「筋肉スーツを自作してシルエットを再現しました」『キン肉マン』のキャラに扮したレイヤーたちに聞いた“コスプレのこだわり”

2024.10.21
(左から)桃天さん、まりんさん、アムロさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のガレージキットの祭典として知られるイベントの最新回であり、7月28日に千葉・幕張メッセで開催された『ワンダーフェスティバル2024[夏]』。同イベントで、新旧さまざまな人気ゲームのキャラクターに扮するコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2024年夏に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模のガレージキットの祭典として知られ、7月28日に幕張メッセで開催された大型イベント『ワンダーフェスティバル2024[夏]』(以下、『ワンフェス』)に参加していたコスプレイヤーたち。

プロ・アマチュアを問わず、誰でもフィギュアや模型といった造形物を出展・販売できる『ワンフェス』では、参加レイヤーたちが自作で用意したという衣装や武器からも“モノづくり”に対する熱意が感じられ、そうした点も多くのコスプレファンから支持されているポイントのひとつといわれている。

屋外に設けられたコスプレエリアをのぞいてみると、新旧さまざまな人気アニメのキャラクターに扮したコスプレイヤーたちが集結。開催時期にテレビアニメ新シリーズ「完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」が放送していた『キン肉マン』をはじめ、『北斗の拳』や『GS美神 極楽大作戦!!』、『ギルティクラウン』など、どの作品のレイヤーもこだわりの光る衣装を着こなしており、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていた。

「往年の名作アニメのリメイク発表が相次ぐなか、SNS上で“『GS美神』もリメイクしてほしい!”という声が上がっているのを見かけまして。このタイミングでコスプレをすれば、『GS美神』好きの方と交流できるかなと思って挑戦してみました。こだわったポイントは、特徴的な目尻のまつ毛です。重力に負けないようピンと張った状態をキープして、原作の雰囲気を忠実に再現できるよう工夫しました。また、今回は真夏のイベントということで、露出対策に加え、暑さ対策も万全の状態で参加したので、撮影&交流を思いきり楽しませていただきました」(『GS美神 極楽大作戦!!』美神令子/よしかさん)

『GS美神 極楽大作戦!!』美神令子/よしかさん
『GS美神 極楽大作戦!!』美神令子/よしかさん

「『キン肉マン』原作45周年&テレビアニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』放送記念ということで、同作に登場する超人血盟軍を友達と3人でコスプレしました。マスクは可能な限り小さくして、目は白目部分をメッシュ生地、瞳は磁石で再現。迷彩服はハリとシルエットが出るように接着芯を使用していて、筋肉スーツもミシンで自作しました。次はアシュラマンを製作し、年末にコスプレする予定です」(『キン肉マン』キン肉マンソルジャー/アムロさん)

『キン肉マン』キン肉マンソルジャー/アムロさん
『キン肉マン』キン肉マンソルジャー/アムロさん

「帽子の形が特徴的なので、忠実に再現するのに苦労しました。実は3回ほど作り直していて、今回の衣装の中では一番製作に時間がかかった部分になります。軍服は高級感が出るように、首元の飾りは樹脂で製作。肩章はパイピングを施し、服全体の裏地もしっかりと作りました。中に着込んでいる肉襦袢(にくじゅばん)の筋肉が目立つように、袖だけは裏地なしにするなど、シルエットの再現にもこだわっています」(『キン肉マン』ブロッケンJr./桃天さん)

『キン肉マン』ブロッケンJr./桃天さん
『キン肉マン』ブロッケンJr./桃天さん

「あごのデザインと頭巾の組み合わせ方に悩みました。最終的にコスボードでヘッドギアを制作し、その上に布を貼りつけることで、頑丈かつ形状を維持できる頭巾に仕上げました。首元のスカーフは両端に針金を通すことで、マンガのように立ち上がるデザインにしたのもこだわったポイントです。それともう一点、ザ・ニンジャは片目が黒く、影のようになっているキャラクターなので、スモークがかった下敷きを加工して、そちらの特徴も再現してみました」(『キン肉マン』ザ・ニンジャ/まりんさん)

『キン肉マン』ザ・ニンジャ/まりんさん
『キン肉マン』ザ・ニンジャ/まりんさん

「今回はポージングにこだわりました。このキャラの場合、裸足が一番写真映えすると思ったので、裸足になりつつ、脚を長くきれいに見せられるように背伸びもしながら撮影に挑みました。おかげで絶賛筋肉痛です(笑)」(『ギルティクラウン』楪いのり/はるの犬さん)

『ギルティクラウン』楪いのり/はるの犬さん
『ギルティクラウン』楪いのり/はるの犬さん

「通りすがりにパッと見ただけでも“『北斗の拳』のあのキャラだ!”と認識してもらえるよう、シルエットとポーズの再現にこだわりました」(『北斗の拳』トキ/アレキサンダーさん)

『北斗の拳』トキ/アレキサンダーさん
『北斗の拳』トキ/アレキサンダーさん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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