部把握してないと嫌なんですよね。コラボカフェにせよなんにせよ、本人が関わったら思うことが多すぎて。結局本業をタレントとしてるか、全部をしてるかの違いだと思うんですけど、私は全部含めて自分のやりたい仕事なので。
まあ、普通はできないですけどね。ぽんぽこさんだからできるんですよ。
そこに興味があるから。逆に人前に出るのにあんまり興味がなくて、どちらかというと、それこそ今回のQJの表紙や内容をどうするか、とか考えるほうが楽しいんですよ。
──ピーナッツくんはそこまででもない?
そうですね。前は裏方として動こうって意識もあったんですけど、最近はもうしんどくなってきて、演者としての意識が上がってきました。
すっかり「大先生」として開き直り出しましたね(笑)。
この場所だからできる、おもしろいこと

──こちら(滋賀県)で暮らしていて、どうしても都会と比べて情報が少なかったりすると思うんですね。ぽんぽこさんは映画に詳しかったりするから、どういうふうにアンテナを張ってるのかなと。
映画は『Filmarks』かなあ。自分が好きな系統の人をフォローして、その人が観たのしか観てないんで。インターネット様様。
でもぽんぽこさん、大阪に行ったり、都会に進出もしてますよね。
バイトはしてたね。ぽこピーの活動を始めてから東京に1カ月ぐらいレンタルスペース借りて住んだりもしたけど……やっぱり田舎のほうがいいなって思う。
コンビニも100均も、田舎のほうが大きいし品ぞろえがいいことも多い。東京に比べて売り切れるってこともあんまりないから、YouTubeで紹介しやすい話題の商品を買いやすいんですよ!
まあでも、遮断されてますよ、田舎は(笑)。
──どういうときにそう感じます?
おしゃれな雑貨屋とか見たとき。あと、ポップアップストアがあるじゃないですか、東京駅のキャラクターストリートとか。
流行りのキャラが全部いるから東京に行ったら必ず通るようにしてるんですけど、数年前にそこで初めて「ちいかわ」の大行列で人気を目の当たりにするみたいな。そういうのを滋賀にいると、ちょっと遅れてコンビニに商品が出てきてから知るぐらいの感じなんで。
──音楽だと「現場」みたいな言い方をするじゃないですか。ピーナッツくんはそのあたりの焦燥感はないですか?
初めはあったような気もするんですけど……一緒に音楽を作ってるnerdwitchkomugichanが、奈良でAge Factoryってバンドをやってて。
「やっぱり俺たちにしか見えない景色があると思うんですよ」みたいな話をしてくれたことがあったんです。そのとき言ってたのが、Tyler, The Creatorが作った……。
──Odd Future?
そう、彼らもアメリカの片田舎で活動してたりしてて。「田舎だからこそ出せる音とか景色があるから、それを表現したいんですよ」って。
それを聞いて、「なんかかっこいい〜!」と思って、そこからは自信がつきました。……まあ僕は原宿出身なんですけど!
──(笑)。じゃあ逆に滋賀を拠点にし続ける、積極的な理由は何かありますか?
最近倉庫を買ったのもそうですけど、とにかく「広い」っていうのはありますね。東京だと、3Dのフルトラッキングができるような広い部屋を借りようとすると家賃が高すぎるし、ロケをパッとできないのもキツい。
のびのび撮れる。
YouTuberだと、田舎に拠点がある人ってけっこういるんですよ。すしらーめん《りく》さんも廃校になった小学校を買ったり、水溜りボンドさんも、東京から車で行ける距離に土地を買って、そこに家を建てたり。場所があればあるほどおもしろいものが撮れるなと思うし、かつ人目につかないとなったら、田舎一択だなって。
──バーチャルという技術って、「場所から解放する」みたいなイメージがあるじゃないですか。でも、バーチャルなことをやってる人たちって、結局みんな東京にいる。
やっぱりスタジオが東京にあるからかなぁ。大阪にもあるっちゃあるんだろうけど、ウチらが使えるような規模のものはない。
それと、やっぱ配信ってひとりでするじゃないですか。たぶん、孤独を感じる人もめっちゃ多い気がします。東京でみんなが集まってご飯に行ったりしてるエピソードとかを聞くと、行きたくなるのかな〜と。
そう思います。でも、東京のその感じに巻き込まれたくもないというか。
わかる。私、けっこうなんでも断れないんですよ。「今日は編集したいな」と思っても、「今日ご飯行こう」ってなったら行っちゃうんで。でも滋賀に帰んなきゃいけないとなると、きれいに断れるというか。それもメリットですね。
対談の完全版はQJぽこピー特集号の誌面で!
ぽこピーによる唯一無二のクリエイティブ精神にフィーチャーする『Quick Japan』vol.177(2025年4月9日発売)は、ただいま予約受付中!
<ぽこピー特集内容>
●ぽんぽこ×ピーナッツくん2万字超ロング対談インタビュー
→巻頭企画では、ぽんぽこ&ピーナッツくんがこれまでの活動を振り返りつつ、生き方や創作に対する信念、今後の展望などを語り尽くす!
●SPゲスト対談:ぽんぽこ×カンタ(水溜りボンド)/ピーナッツくん×東出昌大
→2匹それぞれが敬愛する表現者とのSPゲスト対談も実現! それぞれが対談を希望したゲストの自宅を訪れ、「生きることは作ること」をテーマに語り合う。
●みんなで選ぶ!ぽこピーの好きな動画ランキング
→ファン投票で決まった「ぽこピーの好きな動画」ランキング上位を、2匹のコメントとともに大発表!
●クリエイターインタビュー
→『回覧板』チーム、音楽チーム、ビジュアルチーム、ぽこピーランドチーム…… 2匹の周辺クリエイター陣が「ぽこピーとのクリエイティブ」がもたらす意味について語るインタビュー。
●門外不出!ぽんぽこの編集術
→『ぽんぽこちゃんねる』の要となる、ぽんぽこの動画に対するこだわりを紹介!
●Behind Snap of『ぽんぽこちゃんねる』
→最近購入したフィルムカメラにハマり、日常の何気ない瞬間を切り取るのが趣味になりつつあるぽんぽこ。『ぽんぽこちゃんねる』の外にある世界をのぞいてみよう!
●ピーナッツくんのクリエイティブメモ
→アルバム『BloodBagBrainBomb』制作中の秘蔵メモから一部を特別公開。ピーナッツくんの混沌とした脳内が明らかに⁉
●ピーナッツくんを作った10のカルチャー
→ジャンルをまたいでさまざまなカルチャーモチーフが登場する、ピーナッツくんのリリック。その世界を構築した作品を厳選してお届け。
…and more!
QJストアではミニカード付き特別版がゲットできる!
『Quick Japan』が運営するECサイト「QJストア」購入者限定特典として、「ぽこピー ミニカード」も予定。ここでしか手に入らない貴重な特典となっている。
また、「QJストア」先行予約限定特典としてサイン入りチェキ(パペットver.)が当たるチャンスも。3月11日(火)までに予約いただいた方の中から抽選で1名様にプレゼントする。
