『“きゃみ”はどこから来たのか』【Aマッソむらきゃみのグルメ連載「今月のスープ」#8】


「ちょっとよかったあの日」の記憶を唯一無二の筆致で描くAマッソ村上によるファンタスチックな回顧エッセイ。連載第8回目となる今回は世間を賑わせたむらきゃみ改名のお話。改名を決心してから“むらきゃみ”に生まれ変わるまで、むらきゃみ本人しか知らないストーリーがそこにはあった。

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今月のスープは「sopa de ajo(ソパデアホ)」

【材料】
・水…400cc
・コンソメ…小さじ2
・にんにく…2カケ
・バゲット…2スライス
・オリーブオイル…大さじ2強
・卵…1個
・塩コショウ…自分がええと思う量  
・パセリ…好きずきに〜  
【作り方】
①にんにく薄切り、バゲット手ちぎり。
②鍋にオリーブオイルをタランティーノしてにんにく炒め。
③バゲットも加えオリーブオイルを馴染ませたらパプリカパウダーIN!
④水、コンソメを入れて煮て溶き卵を入れて塩コショウで味を整えて完成!
⑤器にそそぎパセリをどーぞ!

スペイン料理のソパデアホです。はじめまして。
旨みと香りがbienな、にんにくスープでございますよ!
ニンニクは滋養強壮に良いのでスペインではソパデアホを、風邪の引き初めに飲むそうです。

うちからも「はじめましてー!」と言わせていただきます。

そういえば“村上”もマイルド改名だった

2024年2月21日水曜日(赤口)に
村上改め《むらきゃみ》に芸名を改名いたしました。
名前にインナーを着せたりましたわ!
汗吸うてくれてええですわ!
これから笑いの温度調整も上手いことできそうですわ!
きゃみっていきますんでどうぞ今後ともご贔屓にしてくだせぇ。
そんな急にむらきゃみになるって言われても〜受け入れ難し〜ってなる方もいると思います。

“むら”は馴染みあるからええけども、“きゃみ”ってなんやのん?何をされてる方なの?って怪訝に思う方もいらっしゃるとは思うんですが、そこはグッと堪えて、「グノシー」って一回唱えていただき心を落ち着かせてから試しに“きゃみ”って10回声に出して言ってみてください!

ほ〜ら、文明開化の音がしたね!
ざんぎり頭になったね!
きゃみ維新を受け入れられたね!

2010年4月Aマッソ結成当初は芸名をつけるという発想に至りもせず、村上愛という本名丸出しで芸人活動をスタートさせた。加納愛子と村上愛、どちらの名前にも“愛”が入っているLOVE×2すぎなコンビAマッソ。同級生ってこともあり愛って名前が流行った年代なんやなぁ〜と一目瞭然で恥ずかしかったし、本当の愛を知らない二十歳そこらの小娘にゃ、愛は偉大すぎて重かった。恥ずかしがピークを超えて、本当の愛を知った頃には逆にW愛でいいやんってなりそうでなってない時に芸名を加納と村上に変えた。セミロングからショートカットにしたようなスッキリさ!なんの支障も出なけりゃ、元から芸名は苗字だけでしたよ〜って感じのナチュラルさ!すばり!ショートカットが似合っていた。

うちは芸人仲間からは大体、村上や村上さんと呼ばれている。マブになると村上を主体としたあだ名で親しみを持って呼んでくれる仲間が数人いる。

紺野ぶるまからは“むらぴー”と呼ばれている。
昔のあだ名が“あいぴー”だったからアレンジしてそう呼んでるのか、放送禁止用語を発しているのかは謎である。

ヒコロヒーからは“むーらん”と呼ばれている。
キャバレーの女味を感じたのかアジア顔丸出しだからかは謎ではある。

足腰げんき教室のうちだすぺしゃるはーたみんからは“むーちゃみ”と呼ばれている。
10年以上後輩でこれは完全にナメ腐っているので電気あんまの刑である。

足腰げんき教室うちだすぺしゃるはーたみん(右)

例外で虹の黄昏の野沢ダイブ禁止からは“ドゥーーーーン子”というあだ名で呼ばれている。
村上→村上ショージ→村上ショージさんのギャグ「ドゥーン」→女やから子を付けたら=ドゥーーーーーン子になるつーわけ!MAXヨイショー!てな感じでメイク前のババァが連想してできたあだ名である。

“茶お”かもしれなかった

むらきゃみになりみんなどう呼んでくれるのだろうかとワクワクしている。
今は新たな一歩としてワクワクしているけども、むらきゃみに決定するまでにまぁ悩んだ。

そもそも改名しようと思ったのは去年の10月頃伊勢に旅行へ行った時にありがたいことに数人から声をかけてもろたんですが「Aマッソの人や!」とか「Aマッソの左の子や!」と現状名前を覚えていただけていないということが的確に発覚!そうなったら、うちの中のはっきり言って改名した方がいいんじゃないか委員会の会長が黙っておらず「改名してみよ〜う!」と改名指示が出された。

そこからなんとなく考えてはいたが、年末ごろにはすっかり忘れていた。

2024年1月1日を迎え{やっぱり元旦は結婚報告が多いな〜安住さん結婚か〜}なんてゴロゴロしながらテレビを見ていた時に、{はっ!そういえば!改名してみよ〜う!って指示されてたやん!うちも改名して報告しなきゃ}と安住さんキッカケで思い出してそこから再び本気で考え出した。

近頃のうちはスピっている。まずはJR新宿駅南口すぐの占い館アゥルタームに行き姓名判断をしてもらう。「リサです。よろしくお願いします」と占いの先生に挨拶していただき、こちらも「お願いします」と返すと「関西?」と聞かれ「はい、大阪です」と答える。「イントネーションですぐわかるぅ〜!私も元々関西やねんけど〜関西弁の方が良かったら関西弁使うしぃ、標準語で喋った方がよろしかったら標準語にしますよ」とバイリンガルを見せつけてきた。「どっちもでお願いします」と冗談ぽく言うと「わかりました。⤴︎そうしましたら改名候補の⤴︎お名前はありますか?⤵︎」と標準語と関西弁のイントネーションを織り交ぜながら占いがスタートした。すぐに要望に答えてくれてこの人は信用できると確信した。

うち   「今の芸名が村上なんですが、村上は良いのか悪いのか聞いていいですか?」

リサ先生 「そ〜ですね〜村上は〜10画で最凶ですねぇ」

うち   「最強?いいってことですか?」

リサ先生 「いいえ、遭難、病弱、短命とあります。早急に変えた方がいんじゃない?」

うち   「一応10年以上村上でやってきたんですけどね?」

リサ先生 「死んでなくて良かったわね」

うち   「うぎぃ!そんなよくないんですね!ちなみに、相方が加納って芸名なんですがどうですかね?」

リサ先生 「加納さんは15画ですね〜最上位の大吉ですね!」

うち   「え!めっちゃいいやん!」

リサ先生 「福寿、円満、上位、引き立て、繁栄、徳がある方ですね」

うち   「Aマッソってちゃんと加納さんで成り立ってたんや〜!!」

リサ先生 「うん、あなたが足を引っ張ってると思う」

うち   「そんなハッキリ言わんとってくださいや〜」

この時点で早急に改名をしようと心に決める。
先生曰く、ひらがな“むらかみ”がまぁまぁ良くて、
カタカナ“ムラカミ”、あいぴーはやめといた方がいいとのこと。

少しばかり、全然違う名前になってみたい気持ちがあったので“チャオ”はどうかと尋ねてみる。

リサ先生 「チャオですか?イタリア語ですね」

うち   「はい!イタリアの風吹かせてます」

リサ先生 「うふふふふふ(愛想)チャオは8画で良いですが、そこまでTOPに上がっていく感じじゃ無いですね〜いくならおもっきりいきたいでしょ?」

うち   「バコーンいきたいですね」

リサ先生 「そしたら捻りを入れてチャオに漢字を入れましょう!」

うち   「チャオに漢字?」

リサ先生 「お客様は芸人さんだから何それ!?みたいなのがねいいでしょ〜“茶”に“お”で“茶お”ってどうかしら?」

うち   「お茶すぎません??」

リサ先生 「16画は人の上位となり、成功、衆望、繁栄……絶対おすすめな気がしてきました。うん、これがいいと思います。茶おってペットに付けそうな名前やん、MIX犬にいそうでいいやん!」

うち   「うちのこと犬にしようとしてるやん!」

リサ先生 「漢字とひらがなのMIX犬やん!」

うち   「輪ん!」

まぁ〜うちは犬好きやし、犬になりたかった時もあったので“茶お”は有力候補として改名会議に挑む!

そして村上は改名会議へ

改名会議は加納さんとYouTubeスタッフ、そして改名の先輩としてトンツカタンお抹茶、そしてさらに元々変な芸名をつけていた勇気ある事務所の後輩モチダ・ポ・ソフィを招いてスタート。「占いに行ってもろてきた有力候補は“茶お”です!」と得意げにみんなに伝えると、みんな顔をしかめ難色を示していた。

お抹茶は元々“菅原 好謙”とバカ正直に本名でやっていた。人力舎の事務所の先輩である鬼ヶ島のアイアム野田さんからいくつか改名候補をもらって、その中にあった“抹茶”をテイスティングしてちょっとばかし味が薄いと思って「お笑い」から一文字「お」をいただきトッピングして“お抹茶”になったそうな。『R-1グランプリ』の決勝に進出できたのはお抹茶に改名して調子が上がったからなんじゃないかなと思っている。

ほな、うちも改名案のセンスがある鬼ヶ島のアイアム野田さんから改名候補をいただくため電話してみる。すると、うちのイメージが明るく酔っ払っていた女だから“ハイジ”がいいと伝えられた。お抹茶が調子が出ているから、最初は“ハイジ”いいかも!と思っていた。うちも「お笑い」から「お」をもらって“おハイジ”にしてもいいかもなんて案もあった。お抹茶にハマっちゃえ〜と聞いてからうちはお抹茶の術中にハマっている!全てお抹茶に従いたい気分になってしまっていた。

でも、すぐにちゃうわってなった。お抹茶はアイアム野田さんにお世話になってるから改名候補を頂いた訳で、うちは野田さんにお世話になっていない廃児つーわけですわ。

会議のテンポについて来れていなかったモチダがついに口を開いた!「カタカナの名前の方が可愛くないですか?村上さんに合ってる気がしますぅ〜」そこから好きなカタカナを聞かれ「ヌ」と答えたら「ヌピー」はどうですか?と割といい案を出してくれた。最後に会議中にでた改名候補でどれが一番いいかと聞くと「きゃみがいいですね」と答えていた。カタカナをゴリ押ししていたのにひらがなを選んでいてどうゆうつもりでしょうかね。カタナでしばきたいですね。

「ウッチャン、スヌーピー、ラムネ、ソソ、ワカメの唐揚げ、女抹茶、♡ぴー」などなどたくさん候補が出たが決めきれずに会議が終わってしまった。後は、己を信じて運気がよくなる芸名を選び、なる早で事務所に報告をしなければならなかった。

優柔不断なうちは家に帰りすぐにハズバに相談していた。

うち  「芸名どんなんがいいと思う?」

ハズバ 「村上フリーダムどう?」

うち  「なんで?」

ハズバ 「朝帰りするから」

うち  「へへへ〜ありがとねぇ〜もうちょっと一人で考えてみるね」

聞く相手を間違ったみたいだ。危ない、危ない。
遠回しに説教が始まるところだったぜ。危ない、危ない。

一人で考えてもにっちもさっちもで、子供の感性を取り入れてみようと思い妹に電話をかけて姪っ子と甥っ子に代わってもらい「うちにあだ名つけて〜」とお願いしてみると「あいちゃんあいちゃん」というあだ名をつけてくれた。ただ癒されただけ( ´∀`)ラブ

もう最後は運!改名候補を3つまで絞りこみ、人形に名札をつけて「どれにしようかな〜♪」でむらきゃみに決定!!!きゃみーん!(決めポーズ)

2024年2月21日AM8:00に改名とSNS開設のYouTube動画とネットニュースが出た。

その日はネットニュースを見てもなぜか他人事のようで、うちの芸名が“むらきゃみ”になった実感がなかったが、改名して次の日に収録があり、お水のペットボトルに“むらきゃみ様”って書かれたシールが貼られていて、その中の水を飲み干したときにやっとこさうちは“むらきゃみ”になったんだと実感した。

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むらきゃみ(Aマッソ)

1988年生まれ。大阪府出身。Aマッソのボケ、ツッコミおよびグルメ担当。2024年2月21日に「村上」から「むらきゃみ」に改名。

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