太田プロダクション所属芸人たちがしのぎを削るネタライブ『月笑』。来場者および生配信視聴者の投票によって順位と獲得ポイントが決まるため、毎月熾烈な争いが繰り広げられている。また、年末にはその年間チャンピオンを決める「クライマックスシリーズ」が開催される。
太田プロ所属芸人はG1〜G6のランクに分かれており、G3〜G6が『Jr.ライブ』、G1とG2が『月笑』でネタを披露することができる。ライブでの獲得ポイントによってランクの昇格や降格が決まるため、『Jr.ライブ』と『月笑』のメンバーは常に変動し続ける。
3月ROUNDでは、さすらいラビーが月間1位に。ゲストには『M-1グランプリ2023』準優勝のヤーレンズが出演し、仲のいいストレッチーズ、さすらいラビーとともにトークも繰り広げた。
さすらいラビーが頂点に輝き、ゲストのヤーレンズ登場時には衝撃のハプニングも『月笑』2024年3月ROUNDから傑作ネタ紹介【ネタ動画あり/写真25枚】
本記事では、『月笑』4月ROUNDを現地で見た筆者が、今回特に気になった芸人とネタを紹介する。
目次
ドリンクウォーター(G2):コンビニの客同士の小競り合いがヒートアップ
ガキ、中村平、カダハヤトによるトリオ。3月の『月笑』では前説を務めていたが、4月はG3からG2に昇格した。今回のネタはコンビニが舞台のコント。
レジの会計でもたつくおばあさんと、それに文句を言うヤンキー。ベタな光景かと思いきや予想外の展開へ。最初は悪がはっきりしていたはずなのに、だんだんよくわからなくなってきて、その混乱に惹きつけられてしまう。4月RONUD(G2)では見事3位となったため、次回はG1として出演となる。
センチネル(G2):ワイン好きの大誠に「ブルゴーニュ祭り」を体験させる
大誠とトミサットによるコンビ。4月から『深夜のハチミツ』(フジテレビ)のレギュラーとなり、トミサットは最近衣装が新しくなった。3月ROUNDは休演で、今回は2月ROUNDの結果を踏まえてG2で出演。
今回のネタは、大誠がワインにハマったことでトミサットが「ブルゴーニュ祭り」なるものを体験させてくれるというコントイン漫才。トミサットがいくつかの登場人物を演じ分けるが、どれも強烈すぎて大誠は翻弄される。ワインを作るためのぶどうを独占している悪徳企業がまさかの名前。4月RONUD(G2)では見事1位となったため、次回はG1に返り咲き。
ジョウダンアオナナテンパイ(G1):冨ちゃんは本当にドラゴン好き?
冨山麗璃、勝呂祐介によるコンビ。ネタ中は「冨ちゃん」「勝呂くん」と呼び合い、ふたりの独特な仲のよさを押し出したネタが多いが、今回はあまり関係性を軸としない漫才だった。
「ドラゴンが好き」と切り出す冨山に、勝呂がドラゴンに関するやたら専門的なクイズを出題していく。その問題があまりにも専門的なところもおもしろいが、好きだと言ったわりに全然詳しくない冨山の回答が大喜利として絶妙すぎる。4月RONUD(G1)では2位(それもまた一興と同率)となったため、次回も引き続きG1として出演する。
それもまた一興(G1):450万円の借金の使い道
五十嵐遊楽、松岡仁によるコンビ。今回のネタは借金取り(松岡)が借金を回収するために五十嵐の家に怒鳴り込むところから始まる。五十嵐は松岡から450万円ものお金を借りている。それをずっと返さずにいるどころかまだ借りようとして、なぜかその金額は都度500円。
なんのためにお金を借りているかが序盤で明らかになるのだが、その使い道や考え方が変。ふたりの会話によってどんどん見え方が変化していくネタだった。4月RONUD(G1)では2位(ジョウダンアオナナテンパイと同率)となったため、次回も引き続きG1として出演する。
サルベース(G1):グループ学習が起こした奇跡の化学反応
松山弘樹、折田智久、ともやっぷによるトリオ。先生(折田)が担任するクラスでグループ学習を始めるコント。秀才の松山とヤンキーのともやっぷはそれぞれペアを組めずにいたが、流れでペアを組むことに。
松山の教え方のうまさと、ともやっぷの素直さが化学反応を起こし、感動の展開へ。4分間に凝縮された怒涛の展開に引き込まれる。教え方のうまさと素直さのそれぞれがあまりに的確に表現されすぎている。置いてけぼりになる先生が効果的な存在。4月RONUD(G1)で見事1位となり、月間チャンピオンに。
さすらいラビー(G1):ビジネスマンに感化されたかと思いきや…
宇野慎太郎、中田和伸によるコンビ。中田が大学の同級生と飲んだときの話をする漫才。最初は、中田がビジネスマンの同級生に感化されて、聞こえがいいようなうっとうしいような話を持ち込んでくる。ところが感化されたわけではないようで、だんだんとブチギレ漫才へ。
最初のほうの引っかかりから構造が変わっていく流れがあまりに自然すぎて引き込まれる。たしかによく聞くような話だなと思う共感ポイントと、さすらいラビーの叫びが相まって最高すぎる。4月RONUD(G1)では4位となったため、次回も引き続きG1として出演する。
紹介するのは以上となるが、ほかにも今回の『月笑』G2は、杉並スラッシャーズ、ライオンロック、ロックス、G1は群青団地、サノライブ、ストレッチーズ、青色1号といった実力者が勢ぞろい。さらに今回MCを務めたアイデンティティと、自社ゲストとして宮下草薙、そして他社ゲストとして四千頭身もネタを披露した。
宮下草薙は、普段あまり傘を持たないという草薙が、宮下の傘に入れてもらうのが気に食わない話をする漫才。即興的に草薙が宮下に文句をぶつけ続け、宮下はそれをたしなめるようにツッコみ続ける。終盤には「これはお笑いじゃないから」とサンパチマイクを片付けようとする場面も。ふたりのキャラクターそのままのやり取りを存分に堪能できる漫才だった。
エンディングでは、サノライブは自身の単独ライブ『オリジナルス』(5月27日(月)開催)のチケットがあまりにも売れていないと嘆き、終演後には手売りも行われた。
今回の『月笑』は、4月22日(月)21:00まで視聴可能なアーカイブ配信を販売している。また、5月ROUNDは5月13日(月)19:00から、シアターマーキュリー新宿で開催予定となっている。前回から生配信の視聴者も投票ができるようになったため、来場できない方もぜひ生配信をご覧いただきたい。
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