何度浮気されても「一緒にいてくれるだけでじゅうぶん」と思い、結婚。離婚した今だからこその後悔

本日は晴天なり

ピン芸人・本日は晴天なりによる連載「バツイチアラフォーの幸せだけじゃない日常」

昨年末に結婚したことを自身のYouTubeで発表したが、その際、実は離婚経験があることも明かした本日は晴天なり。離婚の原因は山のようにあるというが、そのひとつが相手の治らなかった浮気癖。6年間の交際の中で彼女がされた浮気や浮気未遂事件を語る。

信用するべきではなかった出会い

私は一度、離婚している。よく「なんで離婚したの?」と聞かれるが、理由はひとつだけではない。いくつもの要因があって糸が切れた……そんな感じだ。しかし、その中でも浮気癖に関しては、結婚する前からその片鱗が見えていた。

マッチングアプリなんてきれいな言葉がメジャーになるずっと前、私は元旦那と出会い系サイトで知り合った。“出会い系サイト”というのもずいぶん聞こえよくいってるほうで、実際は、ネット版の汚い路地裏のような場所だった!

ツイッターはリア友が見てるから弱音や愚痴はつぶやけない……。そんなやつらが誰かに聞いてほしくて、慰めてほしくて、出会いが欲しくて、意味深なひと言とメッセンジャーアプリ(LINEやカカオトーク)のIDを書き残していく。

私はこの路地裏のような出会い系サイトを観察したり、書き込んだりするのが好きだった。悪趣味だったと自分でも思う。

ある日、ストレスが限界を超えたときに「みんな死ね!」と書き込んだら、「何かあったんですか? 俺でよければ話聞きますよ」と連絡が来た。それが元旦那である。

昔から“ネット上で信用してはいけない言葉No.1”、それは「僕でよければ話聞きますよ」である。

出会いからしてもうダメじゃん、と思う人もいるだろう。でも、結果的に離婚したとはいえ、6年近くの交際の末、結婚まで辿り着いたので、クソみたいな掲示板で出会ったわりにはちゃんとした交際だったとも思っている。

ごみ箱に残された証拠

付き合って1年も経たないうちに、最初の浮気が発覚。相手は職場の後輩だった。その子はもうすぐ結婚する予定なのだが、マリッジブルーになってしまったので、相談を受けているという話は聞いていた。

会社の異性とふたりだけで会って「相談を受けている」というのは、“社会人彼氏の信用できないセリフNo.1”である。

実際、そのころの言動はずっとおかしかった。婚約者の愚痴を聞いているというが、会っている場所はカラオケ。わざわざ? 密室だよ? 薄暗いんだよ? 居酒屋とかでよくない?

ある日、私が彼の家に行ったとき、なかなか帰ってこないので、「いつ帰ってくるの!?」「誰といるの!?」と連絡したら、「後輩といる。心配で置いて帰れない」と返信が来た。彼女より後輩を優先することに腹が立ち、「じゃあ、もう別れる! 帰る!」と連絡をしたら、追いかけてくる様子もなく「悪い冗談やめてよ」と返信が来た。結局、このときは私が折れることになってしまった。

しかし、その1週間後。やっぱり浮気だったことが判明した。

彼はその後輩とLINEではなく、キャリアメールでやりとりをしていた。そして、そのメールは抜かりなく、ゴミ箱に入れていた。だけど、そのメールはバッチリとゴミ箱の中に残っていて、確実に後輩が家に来て、確実にセックスしたであろうやりとりがガッツリ残されていた。今でも思い出せるくらいその内容は鮮明に記憶しているが、胸糞悪いので割愛する。

ちなみに私はそれまでも歴代の彼氏の浮気をスマホの中を見ることで、暴いてきた。「浮気はバレなければOK! その代わり、こっちも全力で暴きにいくから!」というのが私のやり方であり、本人にも伝えていたので、マナー違反だとは思わないでほしい。

浮気発覚で繰り広げられた壮絶な攻防

証拠のメールを自分のケータイに転送し、言い逃れできない状況の中で問い詰めた。あっさりと事実を認めた彼は顔色がコピー紙ぐらい真っ白になってうなだれていた。

しかし、今すぐ「彼女にバレたからもう会えない」と相手に伝えるように言っても、「もう遅い時間で迷惑がかかるし、週末にならゴニョゴニョ……」と、一向にかけようとしないので、「じゃあ、私がかけるね!」とスマホを奪おうとすると、彼はガッツリとスマホを掴み、離さない。

「離してよ!」そのままスマホごと彼を引っ張って、アパートの外まで引きずり出した。そして、アパート前のアスファルトに投げ飛ばした。彼はズサァァーと派手に転び、その勢いで私のブレスレットが引きちぎれ、バラバラになって散った。こんなの嘘だと思うかもしれないが、彼は私より10センチ身長も低かったし、瘦せ型だったので、怒りに身を任せたら案外簡単にブン投げることができた。

私がちぎれたブレスレットのパーツを拾い始めると、彼も無言で手伝い始めた。「これも、いつか笑える思い出になるのかな?」。私がそう言うと、「そうかもね」と彼は言った。

ふたりとも冷静になり、部屋に戻って話し合い。彼は転んだときに打ちつけたのか、ずっと肩を押さえていた。

浮気相手はマリッジブルーの真っ最中、そこにつけ込んだ犯行だった。

「電話するのはとにかく嫌だ」と言うので、仕方なくメールで連絡させると「本気で好きになりかけてたのにひどいです」と返信が来た。彼女の立場からしたら、本当にそうだろう。浮気相手とはいえ、むしろ彼女も被害者でしかないなと思った。彼女がいることも知らされてなかったのだから。

彼に浮気をした理由を聞いたら、「料理とかなんにもしてくれないから」と言われた。私は親から「人んちの冷蔵庫を勝手に開けるのはマナー違反だ」と言われて育ったため、交際を始めて数カ月経っても、人の冷蔵庫を開けることに抵抗があった。だから、それまでも断続的に料理を作ってあげるようなお付き合いをした経験がなかった。それに、私は料理が得意じゃない。どちらかといえば嫌いだった。とはいえ、「まず作ってほしい」とも言われてないし、そもそもやってほしいなら浮気するんじゃなくて、まずは「料理してほしい」と言えばいいだけの話だ。

それでも私はここで別れなかった。歴代彼氏ほぼ全員に浮気されたり、二股されたり、すぐに捨てられたりしたことで恋愛不幸癖がついており、“浮気は遊びで、私には本気だよね……?”とか、“今は2番目でも一緒にいたら、いつか1番になれるかもしれない”とか、恋愛についてのスイッチがぶっ壊れていた。

なので、このときも“そうだ!片思いだと思えばいいんだ!彼を片思いの人だと思えば、一緒に過ごせるだけで幸せ者じゃん!”と思い込むことで、側にいることを選んだ。

何度もつづいた浮気未遂

そのあとも結婚するまでの6年間、確定ではないが浮気未遂や浮気しててもおかしくないような出来事は数多とつづいた。一緒に住めば家に連れ込むこともないだろうと思い、同棲を始めたが、浮気を疑う事例はいくつもあった。

・地元の結婚式に呼ばれて帰省する際、あらかじめ地元の出会い系サイトの書き込みをスクショ
女性が「週末に、〇〇駅で会える人募集します」と書かれたメッセージと共にLINEのIDを載せていた。それを2、3人分スクショして地元に帰った際に会おうとしていたのだろう。実際、その書き込みの主と会えたのかはわからない。私はこれを結婚式から帰ってきたあとに見つけ、ひどく落ち込んだ。

・大学時代の後輩の女の子が東京に来るというので、ホテルを取ってロビーで待ち合わせ
私に一切報告なしに約束をしているだけでもういい気分はしないが、ホテルを取ってあげた上にロビーで待ち合わせしていた。そのあと、LINEに「素敵なところに連れて行ってくれてありがとう」と後輩からのメッセージ。これも問い詰めたが、何もしてないの一点張り。食事をしただけだと。ホテル取って、ロビーで待ち合わせするって何!? もし本当に食事だけだとしても、真相としてはワンチャン誘って断られたんじゃないのか?

・友人の結婚式の2次会で出会った女を終電後、家から真逆の場所までわざわざ1万円以上かけてタクシーで送迎
結婚式後、何度連絡しても既読にすらならならず、帰ってきてから咎めると、相手がベロンベロンの泥酔状態で、「心配で置いて帰れなかった」とのこと。マリッジブルー後輩のときと同じセリフだが、もうここまでくるとただの善意ではないとわかる。相手がベロンベロンなら絶対にタクシーでおっぱい揉んでるだろ!と思っていた。

本当に誰とも浮気していないのかもしれない。だけど、断られてできていないだけで、相手がOKしてたら即浮気が成立するような行動や、本気で口説いてなくともあわよくばという思いが透けて見える行動が本当に多かった。

浮気=体の関係に限って話しているが、そもそもこんな行動、普通は体の関係がなくてもアウトである。

ちなみに彼は、結婚してからも私のことを友達にも職場にも言わなかった。「冷やかされるのが嫌だから」と言われたときは「中学生かよ!」と思ったが、私も公にしていなかったので、渋々受け入れた。女友達や元カノに思わせぶりな態度を取っているのも知っていたので、その理由が真意じゃないことも知っていたが。

彼の愚行を見つけるたびに、私にもう愛情がなくて新しい子を探しているのかと思ったが、私とは本気だという。そんなの「本命とは別に遊び相手が欲しい」と言っているようなものだけど、恋愛不幸癖のある私は、虚しくもうれしい気持ちになってしまう。

そんな思いの延長で“こんな私と一緒にいてくれるなんて、それだけでじゅうぶんだ”と考え、結婚を決めるのだった。

だけどある日、この浮気癖がついに100万円という大金を動かす事態に発展する。それが、離婚に踏み切るきっかけになるのだが、それはまた次回のお話で。

つづきはこちら

浮気して被害者ムーブ、「出会い系は暇つぶし」何度も裏切られた私が、離婚を決断するまで

離婚報告動画

この記事の画像(全2枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

本日は晴天なり

Written by

本日は晴天なり

太田プロダクション所属のピン芸人。キャバクラバイト歴10年、身長173センチの長身女子。推し事が中心の日常も、YouTube『本日は晴天ちゃんねる』にて垂れ流し中。

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。