『R-1グランプリ2024』ファイナリスト決定。芸歴20年で初決勝の街裏ぴんく「いつか人生変えてやるぞと今までやってきた」

2024.2.12
R-1グランプリ2024

文・編集=梅山織愛


史上最大の“ピン芸日本一決定戦”『明治プロビオヨーグルトR-1presents R-1グランプリ2024』の準決勝が2月11日(土)に行われ、22代目王者を目指すファイナリストが決定した。

昨年まで3大会連続で設けられていた「芸歴10年目以下」という制限が撤廃された今大会。決勝にはサツマカワRPG、トンツカタンお抹茶、kento fukaya、吉住、寺田寛明、真輝志、どくさいスイッチ企画のほか、芸歴16年目のルシファー吉岡、20年目の街裏ぴんくも進出を決めた。

お抹茶にハマっちゃ……え~

準決勝の直後に行われた会見では、ファイナリストが決勝進出への思いをコメント。(吉住はドラマの撮影のため欠席)会見のMCは、同大会2010年王者のあべこうじと2011年王者の佐久間一行が務めた。

3年連続で決勝進出を決めたサツマカワ。これまでは観客にウケることを意識していたが、今年は審査員にウケることを意識してネタを作ったそう。準決勝を突破し、「マジでうれしいです!」と笑みを見せるも、「今年は勝ちますよ!」と、決勝に向けても気合じゅうぶん。

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サツマカワRPG

2016年から2020年まで連続で決勝に進出していたルシファー。久しぶりの『R-1』とはいえ、今回で6度目の決勝ということで、「リハから本番までの間をどう過ごそうかなと考えています」と余裕を見せる。過去には「空き時間でそばにあった大江戸温泉(物語)で一回お風呂に浸かったんです。そしたら本番前にちょうど眠気が襲ってきて、そのまま本番を迎えた」という失敗もあったため、「今回は日光浴ですね」と、計画を明かした。

初の決勝となるお抹茶は、「お抹茶にハマっちゃ……え~」とギャグで喜びを表現。微妙な空気を受け、MCの佐久間が「どういう意味ですか?」と尋ねると、「お抹茶にハマってほしいので“お抹茶”と“ハマっちゃう”がかかってまして」と解説した。しかし、それを踏まえて再度、「お抹茶にハマっちゃ……え~」を繰り出すも、会場にはまたも微妙な空気が流れた。

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トンツカタンお抹茶

2021、2022年に決勝を経験しているkento fukayaだが、「今回はしんどかったです」と、ここまでの道のりを述懐。ユニット「らぶらいken」として活動している今井らいぱち、らぶおじさんとともにがんばってきたそうで、「らぶおじさんは2回戦で2分間で落語を全部言う『高速落語』をやって、MCのしましまんずさんに『らぶおじさん、非常に無謀なチャレンジでした』って言われてた。そんならぶおじさんの気持ちも背負ってがんばりたいです」とコメントした。

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kento fukaya

真輝志、昨年王者との約束を果たすために

芸歴20年目の街裏ぴんくもついに決勝へ初進出。2022年に開催された『Be-1グランプリ』(『R-1グランプリ』の出場資格がない芸歴11年目以上の芸人の賞レース)で優勝経験があるが、「(『Be-1グランプリ』で)50万円賞金をいただいたんですけど、ほんとに貧乏すぎて、賞金をもらった次の日にバイトの面接行ったりとかしてたんで、『いつか人生変えてやるぞ』と言いながら今までやってきました。なので、当日は決勝のステージを桃色に染め上げたいと思います」と、『R-1』にかける強い想いを語った。

4年連続での決勝を決めた寺田は「自分が決勝に行けたからじゃなくて、お抹茶が決勝に行ったのがうれしすぎてボロボロ泣いちゃいました……」と、初めてファイナリスト発表で涙を流したそう。これにお抹茶が「本当におまっちゃいますよね」と照れ笑い。「ハマってないよ!」と周囲からヤジが飛んだ。

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お抹茶と寺田寛明

昨年の優勝者、田津原理音と親交の深いという真輝志。「去年1年間、定期的にツーマンを開催して『優勝しようね』って言ってたら、ちょっとやらせみたいなことありましたけど向こうが優勝して……。なので理音さんとの約束を絶対に果たすために、今年はみんなで話し合って優勝者を決めたいと思います」と語る。これに佐久間からは「みなさん受け入れないでください。やらせじゃないです」と訂正が入った。

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真輝志

「ライブハウス・楽屋Aから来ました」と、元気よく自己紹介をした、どくさいスイッチ企画。普段はサラリーマンとして働いているため、「テレビで観ていた方々と肩を並べることができて本当にうれしく思っております。粗相がないように精いっぱい努めますので、よろしくお願いします」と、しっかりとあいさつをした。

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どくさいスイッチ企画

街裏ぴんく「漫談で魅せたい」

会見ではネタ順を決める抽選も実施。ネタ順は、1番・真輝志、2番・ルシファー吉岡、3番・街裏ぴんく、4番・kento fukaya、5番・寺田寛明、6番・サツマカワRPG、7番・吉住、8番・トンツカタンお抹茶、9番・どくさいスイッチ企画に決定した。

ルシファーは、芸歴制限で出場できなかった期間について聞かれ、「再開するということは全然予想がつかなかったというか、3年で戻ってることはないよなっていうのはあったんで、普段どおりネタを作って過ごしてた。でも、11月に発表があったので、ちょっと発表遅いよなみたいに思いながらも、出ようと決めました」と振り返った。

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ルシファー吉岡

同じく、久しぶりに『R-1』に出場した街裏ぴんく。「(漫談で)あべこうじさんが優勝して、濱田(祐太郎)くんが優勝してくれたんですけど、ここから6年空いてまったので、やっぱり漫談すげえなと思わせるために、全力で行きますんで、よろしくお願いいたします!」と、あべの前で漫談での活躍を誓った。

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街裏ぴんく

決勝戦は3月9日(土)午後6時30分よりカンテレ・フジテレビ系全国ネットで生放送される。

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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハーなので、いろいろハマりますが、アイドル、お笑いが特に好きです。あと、チョコレートも詳しいです。

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