aikoがラジオの魅力を語り尽くす。マツコ「異常だなって(笑)」(マツコの知らない世界)

トップ画像=『クイック・ジャパン』vol.154より

文=てれびのスキマ 編集=高橋千里


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『マツコの知らない世界』(4月11日放送)

意外にもマツコとはテレビ初共演のaikoが「ラジオの世界」をプレゼン。

ラジオを「ひとりの時間を満たす優しい場所」と表現するaikoに、「『優しい場所』っていうのがaiko節」とマツコ。

「ずっとテレビを観てて、誰よりもテレビが好きになって、今こうしてテレビで働いてる。あたしの人生の9割くらいはテレビでできている」というマツコに対し、「小学4年のころから、サンタさんがくれたラジカセでラジオを聴き、寂しさを埋めてきた」というaiko。

このころ、母が家出し、スナックをやっている親戚の家で育てられたといった境遇が語られ、マツコ「『いつみても波瀾万丈』?(笑)」。

マツコも「本当にラジオを支えに生きてきたのね」と唸るaikoのラジオ人生をひとしきり聞き、彼女のデビュー当時のラジオ出演を追ったVTRを観て、マツコは「テレビに出ている表側だけしか知らない人にとっては、まさかのキャラクターよね。この“スナック感”というか」と彼女を評す。

aikoは『ナインティナインのオールナイトニッポン』の「岡-1グランプリ」や、『お坊さんミュージック』、『オリエンタルラジオのオールナイトニッポンR』の「神回」としてマジゲンカなどを紹介。マツコがケンカの件を知らないのが意外だった。

また、「ストーカーDJ」下埜正太、「爆笑女王」谷口キヨコ、「ワンオペDJ」ヒロ寺平といったパーソナリティや、ジングル、ハガキ職人などもプレゼン。

ハガキ職人では、aikoの熱烈なファンである「グッドファーザー」のaiko結婚後の投稿が紹介されると、マツコは「あたしの心のどっかで、自作自演じゃねぇのかって疑いはあるからね」「それぐらいやってもおかしくない女だって」と笑う。

そんなプレゼンをすべて聞いた上で、マツコはaikoを評して言う。「異常だなって(笑)。ますます好きになりました」。

最近は「タイミングさえ合えばいろんな人のラジオに出たい」と思っているとマツコも言っていたので、わかり合っているaikoとがっつりラジオで話しているのを聴きたい。

『マツコ会議』(4月8日放送)

ゲストは、マツコと『5時に夢中!』で約4年間共演していた大橋未歩。

テレ東のエースとして活躍していた彼女は、34歳のときに脳梗塞で倒れ、8カ月休職。そのとき「脳のことは98%わかってません」と医者に言われたことで「なんでもやってみたらいい」という心境になったという。

その後、10歳年下の後輩ディレクター・上出遼平と結婚。39歳でフリーになり、今春、渡米を決意した。

「こんな人生を歩むようになるって、自分でなんとなくわかってた?」と聞くマツコ。大橋が「今でも意外です。もっと平穏無事に生きていく予定だった」と答えると、マツコは「あたしが気づいたときには、あなたって、ひとつも平穏無事だったことがないんだけれど」と笑う。

一方で「波瀾万丈なんだけど、ちゃんと地に足が着いている」「流されてなってるわけじゃない感じ」と評価。

「安定が怖い」という大橋。「怖がりだから信頼できないんですよ。お金と人気を。でも、経験だけは絶対に減らない財産」だと。そんな大橋を「異常者」だとマツコ流の賛辞。

番組では夫・上出もコメントを寄せる。その風貌に「おー、大丈夫なの、これ」と笑うマツコ。

もともとの出会いは、大橋のロケのアテンド役のADで、先輩・後輩の関係だったが、その後、彼の作品(おそらく『ハイパーハードボイルドグルメリポート』)を観て、尊敬に変わったという。

「言葉では嘘つけますけど、やっぱりVTRになっちゃうと嘘つけないなって思ったので、信頼度が増した」と、テレビで生きてきた人ならではの惹かれ方。

上出は「常識は通用しない」と大橋を評すと「お前が言うな!」と笑うマツコ。「顎を入れる」のが彼女の日課で、常に何か音を出しているとクレームを入れた上で、彼女への想いを語り始める。

「『僕についていきます』とか、そういうのは嫌。それぞれに目標を持って楽しく充実した日々を送りたいというのが大前提。なんで、彼女のほうがむしろ渡米したがってます。一回ここでゆったりして、次のやりたいことに向けて力を溜めてくれたらいいのかな、なんて思いますけど、そんな間もなく、激しい日々がやってくると思いますけどね。たぶん、それを望んでると思います。ゆったりなんて好きじゃないと思うんで、へとへとになりながら生きていくんじゃないかなと思いますけど、まあ、楽しんでいきましょう」と呼びかけた。

そんな上出に対し「ファンなんです」と言う大橋。ふたりの関係性がとてもステキだった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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