写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
日常の楽しみ
第39回。
実はここ数年、街に繰り出してはライブハウスに潜り込み、さまざまなジャンルのバンドを物色しています。
狙いをつけて出向くこともあれば、そのときのタイミングで初めて出会うバンドを楽しみに向かうこともあり、聴覚を最大限に研ぎ澄まして音を盗んでいます。
10歳から芸能事務所に入り、芸能の道を歩んだ僕にとって“ステージに立つ”とはまず第一に夢を与える仕事と教えられてきました。そして替えが利くサバイバルのような世界。常にわくわくした気持ちよりも先に使命感を背負っている感覚がありました。
そんな感覚が深く根づいていたため、ライブハウスで自由気ままに演奏を楽しんでいるように見えるミュージシャンの姿にはものすごく違和感を覚え、そして眩しく、新鮮に見えたものでした。
それからは時間があればライブハウスに出向き、ミュージシャンが創造するのびのびとした世界を体感するのが日常の楽しみとなっています。
ないものねだりな場所は自分の価値観に変化を与えてくれました。
加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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